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データ時代への期待と憂慮

Netflixで最近公開になったこのドキュメンタリー。各所で話題になっているようでもあったので、この週末に見てみました。

正直恥ずかしい告白をすると、これを見るまで一連の問題についてコトの重大さを正しく認識出来ていませんでした。仮にもITの仕事についておきながら反省・・・ただこのタイミングで見ておいて良かったです。

念のため概要だけふれておくと、この事件はケンブリッジ・アナリティカ(CA社)という会社を通じて英国/米国など世界各所で行われた一連の選挙情報操作に関する疑惑が中心になっています。詳しい背景は以下のコンテンツに譲りますが、ここにFacebook社が関与していたのではないかというのが論点の1つになっています。

中でも以下の記事は、私自身1ユーザーとしてSNS等のメガプラットフォーマーに対する情報管理のスタンスを考える上で、非常に参考になるものでした。一読をおすすめします。

そして今回の問題の本質を最も端的に表現しているのは、この動画ではないでしょうか?Netflixの作中にも出てきていましたが、記者のキャロル・キャドワラダー氏がTEDで訴えたスピーチです。(日本語字幕もあります。お時間ない方は二倍速でも十分理解できるので是非ご覧ください。)

自由主義的発想の中で、ある部分性善説に頼りながら社会の1面を作ってきたIT&ネットの世界ですが、もはや各個人だけに情報の真贋を見極める責任を押し付けることはできない状況にまで到達したと言えるのかもしれません。

IT業界はその歴史の浅さゆえか、「ベンチャー」という言葉が持つ響きに甘え、コンプライアンスや社会への影響を十分に考慮しきれない部分もあったことは否定できません。

Facebookはじめ特にGAFAを代表とするITやプラットフォーム業界大手の経営陣にとっては、かつてない大きな試金石と言えるのではないでしょうか?
データが持つ可能性を最大限に活かしながら、人の持つ負の側面とも向き合いつつ、社会全体がデータとより良く付き合っていけるような仕組みと仕掛けを是非模索してもらいたいと思います。

これは非常に難しいテーマかもしれませんが、自動車業界や製造メーカーの多くは、安全品質や環境の議論を通して、社会から厳しい目を向けられ立ち向かっていく過程を通じて、経営品質を高めてきたはずです。

決して逃げることなく、IT業界のみならず全産業に対して模範となるような、正しい世界を牽引する真のリーダーシップの発揮を期待したいです。

また私自身としても、データの価値と責任に関して完全に潮目が変わったことをより明確に意識したいと思います。

ちなみに新たに以下のような件も出てきているようです。しばらく目が離せません。



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