色と香りで幸せを導く        素盞嗚神社の黒木大藤

 御神木には、樹齢を重ね毅然と天に聳える常緑樹の巨木が多い。しかし中には、鮮やかな花が咲き、人々の心を和めてくれる御神木もある。福岡県八女郡黒木町の素盞嗚神社の黒木大藤は、御神木の中でも、絶品といえる花咲く御神木。

福岡・素盞嗚神社 黒木の大藤

 神社には、約3,000平方メートルもの広大な藤棚が広がり、毎年4月中旬頃、室町時代応永2年(1395)に後村上天皇の第六皇子・後征西将軍良成親王がお手植えになったと伝えられる藤が花開き、1メートルを超える紫色の花房を垂下させ、境内を訪れると甘い香りに包まれる。

 樹齢600年以上を数え、幾多の戦と大火に見舞われながらも、今でもたくましく、力強く生き続け、長寿の藤として全国に知られる黒木の大藤は、国の天然記念物に指定されている。
 心の安らぎは幸せの原点。この藤の美しさに出会うと、視覚だけでなく甘い香りに嗅覚も満たされ、心安らぎ、幸せな気持ちでいっぱいになる。

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