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ヒップホップ文化から始まるパフォーマンスと音楽の関係

1970年代、NYブロンクスに住んでいたDJクールハークは曲の歌と歌の間のブレイクタイムをつなげた音楽「ブレイクビーツ」を発明します。そしてその音に合わせたダンスが「ブレイクダンス」です。いまでもストリートダンスでは8ビートを多く見かけます。

こうしてヒップホップ音楽が生まれましたが、1970年代のブロンクスは大変荒廃していました。動画にもあるとおり、街はボロボロで、毎日3件ほど火事が起きていたそうです。

そんな中で生まれたヒップホップという文化は、ストリートギャングと密接に関係しています。

例えば「グラフティ」は縄張りを示すために使われました。また、抗争には「ラップ」や「ブレイクダンス」が用いられ、殺し合いを避けた代理戦争としてパフォーマンス対決が行われていました。

その名残が今でも残っていて、ブレイクダンスの基本的な動き「アップロック」はナイフで人を刺す動作をします。次の動画の8分からデモンストレーションが見れます。

B-BOYはポケットを裏返したり裾をまくったりしますが、あれは武器を隠し持っていないことをアピールしているんですね。その上でナイフで刺す動作を行うわけです。

この平和的な転換について、スティーブ・ハガーはこう言っています。

「ここ5年以上ブロンクスはギャングの脅威にあった。それが1975年何事もなかったかのように消えて行った。これはギャングでいる事よりも、もっといい事が他にできたからである。それがヒップホップだったのだ。」

ブレイクダンスも発展と共に派閥が分かれていきます。ブレイクダンスは主に以下4要素で成立しています。

・エントリー…立った状態の踊り
・フットワーク…屈んだ状態での踊り
・パワームーブ…全身を使ったアクロバット
・フリーズ…動きを止める

フットワークを中心に踊る人をスタイラー、パワームーブを中心に踊る人をパワームーバーと呼びます。

パワームーブはパフォーマンスの色合いが非常に強く、音楽に合わせない事も多々あり、本当にこれはダンスと言えるのか、なんて論争もあるようです。

ブレイクダンスは人間的な動きでしたが、ストリートダンサーの中でも非人間的な動きを極めていこうという人も存在しました。その人達が作ったのが「ポップ」で、ロボットやアニメーションもこちらに分類されます。

音楽も非人間的になり、4つ打ちが選ばれる事も多いようです。

また、パワームーブを含むような踊りは女性には難しいこともあり、1980年代の女性たちは「ダブルダッチ」をしていたようです。マルコム·マクラーレンが1983年にダブルダッチという曲をリリースしています。

最近では日本勢がカウントに合わせたパフォーマンスを見せ、音楽との融合が図られています。

今回調べてみて、新しい音楽は新しいダンスを生み出しましたが、逆に身体から音楽を自由に選択していく様子が分かりました。

現代、ヒップホップは最も聴かれている音楽のひとつです。そのヒップホップ自体もかなり幅が広くなっているし、EDMなど他のジャンルもエッジな表現を続けています。昔に比べて選択肢が増えたおかげもあり、パフォーマーからの音楽の選択についても深く考える事ができる時代になったと思います。

パフォーマンスと音楽の関係性については引き続き考察していきます。

出典

http://ja.wikipedia.org/wiki/クールハーク
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒップホップ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ブレイクダンス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ポップ(ダンス)
http://en.wikipedia.org/wiki/Double_Dutch_(jump_rope)
http://slumz.boxden.com/f5/jun-6-bronx-zip-code-10457-has-the-highest-numbers-of-dual-std-sufferers-in-the-city-1935288/
http://www.theguardian.com/music/musicblog/2014/jan/17/google-play-music-timeline-punk-soul



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