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「本を囲んだ語り部屋」2023/4/2 吉川浩満さん『理不尽な進化』

日曜朝のTwitterスペース「本を囲んだ語り部屋」
今回は吉川浩満さんの『理不尽な進化』を取り上げました!!

一般的には「生き残りの観点」から語られることの多い生物の進化に対して、この本では逆に「絶滅という観点」から、敗者の歴史として生物の歴史をとらえようとしているのが興味深いです。

アメリカの代表的な古生物学者であったデイヴィッド・ラウプは、絶滅のタイプを生物の絶滅のシナリオを「弾幕の戦=(運)」「公正なゲーム=(生存闘争の結果)」「理不尽な絶滅」の3つのタイプに類型化しています。

そしてラウプが一番重視しているのはどのようなルールが新しく適応されるかというのは運であるが、そこで生き残る種は遺伝子によって選択されるという「理不尽な絶滅」だと言います。

ここから思うのは世界は基本的には「理不尽」であるという見方です。語り部屋ではこの「理不尽さ」にどう向き合うかについていろいろとお話しました。

自分ではコントロールできないという理不尽さに対して、自分には選択肢があるという姿勢は大事かもしれません。例えば「コンフリクトモード(Kenneth W. Thomas)」ではアサーティブネスとコーポラティブネスの2軸によって「競争、協働、回避、適応」というコンフリクトに対する自分の選択を持つことができるといいます。

そして理不尽な状況をいかにメタ視点で捉えられるかということも大切ですね。その環境の真っただ中では見えないものも、外から見ると起きている状況を要素に分けて捉えられることができるかもしれません。

例えばコミュニティなど目線が異なる場を複数持つことによって、理不尽さに対して新しい目線を持つことができるかもしれない、そんなことを感じました。
様々なレイヤーから自分をとりまく理不尽な状況を見てみたときに、どんな選択肢が自分にはあるか、考えていきたいと思いました。

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