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3.ダイナミックで先鋭的なチェンバーロック = BartolomeyBittmann

音楽の都ウィーン出身の二人組、バルトロメイ・ビットマン。バイオリンを弾いているのがビットマンでチェロがバルトロメイです。バルトロメイ氏はウィーン・フィルに先祖代々所属しているクラシックの名家。クラシックの中心でしっかりと音楽教育を受けた二人が自分たちが慣れ親しんだバイオリンやチェロを使ってどれだけ新しい音楽を作れるか、という挑戦をしているユニットです。タイトルではチェンバーロックと題しましたが、特定のジャンルには収まらない、新しい地平を切り開こうとする挑戦心を感じます。アコースティック楽器の2人ユニットというシンプルな楽器構成ですが、曲内のドラマをしっかりと築き上げる構築力に感嘆します。

この曲はセカンドアルバムの「N E U B A U」(2015年作品)から。口ずさむには難しすぎるメロディーですが、世界中を旅して回るロードムービーのような映像と共に印象に残ります。なお、2019年のサードアルバム「D Y N A M O」のリードトラックNeptuneでは一回り経験を積んで大人になった印象を受けます。

ロックやポップ、あるいはエレクトロニカ等、1960年代以降、録音技術・機材や電子楽器の成長と共に新しいジャンルが生まれ、日々変化していますが、その昔からあるクラシックも含めた世界各地の伝統音楽、伝統楽器でも新しいプレイヤーや新しい試みは日々生まれています。こうした新世代はロック的な語法も取り入れているアーティストが多い印象です。2CELLOSやRodrigo y Gabrielaなども、アコースティック楽器だけの少人数ユニットですがロック的ダイナミズムを感じさせるグループです。


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