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【教員発信】 安田女子高校STEAMコース~タンポポ遺伝子解析実験2023~

 安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
 今回は、2023年度の高1が実施したタンポポの遺伝子解析実験について報告します。




◎遺伝子解析実験2023

 今年度もSTEAMコースで、たんぽぽの遺伝子解析実験を実施しました。

まず講義を受けて何をするかを勉強しました
失敗が許されない緊張の一瞬
結果が出た!!

 教員や理科助手の方にもご協力いただいた結果、すべての遺伝子について、在来種・雑種・外来種の判定ができました。(これまでの判定率は50%~80%程度だったので、奇跡的な結果です。)

 結果は、以下の通り。
 番号 | 外 見 | 葉緑体 | 核領域 | 結 果
  1 | 雑 種 | 在来種 | 外来種 | 雑 種
  2 | 雑 種 | 在来種 | 雑 種 | 雑 種
  3 | 在来種 | 在来種 | 在来種 | 在来種
  4 | 外来種 | 在来種 | 雑 種 | 雑 種
  5 | 外来種 | 在来種 | 雑 種 | 雑 種
  6 | 外来種 | 在来種 | 雑 種 | 雑 種
  7 | 外来種 | 外来種 | 外来種 | 外来種
  8 | 雑 種 | 在来種 | 雑 種 | 雑 種

 見た目の判定で外来種に見えても雑種の割合が多かったことや、在来種と外来種の交雑が進んでいて雑種が多かったことなどが分かりました。

 今後は、今回の遺伝子解析の結果と、実際の分布をマップ上で比較して考察を進め、11月におこなわれる広島大学理学部の科学シンポジウムでポスター発表する予定です。


◎生徒の感想

・見えないものを追い求めるという大切さを改めて知った。結果も過程も大切なんだと分かった。
・全員が結果を出す事が出来て嬉しかったです。
・何をどうするためにこれを入れるみたいな工程が、全部合わさってやっと成り立つものなんだなと感じた。
・いろいろな作業をやってきて最後に初めて結果がわかるというのが物凄い緊張しました。なぜなら失敗していても分からないため挽回出来ないからです。今回実験を通して学んだことはPCRとはどのようなものなのか、そしてマイクロピペットの使い方ということです。とても緻密な作業で手が震えマイクロピペットを壊さないか、実験が失敗しないかとてもヒヤヒヤしました…

(執筆者注釈:抽出した遺伝子断片は非常に小さいため、肉眼で確認することができません。なので、途中途中で実験が上手くいっているかの確認がまったくできないのです。)


◎反省や課題

・少し上手くいかないことがあると落ち込んでしまうので、切り替えが大事だと思った。
・タンポポの実験中ずっと緊張しっぱなしだったので、リラックスすることが今の自分の課題だと思う。
・失敗すると焦ってしまい周りがあまり見えなくなりさらに失敗をしてしまう。
・事前にどんな風に結果が出るか、もうちょっと予習しておけば理解しやすかったかなと思った。


◎11月の発表や今後に向けての気持ち

・この研究を自分の糧にするためにしっかりポスター制作に取り組んでいきたい。
・先生方の助けを借りながらも、最高の発表が出来るようにたくさん準備していきたいです。
・誰が見てもわかりやすいポスターを作りたいです。
・たくさんの人にこの実験の楽しさを伝えたいです。
・自分たちが努力してきたことは自信をもてることだから、胸を張って頑張りたい。
・まだ細かいところまで説明できる状態じゃないから、ちゃんと何から何まで説明できるようになってみんなに知ってほしい。
・せっかく実験が成功したので、これまで支えてくださった先生方への感謝を忘れずに、たくさんの方々に褒めていただけるような発表にしたい。

最後までよくがんばりました!!

■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(3年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
大学・大学院時代は、赤外線天文学を専攻、できたてほやほやのすばる望遠鏡を使わせてもらいながら褐色矮星について研究していました。
未知の人と関わるときは尻込みするタイプですが、STEAMと関わり始めた2年前から一念発起して、いろいろな人と関わろうと努力しています。


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