背中のホクロ。

窓の隙間から差し込む光。
タバコの煙は砂時計のよう。
マナーの悪い食卓のように、散らばった服が会話をしている。

ワイシャツが君の背中を隠す。
ネクタイをすると君は、他人になる。

君の背中のホクロを、どれだけの女が知っているのだろう?
私は涙を目に溜めながら、君の背中にそっと唇を寄せる。

窓の隙間から差し込む光。
私は一人蛇口をひねる。
残された二つのグラスが、孤独で溢れて涙を流す。

君の背中のホクロを、どれだけの女が知っているんだろう?
私は吸いかけのタバコに、火をつけて煙を眺めているだけ。

君の背中のホクロを、どれだけの女が知っているんだろう。
私は涙を目に溜めながら、君の背中にそっと唇を寄せる。

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