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”ものには順番がある”読書note83「ベンチの足」佐藤雅彦

考えの整頓と但し書きがついている本、ポリンキーの佐藤氏のエッセイである。自分が個人的に面白いと思ったところを紹介してみる。

イマドキの若者にお礼の言い方の指導をしている。
<順序A>
1. 先輩が後輩と一緒に食事をする
2. 先輩がお金を払う
3. 後輩が「ごちそうさま」と言う
<順序B>
1. 先輩が後輩と一緒に食事をする
2. 後輩が「ごちそうさま」と言う
3. 先輩がお金を払う
順序が入れ替わると、意味が微妙に変わってしまう。
「ものには順序がある」
技術系の教授が諭した。
「ハッキングを起こしなさい。技術をハックしなさい。まず技術の原理まで理解し、その上で思考的にジャンプして、まったく新しい価値を生みだす使い方を考えなさい。」(中略)
ハッキングを起こすためには、機械やシステムをハックするだけの技術力が必要なのである。「間違った使い方か 新しいのか」
私たちは、実際に起こった順番をわざわざ入れ替える。『実際と異なる現実を捏造する』その方がうまく生きていけるから、であろう。異性を好きになる時も、その人を充分知ったから好きになるかというと、そうではない。実際に充分知り得るのは随分あとになってからである。あばたもえくぼとは、『現実の捏造』に近いことである。「指を置く」
トースターを発明したのは、あのエジソンである。彼は単なる発明家ではない。さらにびっくりするものまで発明した。それは、”朝食”である。電化社会をもたらすために、朝トースターを使わせようと、朝食が健康にいいと提唱したである。「トースターは誰が発明したか」

「問題化していない問題予備軍」をいかに引っ張り出すかという、課題に対して、次のような課題を作ってトライしている。

【課題名】「問題を見つける問題」
次の書式を埋めよ。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○問題

今度、ゼミ生にこの課題を出してみようと思う。

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