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気になるマーケ手法:試してみる⑥<論理より直感>

消費者が意思決定をする時に、実は理屈や論理よりも直感を優先するケースが多い。そのことをちょっとしたアンケートで試してみた。「消費者行動論」の授業の中で、受講生(学生)に以下のような2つの質問をしてみた。n=105名。

問

一千万円が千人に当たる場面で、3つの選択肢を提示し、どれを選ぶかという問である。Q1とQ2で異なるのは3番目の選択肢のみで、「50%の確率で2万円」か「全員1万円」である。すべての選択肢の”期待値”は同じで1万円である。

まず、Q1の回答を示す。

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不安の時代を反映してか、確実性の最も高い「50%が2万円」が約50%の支持を受けたが、「1%の確率で100万円」も46%と高い支持を獲得した。次にQ2の結果を示す。

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「全員が1万円もらえる」という選択肢に変わったQ2では、一転、84%の学生が、「全員1万円」に手を挙げている。全員という圧倒的な確実性が提示されたことで、Q1では半分弱いた1%の確率にかけるとした人が十数%まで下がっている。

まさに、理屈や論理で考えて判断したというより、直感で「全員に」に流れていったと見られる。「全員プレゼント」とか受ける理由が分かる気がする。

それにしても、学生の9割近くが「全員もらえる」を選んだことは、今の不安の時代を如実に表していると感じた。

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