青山泰文

白白庵 マネージャーPAKUPAKUAN Maneging Directorhttp:…

青山泰文

白白庵 マネージャーPAKUPAKUAN Maneging Directorhttp://www.pakupakuan.jp/japanese.html

最近の記事

音のうつわと繋がりのビジョン(山田浩之個展『細胞分裂』)

今を遡ること八十余年前、かの北大路魯山人は『器は料理の着物』という有名な言葉を書き記しました。今なお語り継がれるこのアフォリズムはその後の陶芸史に絶大なる影響を与え続けています。 しかしながら「うつわ」という物事のあり方についてはまだ多くのことが、あらゆる角度から述べられるべきであり、「料理」に留まらないビジョンも必要となることでしょう。建築しかり「うつわ」という観点から解釈されることによって新たな機能、あるいは覆い隠されていた事実が見えてくることもあるでしょう。 『レスラ

    • 祀られる他者と共に(「祀画」に寄せて)

      ”絶対的な異邦人として私を見つめる顔を前にした私の責任こそが、友愛という本源的なできごとを構成する。”  (エマニュエル・レヴィナス「全体性と無限」) 
 「飾る・画」ではなく「祀る・画」である。
 言うまでもなく、日常生活に於いて絵は”飾る”ものであり、所有者の生活の内において、その心身の延長である生活空間を装飾するものである。
 対して、ここで提示されるのは”祀る”画だ。 この「祀る」とはいかなることだろうか? 「祀画」はどのような可能性を示すのだろうか?

 まず通

      • 伊豆野一政個展「HIGAN」展示風景

        白白庵 オンライン+アポイントメント企画 陶芸家・伊豆野一政 個展 『HIGAN』 PAKUPAKUAN presents Ceramic artist IZUNO Kazumasa solo exhibition “HIGAN” ~ The other world ~ 【オンライン会期】 日時 2021年5月22日(土)午前11時 ~ 31日(月)午後7時 会場 白白庵オンラインショップ《PAKUPAKUAN.SHOP》内特設ページ 【ON LINE】 DATE

        • 『雲と石』、不安の時代に

          不安は、可能性に先立つ[それ以前の]可能性としての自由の現実性なのである。(セーレン・キルケゴール「不安の概念」より) 無垢としての無知であったアダムが、神に知恵の実を口にする事を禁じられたその時に、可能性としての自由が、まだ知識を得る以前のアダムの内に不安として立ち現れる。 知識と自由の奥底には同時に不安が存在し、不安こそが主体的な現実存在としての人間を基礎付けるものである、とキルケゴールは述べる。 「なしうる」という可能性だけが、無知の高次の形式として、不安の高次の表

        音のうつわと繋がりのビジョン(山田浩之個展『細胞分裂』)

          白白庵バーチャルツアー・大槻香奈個展「雲と石-2021-」

          白白庵にて開催中の大槻香奈個展『雲と石-2021』。 完全アポイントメント制、そして緊急事態宣言下での開催となり来場が叶わないというお声も多数頂戴しています。 今回の展示形式については4月24日配信の白白庵インスタライブでもご説明しておりますが、テキストと画像で再構成してお届け致します。 遠方の皆様、ご来場叶わぬ皆様にも会場の雰囲気をお楽しみ頂ければ幸いです。 まずはエントランス右手。 こちらには今展覧会と同タイトルである「雲と石」シリーズをしつらえています。イントロダクシ

          白白庵バーチャルツアー・大槻香奈個展「雲と石-2021-」

          「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」インタビューその②木彫担当者

          白白庵企画・ツタンカーメン堂presents 「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」 初日である2021年1月23日。正体非公開のはずのツタンカーメン堂が取材快諾。白白庵公式アカウントにてインタビューが配信されました。 (アーカイブはこちら) 当記事はそのインタビュー書き起こしに若干の加筆修正を施したものです。 第二弾はツタンカーメン堂・木彫部門の製造担当者。 物腰柔らかな言葉の端々から、その仮面の下に潜む仏師としての確かな意志を感じました。 --準備が整った様子ですね。木彫担

          「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」インタビューその②木彫担当者

          「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」インタビューその①陶磁器担当者

          白白庵企画・ツタンカーメン堂presents 「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」 初日である2021年1月23日。正体非公開のはずのツタンカーメン堂が取材快諾。白白庵公式アカウントにてインタビューが配信されました。 (アーカイブはこちら) 当記事はそのインタビュー書き起こしに若干の加筆修正を施したものです。 第一弾はツタンカーメン堂・陶磁器部門の製造担当者と名乗る人物。 魅惑のツタン世界をよりディープにお楽しみください。 --まずは自己紹介からお願いします。 ツタンカーメ

          「ツタンカーメン堂の新春秘宝展」インタビューその①陶磁器担当者

          「健康で文化的な」生活。そして年末のご挨拶。

          まずは健康無事に生き延びたこと。 家族も、近しく大切に思う人々も。 それだけでも十分すぎることです。 コロナなんて無くったって、いつどんな時であれ同じことだったはずですが、やはり今年はこの思いに尽きます。 残念ながらそうではなかった全ての方のために祈ります。 今この瞬間にも医療現場を支える全ての方に敬意を表します。 そして自分の守るべきもののために前に進み続け、あらゆる形でこの社会にコミットする全ての人に感謝を。 3月末に白白庵の店舗休業決定、5月1日にオンラインショップ

          「健康で文化的な」生活。そして年末のご挨拶。

          《shiki》田中英一『月夜に骨踊る』

          白白庵オンライン+アポイントメント限定企画 《shiki》 田中英一展『月夜に骨踊る』 白白庵では初個展となります。 その開催に先駆けてインタビュー記事を公開します。 アトリエでの制作風景と合わせてお楽しみください。 職住一体となったアトリエ”母屋” (埼玉県所沢市) 母屋に隣接するワークスペース兼ショウルーム”むすひ” ◯木を料理して”うつわ”を作る 田中英一氏  ”むすひ”内カウンターキッチンにて ーここに並ぶ家具類も全て手掛けられているんですね。 もちろんで

          《shiki》田中英一『月夜に骨踊る』

          <壺中日月長>菱田賢治インタビュー

          白白庵企画「壺中日月長」 インタビュー企画最終回は菱田賢治。 「陶胎漆器」を中心に白白庵ではご紹介しています。 時には重厚な漆芸作品を手掛けながら、陶と漆のハイブリッドな魅力を携えて独自の道を切り拓く作家の言葉を、その作品と共にお楽しみください。 菱田賢治作品(白白庵『壺中日月長』) ○コロナ禍での制作についてーこの新型コロナ禍でどのような変化がありましたか? まず、展覧会が軒並みweb上で催されるようになりました。 SNSを通じて展覧会を知った方や遠方の方、更には初め

          <壺中日月長>菱田賢治インタビュー

          <壺中日月長>津田友子インタビュー

          白白庵企画「壺中日月長」 出展作家インタビュー第四弾は津田友子。 今回の出展作品は津田の本随である『楽』。
 曰く「全てが違う」作品たち。
 そこに込められた新たな挑戦を、作家の言葉と共にお楽しみください。 私がいつも、コロナに関係なく大事にしている事があります。 それが「待つのも芸術」という考え方です。 ものづくりのため大切に感じている、しばらくじっとこもっている時間のことを尊重する考え方です。 もっとリズミカルに作りたい、ここを触りたい、思う事をすぐ形にしたい、急いで

          <壺中日月長>津田友子インタビュー

          <壺中日月長>伊豆野一政インタビュー

          白白庵企画『壺中日月長』 出展作家インタビュー第三弾は伊豆野一政。 語り口は飄々と。コロナ禍で生じた変化を真摯に受け止め、 思考を重ねたプロセスを語って頂きました。 どうぞお楽しみください。 白白庵個展『SHINSO』(2019年)より ○コロナ禍の制作について今年の前半は白白庵での個展も含めていろんな展示がコロナの影響で無くなってしまいまして。 こうなったらこうなったで、今できることを焦らずやろうかな、と。 「このような状況下」に合わせて今すぐアーティストとして世の中

          <壺中日月長>伊豆野一政インタビュー

          <壺中日月長>かのうたかおインタビュー

          白白庵企画「壺中日月長」 出展作家インタビュー第二弾はかのうたかお。 壺と言えばかのうたかお。 コロナ禍に思うこと、そこに見出す壺中の世界。 どうぞお楽しみください。 かのうたかお(白白庵企画「壺1グランプリ」にて) ○コロナ禍での制作についてこのコロナ禍で制作のペースが一旦落ちたんです。 展覧会が中止になったり、大学講師の仕事でオンライン対応をしなきゃいけなかったり、そういう諸々が一気にやってきて作品制作はペースダウンしました。 ただし、その分自分の作る物に対して整理し

          <壺中日月長>かのうたかおインタビュー

          <壺中日月長>寺田鉄平インタビュー

          白白庵 オンライン+アポイントメント限定企画『壺中日月長』 新型コロナによって自宅で過ごす時間も増え、お茶の楽しみ方にも更なる変化が求められる中、白白庵ではオンラインでも日々世界中に発信と提案を続けています。 今回は『壺中日月長』出展作家に「新型コロナ禍における制作」と「今後の茶ノ湯」について出展作品についての話を交えつつ、お話を伺いました。 第一回は寺田鉄平。 「この状況下」をアクティブに生きる陶芸家のお話をお楽しみください。 ○コロナ禍における制作について 「瀬戸白

          <壺中日月長>寺田鉄平インタビュー

          <壺中日月長>会場の様子

          <白白庵オンラインショップ特設ページはこちら> 会場の様子を一部公開です。 ご来場につきましては白白庵店頭(TEL:03-3402-3021)もしくは各公式SNSアカウントまでお問い合わせください。 ~ 月のうさぎに一服差し上げよう。~ I will serve a bowl of tea to a rabbit of the moon. 白白庵 オンライン+アポイントメント限定企画 秋の夜長に自宅でお茶を愉しむ提案: 『 壺 中 日 月 長 』 こちゅうにちげつなが

          <壺中日月長>会場の様子

          「before dawn」 / 角居康宏インタビュー②【アート/クラフト 】

          白白庵企画 / 金工作家・角居康宏 展「before dawn」。 今展覧会に向けての制作を終えたタイミングで「before dawn」出展作品、そして自身の制作テーマについてたっぷりと語って頂きました。 今回は鍛金シリーズの制作と作品にまつわるお話を中心に。 どうぞお楽しみださい。 *インタビュー前半はこちら。 《銅花器シリーズ》 「掛け花 丸 φ25cm」 ーでは続きまして。叩く方のお話を伺いたいのですが。 今回の新作シリーズでは銅菅の花器あれも叩いて・・・?

          「before dawn」 / 角居康宏インタビュー②【アート/クラフト 】