パピコ。

蛇口からポタポタと落ちる水滴をただ眺めてる。
手が届かないからという理由で蛍光灯を無視してる。
忘れたい思い出の中にしかない感情を背負って、あの娘に届かないようにと願いながら今日も歌ってる。

僕の願いはパピコをあの娘と一緒に食べたくて。
でもそんなささやかな願いさえ、叶うことはないでしょう。
あの娘が手にしてるパピコはどこにいくんだろう?
その相手が自分でないことなんて、前世から知ってる。

ポケットの中の100円玉は汗が染みこんでて。
あの娘のいない帰り道に1人、石を蹴りながら夢を見てる。

あの日あの時あの瞬間にしか、できないことが多すぎて
後悔することでしかあの娘との思い出が上手く結べなくて。
あの娘からもらうパピコの味を僕は一生知らないけど
夢で待ち合わせができたならあの100円玉で食べよう。

分け合うことで争いが生まれる、それが世の常である。
平等と公平は違うし、愛は配られない。
思い出の中でしか僕はあの娘と一緒に居れなくて。
それでもあの娘からパピコをもらうことなく死んでいくだろう。

ポケットの中の100円玉は、汗が染み込んでて。
いつもと違う帰り道に1人、奇跡と呼べる偶然を夢を見てる。

あの日あの時あの瞬間にしか、できないことが多すぎて
後悔することでしかあの娘との思い出が上手く結べなくて。
あの娘からもらうパピコの味を僕は一生知らないけど
夢で待ち合わせができたならあの100円玉で食べよう。

あの日あの時あの瞬間に、言えなかった言葉が多すぎて
後悔することでしかあの娘との思い出が上手く結べなくて。
あの娘からもらうパピコの味を僕は一生知らないから
あの頃に戻れたならパピコを僕からあの娘に渡そう。

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