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ささやきと、いのりとやすらぎと

弘前の長い路地を抜けると教会だった。空の青が白くなった。

ーーと、「雪国」のもじりではありませんが、先日の弘前行きでそんな経験をしました。

青森県弘前市。
「日本一の桜とりんごのまち」を謳うこの街は、近代建築の名所としても知られています。

先日のnoteでも取り上げたスターバックスコーヒー弘前公園前店(旧第八師団長官舎)、弘前学院に派遣された外国人宣教師たちの宿舎だった弘前学院外人宣教師館、明治39年建設の旧弘前市立図書館などなど……市役所のまわりを見渡すだけでも目白押し。
私のように古い建物が好きな人間にとってはたまらないものがあります。

街並みも程よい古さを残しており、ふらふらと誘われるように散歩していたところ、とある建物に出会いました。

……はい、教会です。それも普通の街中にあるとは思えないほど立派な教会です。
扉には「OPEN」の文字。おそるおそる扉を開けてみると。

想像以上の見事さ。ちょうど光が綺麗に差し込む時間だったということもあり、思わず声が出てしまいました。

何といっても祭壇の美しさ!
教会内に記された来歴によると、オランダの聖トマス教会にあったものを譲り受けたものとのこと。完成は1866年とのことなので、150年以上を経ているわけですね。改めて写真で見ても見事なものですが、これは是非とも肉眼で見ていただきたいです。

ーーそれにしても、教会とは良いものです。
あの静謐な空気や、柔らかさをたたえた木の匂いや、ステンドグラス越しに差し込む光を味わっていると、我が家にいるのとはまた違う落ち着きを感じます。

私は学生時代をキリスト教系の学校で過ごしたため、教会には比較的馴染みがある方。とはいえクリスチャンというわけではなし、本来は祈りの空間たる教会で心が安らぐのは、やはりこの空間の独特の魅力ゆえなのでしょう。

目を転じれば、そこにはステンドグラス越しに差し込む光。
陰影の妙があまりに美しく、いつまでもそこに立ち尽くしてしまいました。

街中で出会う教会訪問、お勧めです。
ただし訪ねる際は教会の方の許可と、なにより敬意をお忘れなく。

施設情報

弘前カトリック教会
住所  :青森県弘前市百石町小路20
TEL :0172-33-0175
開館時間:10:00〜15:00
休館日 :日曜午前
備考  :ミサの時間以外は観光客のために聖堂を開放してくれています

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