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ITによる勤務管理で人手不足を解消

働き方改革」が進む中、企業の勤務管理は大きな変化を遂げつつある。正規・非正規という分類以外の新たなワークスタイルが広がり、従来の勤務管理方法でカバーできない場面が目立ってきた。休日や空き時間に副業を行う正社員や、単発で別案件をこなす自営業者など、一人でさまざまな仕事をこなすギグワーク層が増加。進行する多様化に対応する勤怠管理ソリューションに期待が高まっている。

千差万別の勤怠管理ソリューション

 ITを使った勤務管理システムは、各メーカーから多くのソリューションが提供されている。いくつか紹介していこう。

 タイミーからリリースされた「Timee」は、すぐに働きたいユーザーと、すぐに働き手が欲しい企業の双方を支援するサービスだ。ユーザーにとっては信頼できる企業で働きたい。一方企業にとって、信頼できるスタッフを単発やギグワークの形で採用できれば、柔軟なシフトを実現できる。

 NTTコムウェアの「follow」は、生産性向上を図れる勤務管理ソリューションだ。工数管理機能により業務を可視化。業務ごとの作業時間が分かる。

 ヒューマンテクノロジーズの「KING OF TIME」は、シンプルで分かりやすい画面構成が特徴。紙のタイムカード管理に慣れた企業にとって、使いやすさは大きなメリットだ。業務の簡素化、コストダウンに有効なソリューションだといえる。

 hachidoriが提供する「CAST」は、アルバイトのシフト管理と店舗内コミュニケーションに特化したソリューションだ。最近はSNSを使って管理している企業も多いが、データをその都度社内システムに転記するのは負担が大きく、セキュリティ面の不安も拭えない。CASTはアルバイトと店長のコミュニケーションを最適化する。

 デジジャパンの「Touch On Time」は、独自開発のタッチオンタイムレコーダーなどさまざまな打刻方法で勤務管理を行える。多彩な機能を売り物にする競合が多い中、簡単に打刻できる点にポイントを絞ったアプローチが人気だ。

 多くの勤怠管理ソリューションはスマホなどパソコン以外のデバイスでも一連の業務が進められる仕様となっている。

ギグワーカーの勤怠管理にも向いているTimee

勤務管理システムは、基本的に正社員、アルバイト・パートの勤務状況を管理するものだ。しかし、近年増加するギグワーク層まで含めた運用を行うには、いくつかの課題を解決する必要がある。まず挙げられるのは、ギグワーカーの働き方は一人ひとりで異なる点だ。ある人は1日だけの単発、ある人は数カ月に1回というように勤務形態が変わってくる。また、雇用契約や給与支払い、税金、保険などの労務条件を個別に設定する必要がある。結果として管理担当者の負担が大きくなってしまう。

 Timeeはギグワーカーならではの働き方を意識し、就労時間の管理から必要書類の作成まで確実、スピーディーに実行できる仕組みが構築されている。採用する企業にとっても、既存システムではカバーできなかったギグワーカーの勤怠管理を円滑に進められる。現在全国で2万社以上が導入している。

ドタキャン対策、労務サポート機能が重要

Timeeを例に、ギグワーカーを柔軟に活用するために欠かせない機能を紹介しよう。

 ギグワーカーを対象とする勤務管理では、最も注意すべきポイントがある。それは、登録した仕事を直前になってキャンセルする、“ドタキャン”発生のリスクだ。キャンセルされた側の企業は大きな痛手をかぶることになる。Timeeではペナルティー制度として、確定した業務を直前キャンセルしたワーカーに罰則ポイントを付ける仕組みが採用されている。ドタキャンに悩む企業には役立つ機能だ。

 労務サポート機能も欠かせない。Timeeは雇用契約に必要な労働条件通知書を自動作成。ワーカーにより異なる保険・税金の扱いをグループ分けし、就業形態に応じて管理できる上、QRコードでの雇用契約締結が可能だ。

 ギグワーカーの中には、月間や年間の給与総額に制限があるワーカーもいる。源泉徴収、社保の適用、マイナンバー提出などの要不要など、多様な条件を管理しなければいけない。Timeeでは、ワーカーの条件をグループ化して管理できる。

 また、ギグワーカー活用は、企業のコスト削減につながるメリットがある。正社員の人件費は「固定費」だが、ギグワーカーの人件費は「変動費」。確実に必要な人員は固定費で確保し、状況に応じてギグワーカーに協力を求めれば、より効率的な経営戦略が構築できる。

 慢性的な人手不足が深刻化している現在、企業がギグワーカーを活用する動きは加速している。勤怠管理ソリューションの存在価値は、今後もますます高まっていくだろう。

Timeeの労務サポート機能。労働条件通知書を⾃動⽣成できる


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