季を待つ
不忍の蓮池の湖面が茶色の蓮の茎で覆われ、
所々黒くなった花たくが首をたれ、ぶら下がっています。
夏には湖面は濃い緑の葉で覆われ、八月には白やピンクの高貴な花をつけ、花が終わる秋には蜂須の様な花たくにぎっしり実をつけます。
植物は季をまって、成長してゆきます。
歳があらたまって、友人やその家族から近況を知らせてくれる、便りがありました。
抗癌剤治療に踏み切った人、手術のための入院を待っている人、ここ５年ほどの闘病で、すっかり小さくなってしまった人、
デイサービスに通いながらも痴呆が進んだ人。
それぞれの友人達に心を寄せながら、来し方を思い起こしている。
いつしょに行った海外旅行、お孫さんと行った三内丸山遺跡の話を心弾ませ語ってくれた人、
私の困り事を即座に解決してくれた人、それぞれに素晴らしい花を咲かせた人達で、嬉々としていた頃の姿を思い出す。
百年寿命というけれど、百年を生きることの
なんと難しいことか。
まだまだ心に美しい香り高い花を咲かせてほしい。