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【葛藤】率直に苦しかった。朴一圭が語るサガン鳥栖での2023シーズン

※2023年1月13日にとりちチャンネルさんがYoutubeで公開した朴一圭選手の独占インタビューの文字起こしになります。


「温度差は年々広がってる感じがする」。

ー今年1年を振り返って、どうでしたか

今年1年、苦しかったなー本当に。率直に、全然勝てなかったしな。パフォーマンスと結果が比例してこないっていうのがやっぱり一番もどかしかったかな。結果が出ないことは全然あるからいいんだけど、自分が伝えたいことがやっぱ伝わらないということがもどかしかった。

個人としては正直かなり充実してた。キーパーコーチが2人になって、新しい、いろんな物を落とし込んでくれてるから、毎日新鮮な気持ちでやれた。でも最終的には試合じゃん。フィールドの選手たちと繋がってプレイするわけだから、その時々で結果が出てきて。そこでやっぱりすごく温度差あるなって感じた。フィールドの選手たちと。ちょっと愚痴っぽくなっちゃうけど、やっぱもっとやってほしいとか、もっとこだわってほしいとか、もっとこう、人生かけてほしいじゃないけど、なんかそういう温度差を感じながらめちゃくちゃ今年はやってたよ。その温度差は年々広がってる感じがする。

そこの温度差に対する葛藤が。自分で噛み砕いてうまく伝えるところと、今は我慢するところっていうのを、バランス見ながらやるのが俺はめちゃくちゃきつかったな。だから自分にフォーカスしてるんだけど、しきれてないというか、もっと自分の仕事に徹したいっていう、プレーに徹したいっていうところはすごくあって。そこが徹せれてなかったと思う。

立場もあるし、俺の年齢もあるし、経験もあるし、やっぱそういうのを還元していかなきゃ駄目な立場にも入ってるから、そこも含めてやんなきゃいけないけど、もうちょっと(みんなに)やって欲しかったなっていう、率直にそこに尽きるね今年は。本当になだめてあげなきゃ駄目だし、その回数が多すぎた。

みんなのケツを拭く回数が多すぎたな。それがちょっと俺はあんまり楽しくなかったし、苦しいシーズンだった。それで勝ってればよかったけど、やっぱ勝ちに結び付いてなかったから、俺の力不足だけど、そこが苦しかった。

「意識してない、こいつは」

ーそのもっとやってほしいのところにはいろいろとあると思うんですけど、サッカーだからミスは全然あるじゃないですか。その中でもっとやってほしいっていうはどういうところなんですか。

うーん、何か…。こだわってほしい、もっと。ミスするのは全然いいと思うんだけども、本当にそのミスに対してどれぐらい責任の重さを持ってるかっていうか、責任感がない、責任感のないプレーがすごく多い。

誰かが助けてくれるだろうとか、誰かがやってくれるだろうみたいな。あいつもミスしてるから、これぐらいのミスしてもいいだろうみたいな。何かそこら辺で逃げてる選手がすごく多かったような気がする。あいつミスしてるから、俺もミスしていい、なんて無い。技術というか…「意識」だね。もっと意識あげてやってほしい。

ーやっぱり意識とか姿勢っていうのは一緒にやっていて感じるものなんですか。

感じる。めっちゃ感じる。やっぱり意識してやってる人は周りに本当に伝わる。例えて言うなら、パスミスした時。意識してやってる人はパスミスで、取られたときに「やばい、自分のせいだ」つって、やっぱすぐ取り返しいくし、なるべく同じミスをしないようにするよね。意識してやってるからこそ、さっきと同じシチュエーションで、「さっきはこれミスしちゃったから、今の自分だと逆にこれは入れないんじゃないのか」とか、「ここは通せないかもしれないから(逃げじゃなくて)これで流れさっき危なくしちゃったから、次はこっちからやってみよう」とか、判断を変えたりする。だから同じミスを何回もしないよね。

意識して直そうとしてる。考えてサッカーやってるよね、ちゃんとそういうとこ。そこら辺のところは、ピッチ内で見てたら俺は結構すぐ感じるようになる。何も意識せずにボール蹴ってるなーとかもさ。プレイに意図が無い。意図がないと俺はもう意識してないって思ってるから。右利きなのか左利きなのかってさ、どっちに蹴ってあげた方がさトラップしやすいとか絶対もうわかるじゃん、普通に考えて。そういうのってやっぱでも意識しないと。意識しなくてもできるようになってる選手もいるけど、まだまだ鳥栖の選手は意識しないとやれるレベルじゃないから、俺もそうなんだけど。そういうのってやっぱり本当は左足にボールを出さなきゃいけないのに、右足とかに出してる人見ると、あまり意識してないなと思う。そういう意識はもう、すぐわかるよ。もう全く意識してない、こいつは。ボールの走らせ具合とかめっちゃバインバインしてる、とか。

「亘とは、何か繋がってきた」

でも原田亘は一番変わったんじゃないのかなとは思う。J3からきて、ほぼフルで右サイドバックに出たり、今年はセンターバックが何人か怪我したりして、センターバックで試合出てたりもするけど、2023年の序盤はちょっと良くなかった。序盤、本当にすごい悪くて「あれっ?」と思ってたけど、中盤から終盤にかけて、もうめちゃくちゃ頼もしくなってて、やっぱすごい意識してるあいつは、やっぱり。

だからそこを見ると、亘がやっぱ一番変わったし、俺はすごく頼もしかった。終盤はもう亘に対して何も言わなくなった。ずっと言ってきたんだけども。もっとこうしろ、ああしろって。だけど、何かあいつと繋がるようになってきた、あいつと。そういう面で言うと、すげえめっちゃ成長してる。あいつが一番良かったんじゃないかなと思う。終盤は。あ、もっとやってほしいよ。当たり前だけど。だけど、相当頼もしかった。2年間ちょうど見てるから。あいつは。いい選手。マジでいい選手。普通に。

ーさっきの話と結びつけると、序盤のミスがただのミスではなくて、ミスを学びに変えて、今年の中盤から後半の成長に繋がったということですかね。

そう。それがやっと繋がってきたんだと思う。最初はやっぱなかなかね、ミスしたことが繋がらないから。意識していたとしても。それが、ふとどこかのタイミングで回線が繋がって、ガッってこう、成長する瞬間がある。それ俺も気持ちわかるから。そういう感じで成長してきたから。だから、苦しんでたけど、あいつは一つは皮剥けたかなっていう。そうだね、亘はいい選手だねー…。

ー嬉しいんじゃないすか。原田選手もこれ見たら。

ここカットね(笑)。

パギが思う2023年の的ベストゲーム

-2023年で印象に残ってるシーンは

今シーズン?印象に残ってるプレイかー。ぱっとしなかったからな。何も思い出せない今シーズン。なんかほぼ似たような試合展開だから、でも後期開幕戦のアウェイ湘南戦、あれは良かったんじゃないかな。チームとしてもそうだし、個人としても、すごくいいセーブがたくさんあったし、まさに結果に繋がったって感じ。

うん。チームが得点たくさん入れてくれたってのもあるんだけど、やっぱあれはやってて気持ち良かったし、楽しかったし、なんか長くサッカーしてたいなーっていう風に感じたゲームだったから。6-0で勝ってたっけか。やっぱあれはかなりのハイパフォーマンスなんじゃない。あそことガンバの試合。ホームで1ー1で引き分けた試合。最後の最後に失点しちゃったけど、ガンバの時もかなり止めたと思う。2023年シーズンに俺が取り組んでた、構えるときの姿勢とか、今年練習してるスキル、キーパー練習とかで身につけたスキルがすごく凝縮されて出てる試合がその二つ。でもその試合はやっぱ良かったね。なんか、やっと結果に結びついてきたなーみたいな、そんな風に思える自分のプレイがあって。素直にめちゃくちゃ嬉しかった。この大勝は俺のおかげだなって心の中でずっと思ってた。口では出さないけど。(小野)裕二がハットトリックしたり、いろんな選手が点取ってくれて、みんながもちろんハードワークして。でも実際、本当に試合見てみると、めちゃくちゃピンチもあって、結構俺がしっかり止めてなかったらやばいゲームだったっていうのを、俺はもうあれは自他共に認めて良いぐらい、すごく止めたゲームだから、チームの力になれたというか、キーパー冥利に尽きるというか、キーパーやってる醍醐味だよね。ああいうのは。

動画(Youtube)


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