イボ神様

 各神社に聳えるご神木には、さまざまな表情がある。
 神域の一種独特の霊気に育まれ、一風変わった姿を持つご神木も少なくない。
 宮城県塩釜市の鹽竈(しおがま)神社、裏参道の別宮の石垣に、異様な姿で横たわるこの大欅もそんな一本だ。
 「イボ神様」と呼ばれるこのご神木、その窪みが神の目に見るのは私だけだろうか。

 このご神木の根元に溜まった水を割り箸につけ、イボに塗るとそのイボが取れるといわれている。見事イボが取れた暁には、割り箸を倍返しにしてお礼参りをするのが決まりとか。
 この木に神の存在を感じ、その神徳に頼ってきた人々も多い。イボとりさんの前には「奉納」と書かれた箱が置かれ、中には多くの割り箸が納められている。


宮城県塩釜市・鹽竈神社のイボ取りさん

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