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重心と機動性と危険性と

こんにちは、ヤッシーです。4連投の第2弾です。

今回は私の専門である機械工学と人間の行動が共通する(ような)部分について書いてみたいと思います。数式とかは使わないので安心してくださいね笑

重心とは

重心は皆さんもご存知ですよね。体のことでよく使われているイメージです。重心は読んで字のごとく、重さの中心です。立っている人間であれば、重心が高いほど不安定で、低いほど安定します。車なんかも同様ですね。

ここまで読むと、重心は低いほうが安定していいじゃん!と思われがちですが、本当にそうでしょうか?ワンボックスのような車だと、低重心を売りにしていることもありましたよね。低重心だと何が良いのでしょうか?

重心と機動性

実は重心が低いほど安定しますが、低いほど機動性は下がります。つまり、グッと曲がったり、走りだしたりするのに時間がかかります。

たとえば、飛行機なんかだと重心と空力中心というものが出てきます。重心は重さの中心で、空力中心は飛行機が浮く力の中心です。この2つの中心の位置関係によって安定するか不安定になるかが決まります。

旅客機や輸送機は長い距離を安定して飛びたいので、より安定するように設計されます。しかし、戦闘機のように急な旋回が必要な機体はあえて不安定にして機動性を上げています。

もちろん、よく動くということは動きすぎる可能性もあるので、不安定なほど動きすぎて危険性が高まるわけです。

安定性と人間

さて、この安定性と機動性と危険性のいったい何が人間に関係するのか?

1)生活の安定性と機動性

だれしもが望む安定した暮らし。特に高度経済成長期であれば結婚して家買って子供ができてなんて言うのが誰しも望む理想の将来だったのでしょう。しかし、近頃では(特に若い世代では)安定した生活を手に入れることすら難しくなっているといっても過言ではありません。

これとは対照的に、良くも悪くも機動性(柔軟性?)が求められていると感じています。働き方改革に象徴される柔軟的な働き方、公私の使い分けなど高い機動性が必要となります。

つまり、安定性が下がり機動性が上がっていると感じるわけです。生活の戦闘機化、というと大げさでしょうか笑

個人的には安定した生活があるほど、冒険できるのではないか?と思うのですが...

2)働き方の安定性と危険性

前述しましたが、働き方の柔軟性が上がっていると感じています。コアタイムの廃止・フレックスタイムの導入・テレワークの推進が進んでいますよね。確かにフレックスタイムの導入によって好きな時間に働けますし、テレワークにすれば遠隔地でも仕事ができます。

しかし、どの仕事にも当てはまることでしょうか?

最近はやりの”イノベーション”ですが、対義語として「オペレーション」があると考えています。オペレーションなしではイノベーションは成り立たないので、イノベーションを求めるならことさらオペレーションが重要になります。

にもかかわらず、どこでも・いつでも働けることばかりにフォーカスされて、よりオペレーションがないがしろにされてはいないでしょうか?

3)考え方の安定性と機動性

人間の考え方は経験値の量と比例して安定すると感じています。簡単に言えば「年を取れば安定する」ということですね。

これに対して、経験値を得て安定するほど柔軟な考え方は難しくなっていきます。(例外のような方もいらっしゃいます。)

最後に

ここまで書いたように、物理現象と世の中や人間の動きって思っている以上に重なっていたりします。そうなればいい、というものでもありませんが共通性の認識から新たな学びや気づきを得られるとよいなと思う次第です。

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