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「本を囲んだ語り部屋」2024/3/10村上靖彦さん『客観性の落とし穴』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
3/10は村上靖彦さんの『客観性の落とし穴』を取り上げました!!

こちらの本の主要なテーマは、量的研究だけでは測りきれない事象を質的研究でいかに議題に乗せるかというものです。数値と客観性の信仰が生む息苦しさについて目を向けながら、排除される人がいない、すべての人が尊重される世界のかたちを考えていきます。

語り部屋では冒頭「なぜ数値化するのか?」という問いから始まりました。もちろん数値化することで複雑なものを分かりやすくでき比較することができます。しかしどこかで感じている数値化の罠。数値化によって何か大切なものが見えなくなっているような不安も感じます。

そうして見えてくるのは客観が主観を超えてしまうことへの不安です。客観によって本来大切にしたい主観をないがしろにしてしまうような感覚かもしれません。しかし主観も客観も大切であり、そして絶対的な主観も絶対的な客観もないように思います。モデレーター仲間からも「本当の客観はない」という言葉がありました。そのためには主観と客観の往復が大切なように思いました。

相手の話をきいていく上でも主観と客観の往復は大切ですね。参加者の方からは「考えていくことは何ですか?」ではなく「頭に浮かんでいることは何ですか?」と投げかけることで主観を引き出していくというお話がありました。また相手の主観を客観にリードするというお話も興味深かったです。相手の主観の周囲にどんなものが見えたのかを投げかけながら、見えていなかったものへの気づきを促す客観化も大事だと思いました。

これまでの話をきいて感じるのは、常に物事を両極から見ようとすることが大事なのではということです。主観と客観、論理と感性、言語と非言語、個と全体、具体と抽象、秩序と混沌などなど。何かを見ようとすると何かが見えなくなるということを理解しながら、見えていないものを見ていきたいと思った語り部屋でした!


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