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1.インド音楽 × メタルの化学反応 = Bloodywood

インド映画音楽=ボリウッド。インド独特の節回しと、キレのよいダンス、勢いのある繰り返しコーラスなど、ボリウッド音楽の特長を持ちつつヘヴィミュージックと組み合わせた新バンドBloodywood。王道的なヘヴィーリフからの古典楽器のダンスリズムが妖しくも新鮮。ミクスチャーメタルを通過したヒップホップ的なヴァース、パワーメタル的なブリッジからのボリウッド王道のコーラスはテンションが上がります。この曲「Machi Bhasad」は翻訳もしてみました。

もともとはボリウッドのヒット曲をメタルカバーする、なかばお遊び的なプロジェクトだったようですが、youtubeで再生数を集めるにつれ本格的なバンドになっていったようで、今ではクオリティの高いオリジナル曲をリリースしています。

まだシングルしか出していないバンドですがWacken2019(ドイツで開催される世界有数のメタルフェス、これに出るということはかなりレベルが高いバンド)に参戦しました。Wacken2019の映像はこちら。

2020年には新曲をリリースしました。今までのダンサブルなボリウッドサウンドとメタルの融合から毛色が変わり、バラードです。クオリティもさらにアップ。アルバムも制作中でしょうか。リリースが楽しみです。

フューチャリングされている(というか、最近ほぼ全ての曲に参加しているのでメンバー扱いのようです)Raoul Kerrはヒップホップの人で、インドのレイプ問題を取り上げた「For Her」など、社会派のメッセージを打ち出しています。

現在、パトロン募集中。月1ドルからの6パターンで、最高月100ドル。最高ランクになると「プロデューサー」としてすべての名前に作品が載るそうです。リーダーで創設者のギタリストKaran Katiyarはもともと企業弁護士だったそうで、資金調達面含めいろいろと工夫していますね。

Bloodywoodは最近ドキュメンタリーもリリースしました。こちらの記事でそれに触れています。

もう1組、インド伝統音楽とメタルを組み合わせているのがSITAR METALです。その名の通りシタールとメタルの融合で、シタール奏者であるRishabh Seenを中心としたバンドです。

SITAR METALについては2019年のベストアルバムでも触れています。

ボリウッド音楽にも少し触れておきます。知名度が高く日本でも情報が入手しやすいのはAllah Rakkha Rahman(A.R ラフマン)でしょう。ムトゥ~踊るマハラジャや、ハリウッドで作られたスラムドッグ$ミリオネアなどの音楽を手掛けています。ローリングストーンズのミックジャガーと一緒にスーパーヘヴィというバンドもやっていました。スラムドック$ミリオネアの主題歌「Joi Ho(万歳!)」がこちら。

この曲はハリウッド向けにかなりアメリカナイズされているので、よりボリウッド色の強い曲も1曲ご紹介しましょう。2006年の映画「Rang De Basanti(黄色く塗れ)」の主題歌をどうぞ。

この曲はBloodywoodもカバーしています。英語字幕付きで歌詞の意味が分かりやすい。

インド音楽の発声法や音階(ヒンドゥースケール)は独特で、どこか落ち着きを感じさせてくれます。ボリウッド音楽についてはこちらの記事でも取り上げています。

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