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「タイ料理は体に悪い」という説を考えてみる

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noteで僕が運営しているメンバーシップ「Crazy about Thailand」。
「タイが好き」「タイに移住したい」といった方々へ向けサークル内
限定記事や限定ライブ、SNSで出していないタイのあれこれを発信しています。
1人でも仲間を増やしてもらいたいとの想いで立ち上げました。
現在、約70名の方が参加しています。
https://note.com/yasuharu_nishio/membership
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先日、Twitterのタイムラインにとある方が発信したタイ料理に関するツイートが表示されました。
そこに書かれていたのは

「タイ料理、美味しいと行っている人だいたい短期の観光客」

という内容です。
僕は2011年からタイに住むようになり、2015年からはバンコクを中心にタイ料理店を紹介するブログ「激旨タイ食堂」を運営しています。
2019年からはYouTubeも始めており、日々の食事はほとんどがタイ料理です。
したがって僕のように毎日喜んでタイ料理を食べている人間は珍しいのかと思い、そのツイートを引用リツートしたところ、予想以上の反響がありました。
Twitterではいろんなご意見をいただいたので拝見していると、ちょくちょく出てきたのが「タイ料理は体に悪い」という説です。


「タイ料理」とひとくくりにして批判すること


「タイ料理は体に悪い」という説は前から見ていたものの、今回は反響が大きかったこともあり、自分が思うことをnoteで書くことにしました。

「タイ料理は好きじゃない」だとか「タイ料理より日本食の方が好き」といった意見は個々の好き嫌いことなのでいいんですが、「体に悪い」というのはまったく別の話になります。

"健康に悪い説"を唱える人が言うには
「タイ料理は砂糖や塩、化学調味料、油をたくさん使う」
からだとおっしゃる。
では、彼らが言うタイ料理っていったいなんだろうか。

きっとソムタムとかパッタイとか、空芯菜炒め、カイジアオだとかそういった料理なんだろうと思われます。
確かに店によっては砂糖やら塩、油などを大量に使う店もあるだろうけど、タイ全土にあるすべての店でそのような味付けをしていることはないでしょう。
そして次に言いたいのは、タイ料理って前述した料理しかないわけではありません。
僕はタイ料理のブログを運営していることもあり一般の方よりもいろんな店へ足を運び、さまざまなタイ料理を食べてきていますが、そんな僕でさえまだまだ食べたことのない料理がたくさん存在しています。
きっと数百種類はあるでしょう。
そんな「タイ料理」とひとくくりにして「体に悪い」とバッサリ言い放ってしまうのは、かなり無理があります。

「料理」を取り上げて良い悪いを論じること


続いて言及したいのは、料理を取り上げて単純に「体に良い悪い」と分けられるのか、ということです。
同じ料理をずっと食べ続けていたら、どんな料理だって健康を害することもあるでしょう。
それはタイ料理に限らず日本食もそうですし、他国の料理もしかりです。
健康うんぬんについては「料理」に責任はなく、食べる側の意識が大きく左右します。
今日は味付けの濃い料理ばかりを食べたから翌日は控えようとか、塩分を摂りすぎているから運動しようとか。

「日本食は体に良い」といった意見も散見しますが、それも同じことで、砂糖をたくさん使っている煮物や、塩辛や漬物、ラーメンなど塩分の濃い料理ばかり食べ、しかも運動などをまったくしなければ健康に影響が出てくることもあるでしょう。

他国の食文化を批判するなら科学的な根拠を


3つ目に指摘したいのは、「タイ料理が体に悪い」と他国の食文化を批判するなら、科学的な根拠をきちんと持ち出さなければ、それはただ単なる"誹謗"になるということです。
そして僕が気になったのは、僕が見た限りの「タイ料理が体に悪い」とTweetしている人のプロフィールの中に、タイに住んでいる方がいたことです。

ビザを得てタイに住んでいるにも関わらず、その食文化を単に印象だけで批判し、科学的な根拠を持ち出さない。
それはタイ王国に対して失礼ではないかと思うんです。

僕は盲目的に「タイ料理バンザイ」と思っているわけではありません。
屋台によっては化学調味料を大量に使っている店もあれば、古い油をずっと使い続けている店があることも知っています。
しかし、その一面だけを見て他国の食文化を「健康に悪い」と一蹴するのは本当にナンセンスだと思います。

タイ人の糖質摂取量について

「タイ人の糖分摂取量が高いのはタイ料理に砂糖が大量に使われているためだ」
というツイートも拝見しました。

タイ人の糖分摂取量は、世界基準の3倍以上あるという説があります。
これは僕も納得することで、タイティーを飲んだことがあれば分かると思いますが、めっちゃ甘い!
最近でこそ少なくなりましたが、コンビニで売っている緑茶が甘いことだってありました。

そして僕が甘味料について気になっていたのは、タイ人が好んで食事中に飲むコーラです。

タイで食事したことがある方なら見たことがあると思いますが、食事中のコーラ率がけっこう高い。

ご存知の通りコーラにはかなりの糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)が使われていることから、毎食コーラを飲めば糖分摂取量が増えるのは明白です。

しかも砂糖は「マイルドドラッグ」と呼ばれるだけに砂糖中毒になる可能性があり、習慣的にコーラをやめられないことも考えられます。

このことを勘案すると、
「タイ人の糖分摂取量が高いのはタイ料理に砂糖が大量に使われているためだ」
という説は短絡的と言わざるを得ません。

最後にあらためて言いたいこと


Twitterで始まった議論なので、本来ならばTwitterで書くべきことなんでしょうが、これだけの文章をツイートできないためnoteに書くことにしました。

この記事で僕がすべて正しいことを書いているとは思っていません。
間違っている箇所もあるでしょうし、僕とは異なった見解があると思うので、それはコメント欄で教えてください。
最後に僕が強調したいことは、単なる印象だけで他国の食文化を非難せず、非難するならば科学的な根拠をしっかりと示して欲しい、ということです。

日本人も同じだと思うのですが、外国人から

「日本人に高血圧が多いのは、日本食にはラーメンや味噌汁、漬物といった塩分の高い料理が多いからだ!」

と、たいして日本食文化のことを知らず、ただの印象だけで言われたら「それらだけが日本人の高血圧につながっていると言うなら科学的な根拠を示せ」と反論したくなりませんか?

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