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北陸のボランティアいってみた(2024年4月)

4月の第3週に北陸ボランティアにいってみました。珠洲市のたった1日の経験ですが行く前に知っておきたかったことを中心にまとめてみました。
実際の作業はハードな面もあるのですが、知らない人があつまって1日かけて同じ目標にむけて仕事できるのってすごいことだと思いました。

注:現地現物の写真NGなので、説明に使う写真のためにアマゾンのアフィリエイトリンク埋め込んでいます。気になる方はアマゾンの商品リンクはクリックしないようお願いします。



まずは申込

申込は3つのルートがあります。「石川県災害対策ボランティア本部」と各市の「災害ボランティアセンター」、そして「各種団体」。
県と市のボランティアでは共通でホランティア本部のサイトで、まず「ボランティア事前登録」をする必要があります。するとメルマガがやってきて、そこから申し込むという2ステップになっています。
直近予定はなくともも、まずは登録!!

この事前登録した人はすでに数万人いるみたい。じゃあなんで「ボランティア不足」とよく話題になるかといえば、ボランティアをまとめるボランティア(コーディネーター)の不足と交通事情・宿泊事情があって、県ボラバスで1日に送り込める人数は一つの市のボランティアセンタあたりバス1−2台に乗れる人数程度に絞られているようです。
結果、募集のメールをうけとったらすぐ申し込むという、有名アーティストのライブみたいなノリが必要だったりします。最近は平日は再募集がかかるぐらい余裕がでてきたみたいなので平日時間が取れる人は平日活動がおすすめです。

あとは各種団体が、東京大都市発着ツアーとか、現地滞在施設所有とかいろいろあるみたいなのでそれを選んでもいいかもしれないです。

県・市が募集している一般ボランティアと各種団体が集めた団体あわせて一つのボランティアセンタあたり百数十名が毎日活動しているというのが現在の姿みたいです。

■珠洲市災害ボランティアセンター活動報告  珠洲市災害ボランティアセンターでは、4/17(水)に一般ボランティア延114の方により、家屋内の片付けや家財の搬出等15件のボランティア活動をを実施致しました。  また、その他技術系関係団体によ...

Posted by 社会福祉法人珠洲市社会福祉協議会 on Wednesday, April 17, 2024

どこへ申し込むか

4月の時点では道路状況もあって、地元以外の人がいける場所は限られています。
随時状況が変化するので、https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com の最新状況を見つつ構想を練り、メルマガで案内される申込フォームで申し込む。
現在のところ自力で現地にいっていいのは、下の図であおい四角で囲った「全国」の指定がある4市。赤い四角の「県ボラバス」というのは、金沢駅集合で、そこから現地へ連れて行ってくれるバスのことで、今回私はこれにのって珠洲市までいってみた。
(自力で現地に行っていいとはいえ、これも事前登録して許可された人だけがいける仕組みです)

4月18日現在の募集状況(最新は:https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com)

県ボラバスでの珠洲市までの道のり

Google Mapで140キロ。2時間35分かかります。バスでいくと途中トイレ休憩もあるので3時間かかるみたいです。
(そうそう!!一部のPAは復旧していてトイレ休憩ちゃんとあります。その点ご安心を!!トイレのことが常に気になるお年頃)

この距離は東京ー軽井沢の距離(158キロ)に匹敵します。

バスで3時間の距離なので、日帰り型だと集合は6時台です。関東からの日帰り参加は難しく、金沢で前泊するか、途中のボランティアベースキャンプで前泊するかの2択になります。

日帰り型スケジュール
ベースキャンプ前泊

今回私はアウトドア好きなのでベースキャンプに泊まるのを選んでみました。ベースキャンプといっても体育館に避難用テントで個人空間仕切るタイプなので、登山のテント泊よりは随分快適で、お風呂と食事のないグランピング(といったらいいすぎかもではあるが)みたいな感じでした。
すくなくともシュラフが水没したり、テントが飛ばされたりしない安心感はありました。

一人で一つのテント占有できる

もっていく必要がある道具は上のサイトに記載されているので熟読する必要があります。だんだん復旧してきて情報が古くなってきている点もありますが、テント以外なにもない前提でいくといいと思います。
逆に減ったものとしては、お弁当が出なくなって宿泊費(1000円)もなくなりました。200円のカップラーメンのかわりに800円追加するだけで、おいしいお弁当食べられて地元の仕事にもなるならばこんな素晴らしいスキームないと思っていたのでちょっと残念でした。
おすすめグッズ
おすすめ便利グッズとしては、↓これ。屋外にある仮設トイレでも快適快適。トイレットペーパーの量も減るし超おすすめ。

あとはマットは薄い銀マット+1センチぐらいのマットが提供されたけれどちょっと固かったかも。いつも使っているテントマットがあったらもっていったほうがいいかもしれないです。


お仕事の内容

時期や場所によってお仕事の内容は変化すると思うけれど、現在一番人気のお仕事「災害ゴミの片付け」をやってきたので、経験1日の初心者レベルですがノウハウ共有(4月現在の珠洲市でのごく一例として理解した上で読んでください)。

やること

今回与えられたミッションは「災害ゴミを軽トラに乗っけて災害ゴミ集積所へ運べ。集積所は1530でクローズ時間厳守のこと。以上!!」でした。

1日の流れ

私が行った時の例でいえば、こんな感じです。一箇所目がおわってかえってくるとまだ作業しているところへ支援に回る形になります。帰りのバスの時間が決まっているので確実に戻ってくる時間管理が必要です。
たまたま集まった人たちがハイテンションだったのか「あとトラック1台分」「いやもう一台!!」とぎりぎりまで粘る空気が現場にはありました。そこでリーダーが30分前に「あと30分で時間切れ」宣言をして時間どおりにボランティアセンタにもどることができました。

 8:30ー9:00 ボランティアセンターでの説明
  * 概要説明
  * チーム分け(リーダー・ドライバー・ナビ)
  * 指示書をリーダーへ配布
  * 空いているゴミ処理場について
  * 配車
  * 機材のピックアップ
    基本セット:ロープ・ガラ袋・シューズカバー
    現場にあわせた工具:指示書をみながら適当にピックアップする必要がある
 9:00ー13:30  移動&1箇所目活動
14:00ー15:00  移動&2箇所目活動
(15:30 ごみ集積所クローズ)
15:45 帰りのバス到着
16:00 バス出発

自己完結の原則(?) ボランティアセンタの説明はとても簡潔

ボランティアセンターの人は2ー10人単位のチーム分けを行ったあと、依頼内容・依頼人数・活動場所・必要機材・現地の写真が書かれた指示書をリーダへ渡すだけで、「自己完結」なる原則に基づいてか具体的な作業についての説明・指示はほとんどありませんでした。おそらくボランティアセンターの人もボランティア中心で、たとえ人が入れ替わってもうまくまわるように指示書を渡すだけのオペレーションが標準になっているみたい。
実際のところ、それが一番うまくいく方法で、チームの中にいる何回もきている人や建築関係のプロが指示書をみてリーダシップをもってちゃっちゃか始めてしまうので大丈夫なんだけど、全体像がみえない素人にとってはいささか不安でした。もしも皆さんがリーダーになった場合は、一旦全員をあつめて指示書のブリーフィングすることから仕事を始めるとみんな安心すると思います。

災害ゴミとはなにか?

現地に行く前のイメージとしては、地震で壊れるといえば、グラスとか食器とかかなあと思っていたけれど今回伺った場所では以下のような状況でした。

・ 地震で瓦が割れ、地面に落下
・ 避難所へどうにか避難したが、家への道路は通行止め2ヶ月
・ 瓦が剥がれたまま放置された2ヶ月間の雨漏りで家の中の家財道具がかなりやられてしまった
・ 畳は濡れてカビが発生。壁や天井はぬれて壁材がはがれた。

依頼主に聞いてみました

思いのほか大量のゴミが発生していました。とくに北陸特有事情かもしれませんが、とても家が立派で8LDK+納屋みたいな豪邸が多く、また瓦屋根が多いこともあってとてもたくさんの災害ゴミが発生していました。
黒くてカッコイイ瓦はこの地区特有のとても貴重なものなのだそうです。

そうした災害ゴミを分別して集積所にもっていくのが与えられたタスクでした。「分別」というのが重要なキーワードです。

なお、集積所みたら「この機に!!」と出てきたと思われるブラウン管テレビもたくさんありました。家が広いといろんなものがたまっていくみたい。

細かい分別方法など書いてあるので、行く先のホームページはみておくといいです。とりあえずいくつかググってみてリンクおきました。場所によって分類方法から変わってくることがわかると思います。

https://www.town.anamizu.lg.jp/data/open/cnt/3/1578/1/gomi.pdf?20240314174438

ボランティアセンターから現地への移動

荷物を運ぶ軽トラで移動しました。ボランティアセンタは市の中心なので、今回行った現場は、移動は簡単でした(車で15分ぐらいのところ)。
移動は指示書にかかれた住所だけを頼りにいかなくてはいけないので、GoogleMap必須です。ナビ担当が指示書の住所を入力して案内する形になります。田舎道で道が複雑じゃないので迷うことはなかったですが、突然穴が空いていたり液状化でマンホールが10センチぐらい浮いていたりするのでゆっくり安全運転が必要です。
我々のチームは1台パンクしてしまって途中で引き返したりしました。注意できるものではないかもしれませんが、道路上の鉄片などにも注意が必要です。
その他車自体、酷使されているので(レンタカーなのに大変だっ)、乗る前に外観(タイヤ)やガソリン残量など一通り確認したほうが良いです。


片付けの技術

まずは分別。うっかりまぜると集積所で分別することになるので大変です!!あと集積所のレイアウトも提供されていることが多いので、回る順番に荷物をおろせるように乗せるといいです。

珠洲市の例

珠洲市では、通常は有償のテレビとかも集めてました。一方、柱時計の電池や蛍光灯、本、段ボールなどは集めてくれないので、うっかり受け取って持って行くと行き場を失うので注意が必要です。

指示書をよく読む

指示書には、現場の住所のほか、具体的な作業内容と必要機材が書かれているのでよく読む。
ただし、機材については書かれているものは必須だけれどもそれだけがあればいいわけではなくて、作業内容からみんなで相談して必要なものを洗い出してボランティアセンターから借りて行く必要があります。まるでダンジョン系のゲームです。

一輪車が必須なのはわかるけれど、そのほかに必須なものはチームで作戦たてなくてはいけない

指示書はWord(もしかしたらExcel方眼紙)3−4枚でとてもよくまとまっていましした。現地の写真入りも含まれていて具体的な作業指示がかかれています。おそらく現地訪問しながら担当が作成していることを思うと1人1日に4−5件ぐらいが新規作成の限界なのではと思いました。おそらくここが、ボランティアの受け入れに制限が出るボトルネックの一つだと思いました。人を増やそうにも弱っている被災者の家に訪問させていいぐらい信頼できる人で、かつ、わかりやすい指示でWord文章にまとめられる人がどれだけ世の中にいるかといわれると、なかなかすぐには増員できそうにありません。

基本アイテム

珠洲市では絶対にいろうだろうアイテムがセットとして配られていて、車1台につき1つもっていく形でした。記憶にある限り、バケツの中に以下のものがはいっていました(イメージをつかんでもらうためにAmazonのリンクいれましたが、具体的な品物とは一致しません。またアフィリエイトのリンクになっているのでクリックしないようお願いします)

軽トラに積んだ荷物を縛るロープです。ロープの使い方は、後ろのほうにYoutubeのリンクをいれました。

ゴミを分別していれるために土嚢袋を利用します。自治体によって違うかもしれませんが、珠洲市では土嚢袋本体は受け取ってもらえませんでした。つまり集積所では土嚢袋からとり出す必要があります。中身がわからなくなるのと、あとから取り出しやすくするために、口は縛らないほうが絶対いいです。
なぜか軽自動車に包丁が積んであったのですが、あとからこのアイテムは「縛っちゃった土嚢袋を開くために必要だったんだ!!」とロールプレイングゲームのような発見がありました。

安全靴を履いた状態で屋内で作業できるようにシューズカバーが提供されていました。今回、「土足のままでOK」と依頼人に言われましたが、やはり土足は気になるので利用しました。

ゴミ種類ごとのお片付けポイントと必要アイテム

家具(たんすなど)

Step1: 中身と引き出しを全部抜く。重さに関係なく抜いておかないと途中で引き出しが落ちてバランス崩す。
Step2:軽くても2人以上で運ぶ。最初に不要な毛布を一枚もらって、乗せて引きずる方法も有効。

現場によっては引越し業者なみの注意を要求される可能性もあると思うので依頼人とどれをどうやって運ぶか相談しながらすすめるといいと思います。

あと手袋は絶対に滑り止めのゴムがあったほうが作業しやすいです。私はガラスをつかむ可能性を考えて、すべりどめゴム付きの耐切創 手袋をつかいましたがこれが大当たりで便利でした。

畳が災害ゴミになる理由は、雨漏りで濡れてしまってカビが生えてしまうからです。そのため畳は水を吸っていてとても重いです。まず、床から外すのが大変。もしも畳のキーワードが見えたら、バールをセンターから借りて行くのは必須です。

いまどきのビニール製の安い畳じゃなくて、本物の畳が水を吸うと1枚30キロとか50キロとかあります(軽トラの積載量350キロを考えると1度に10枚のせられるかどうかのレベルで1枚が重い)

木屑

分別して土嚢袋にいれます。たまたま今回経験しなかったけれど、棒状のものが大量にあることを考えると、あるかどうか不明ですが紐とカッターナイフのように束ねるアイテムもチームに1つ借りていったほうがいいかもしれません。

ガラス

分別して土嚢袋にいれます。今回土嚢袋に入らない大きなガラスがでてきました。依頼人がたまたま大きな袋もっていたので、それをいただいてことなきを得ました。センターにあるかどうかわからないけれど、土嚢袋の類の大きさ・種類は確認しておくといいとおもいました。
あと作業は、きちんと耐切創 手袋している人がやったほうがいいとおもいます。普通の軍手だと心許ない感じです。

金属類

これも土嚢袋にいれてまとめます。細かい金属も袋にいれて集積所で取り出したら「細かいのは困るんだよねー」と嫌味いわれてしまいました。実際、集積所では重機でゴミを集める作業しているので数センチ単位の金属は困りそうでした。
ただ、これは袋にいれたままでもNG、とりだすと細かすぎてNGなので答えがわからず、笑顔で「おねがいしまーす!!」といって受け取ってもらいました。

瓦・コンクリート

(それぞれ分別が必要ですが扱いは似ているのでまとめます)
土嚢袋数個に入るならば土嚢袋にいれます。でもだいたい入らないぐらいの量と重さがあるはずです。そこでフレキシブルコンテナバック(通称:フレコンとかトン袋といわれるもの)をセンターからもらっていきます。
1メートルぐらいの立方体のエコバックの化け物みたいなやつです。

集積所までもっていくと、そのまま重機で吊り上げて荷下ろしするので、最初に持ち手と白い布の部分(白い布は最後に蓋として縛る)を外に出して袋を広げておきます。
もう一つの注意としては中身をいれちゃうと絶対人間では動かせない点です。最初に軽トラの荷台中央において、袋を広げたら、底の四隅に瓦やコンクリートをいれて場所を決めるのがポイントです。
一輪車には直接瓦・コンクリートを入れないほうがいいかも。

一輪車から荷台の上のバックへ移動させるのは大変だ

フレコンバックを荷台の上におくと、一輪車で運んできた最後に1メートルほど荷上する必要がでてきます。もう一度バラの瓦を手で荷上するのは大変です。
今回依頼主がプラコンテナを貸してくれたので、一輪車にプラケースを乗せて移動させて、プラコンテナだけ荷台持ち上げてバックに入れるという方法をとりました。ボラセンにプラコンテナはなかったような気がするのですが「てみ」(はじめて名前を知った)はたくさんあったので、できたらプラコンテナ、なければ「てみ」を借りていったほうがいいと思います。
この「てみ」ってヤツ、見た目からちりとりの大きなやつかとおもってたら、コンクリ片載せてもへたらないタフで応用効くすごいヤツでした。

瓦って最後は針金で止まっているものらしい

ボランティアによる瓦の回収は、屋根に登るのは危険なので地面に落ちてきたものをあつめることが中心となります。瓦は組み上がった最後の部分を針金で縛って固定するものらしいです。そのため瓦には針金がついた状態で落ちてくるやつが混じっています。
瓦は瓦、針金は雑金属類です。瓦から針金をぬいて分別しないといけません。ペンチじゃなくて、ワイヤーカッターが便利でした。これもボラセンにたくさんおいてありましたので借りて行くといいと思います。

ヘルメット必須
ボラセンでヘルメット貸してくれるので絶対したほうがいいです。
よくかんがえたら瓦が落ちている場所というのは、ちょっと余震や強風がふいたらそこにもう一度数キロの塊が2階の高さから降ってくる場所ということでした。瓦拾いが案外一番危ない作業かもしれません。
私は頭を柱にぶつけないように室内でもヘルメットかぶっていたのですが、外で休憩するときに玄関でヘルメットを脱いだこともありました。振り返ると玄関から出た直後の軒下が一番危なかった。反省反省。
ボラセンでも貸し出しあったけれど、マイヘルメット買っちゃった!!

家電類

珠洲市では電池は受け取ってくれないので、電池は抜いてもらう必要がありました。また蛍光灯もうけとってくれないのでこれも蛍光灯をはずした器具だけにする必要がありました。

壁材(スレート)

分別して土嚢袋にいれる。
やることは簡単だけど、実はこいつは悩ましい問題を抱えています。アスベストです。
(以下のページをかならず読むようにと案内にしれっとかかれていたけれど、みんな読んだ?)

資料を読んだ私の理解では、労使間の責任を定めた労働安全衛生法の下では、有資格者の指揮監督下じゃないとやってはいけない危険な作業を、ボランティアは雇用関係のない、自己責任・自己完結の活動というスローガンの下、フリーダムにやっているのがいまの状態のように見えました。

業者むけ説明資料

他に労働安全衛生法で定められた資格には、重機の操作も含まれています。「震災ボランティアにむけて重機の資格を取ろう」という活動があるけれど、実は雇用関係がないボランティアは労働安全衛生法の制約をうけないので法律上は重機の資格は不要です。とはいえ、重機に関しては法律上は対象外としても同じ作業を行うのだから安全確保のためには労働安全衛生法で定められた要件を守る必要があるという共通認識が出来上がっていると思います。
ところが、同じ法律に基づいているアスベスト対策については無資格でもOKで「URL送っといたから必ずみてね」というのがいまのボランティアの安全基準ということになります。
実際のところ、ボランティアやる期間は短し、作業内容も解体ではなくて落ちているのを拾うのが中心だし、北陸はアスベストが出ない瓦屋根が多いし、仮に健康被害がでても10年から15年先なので直接の原因はどれだかわからないし、まったく問題にはならない可能性がとても高いのだけれども、必ずみろと指示のあるURLを熟読すればするほど、ちょっともやっとしました。

現実的にできる対策
住民・災害ボランティアの皆様へ(石綿(アスベスト)にご注意ください!)をよく読む。

https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kankyo/kankeihourei/ishiwata/documents/juminboranthiahenokanki.pdf

案外すげーことをしれっと書いてある

そして対策の部分を読む。
「作業のときは散水すること」と説明したから、あとは自己責任・自己完結ですよ!!といわれても、そもそも散水なんて実行不能プランを提案しておいて、そいつはないぜ!!というもやもや感が増します。
実際に出来ることは積極的に剥がしたりする作業はしないで落ちているものを拾うに止める、マスクは防塵マスクを使う、という2点ぐらいでしょう。
ボラセンにはスクレーパーが備品としておいてあったけれど、あれを使う作業はあまりやらない方がいいというのが一つの答えかもしれないです。

貴重な水を散水するという実行不可能な提案
できることはマスクつけることぐらい。

個人で最後にできることは高性能なマスクを選ぶことぐらい。私はDS2検定合格マスクを着用しました(夏はつらそう)。

さらに本格的に作業せざるを得なくなったときのためにもう少し強力(そうな)なやつも買って持っていきました。

ヘルメットをかぶることも上からふってきたアスベストが髪について、あとから吸ってしまうことをさけるために有効らしいです。あとはゴーグルかな。


必要な技能

一般ボランティアに必要なのはマニュアルの軽トラ運転技能と体力

「災害に必要なのは重機」というイメージが頭にあったので、私は20万円かけて2月ー3月で大型特殊免許と車両系技能講習(整地・解体両方)を取ってみたのだけれども、実際にゴミ捨てで必要なのはマニュアルの軽トラ運転技能が一番必要なものでした。オートマもあるので希望すればオートマ車選べます。私は免許上はマニュアルもOKなんだけど、教習所以来運転したことないのでオートマ選択しました。
あとは重たいものを持つ体力!! 濡れた畳なんてスーパーヘビーなので筋トレをしておこう!! 
最後に腰をいわさない姿勢を常に意識して安全に。
被災地でぎっくり腰になったらどういうことになるか想像するだけで恐ろしいです。カタガタ道が含まれる道をバスで3時間移動しないと、安静にすることも医者に行くこともできない可能性があります。

ロープワークできるとちょっとイイ !!

必要なロープワークは「トラッカーズヒッチ 1種類」だけなので覚えておいて損はないです。軽トラにたくさん乗せたときに、飛ばないようにロープで縛った最後をキュッとしめるときに使う結び方1種類。これを覚えておけばチームへの貢献度Up!!間違いなしです。

左上の良い例のようにロープで縛る技ができると、ちょっとイイ

日本だと人気ないけれど、0:45あたりからのトラッカーズヒッチが一番簡単だと思います。3回ひねって輪っかをつくるだけ。

日本だとこっちの「南京むすび」が大人気なのでこっちもいい(ちょっと難しいけれど、とても解きやすい特徴がある)


その他(いろいろ経験したこと・考えたこと)

思ったことをとりとめもなく、つらつらと書きます。単なる読み物で実用性はないので読み飛ばしてくださいませ。

おしっこはもちかえらなくてもよかった(たまたま?)

4月の段階では、まだまだトイレは完全復旧しているわけではないけれど、ボランティアが使える仮設トイレはだんだん準備されはじめています。今回私が利用できたトイレは以下がありました。
 ・ 高速のパーキングエリアのトイレ
 ・ ベースキャンプの仮設トイレ
 ・ ボランティアセンターの仮設トイレ
一番インターバルがあくのは片付け作業の時です。指示書にもトイレの利用可否が書かれていますが、当分の間作業先ではトイレ使えない可能性が高いと思います。

ボランティア作業指示書の一部

じゃあどうしたかといえば、昼休みを利用してボランティアセンターに戻って用を足しました(そのあたりで用を足していた人もいましたけれど)。
女性がいるかどうかにかかわらず、リーダーは昼休みをきちんと取ることと、昼休みに限らすトイレに行きたくなった場合は連絡の上ボラセンに戻っていいことなどをはじめに説明するとよいと思いました。
今回の作業では、集積所の近くがボラセンだったので、ゴミを運搬するついでにボラセンによることもできました。ゴミ集積場にも仮設トイレはあったのでお願いすれば使わせてもらえるかもしれません。コンビニは営業していましたがトイレは復旧していませんでした。
今回いろいろ緊急アイテムを考えて持っていきましたが出番なく過ごすことができましたが、ボラセンから遠いところへ派遣される可能性を考えると引き続き緊急セットはいるかもしれません。

とりあえずおしっこ500ccはでないだろうと思ってこのボトルもっていきました。

念のため固めるやつも。わりとトイレ近いので自分のなかでは一番の不安ポイントでして、万全の準備でいってみました。

ボランティア vs お金

今回交通費3万円+マスクとか安全靴などの個人装備で1万円の合計4万円ほどかけてボランティアにいきました。頭のすみで、素人の労働よりも4万円をそのまま義援金で渡したほうが喜ばれるのではないか?と不安に感じている面があります。
ただ、実際にいってみるとプロの建築系のお仕事をされている方が相当数いらっしゃいました。建築のプロが1日働いたら4万円では済まないだろうから、それ以上の価値があると判断されているんだろうと理解して、ボランティアにもきちんとした価値があるのだろうと考えるようになりました。
また実際の作業内容は建設業というよりも「便利屋さん」的な作業を人海戦術で行うというものでした。「便利屋さん」は平時はニッチな領域でプロが少なく、ボランティアじゃないと簡単には人数が集まらないだろうことも理解できました。
ちょっとダークな可能性でいえば、アスベストのところでちょっと書いたけれど、今の法規制では解体作業をするときは、設計図などでアスベストがないことを証明できない場合は、アスベストが含まれている前提でサンプル調査をし、アスベストが含まれている場合は責任者を置いて、責任者の監督のもと作業をすすめる必要があるみたいです。ボランティアだとそういった安全装置をとっぱらって小回りがきくというメリットがあるかもしれません(命差し出して復興スピード加速させていたとしたら、それは4万円じゃなくてプライスレス)

おっさんパワー

今回、ボランティア初参加でした。勝手なイメージでボランティアって学生がやっているものだと思っていました。
しかし4月の始業式直後の平日に時間がとれる学生がいるわけもなく、今回参加した平日の力仕事系ボランティアの8割方は私と同じ年代の「おっさん」が中心でした(イメージでいえば、ファーストガンダムよりもヤマトの諸君)。あまり会話できなかったので、みんながどんな背景の人なのかわからないのですが、同年代なので、ちょうど仕事人生のゴールが見え始めたころの人が多いはずです。連絡先も交換できなかったけれど、人生の次のフェーズとして少しでも社会に貢献できることを模索している仲間ができたような気分になりました。



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