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「本を囲んだ語り部屋」2024/4/7ロッシェル・カップさん『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
4/7はロッシェル・カップさんの『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』を取り上げました!

グローバル人材育成、リーダーシップ、異文化コミュニケーション、組織活性化、人事管理などをテーマに経営コンサルタントとして活躍されているロッシェル・カップさん。

本書では日本企業の人事的アプローチのあるべき姿を解くとともに、働く人がどのようにキャリアプランを描くかという側面についても言及されています。2015年の出版であるためそこから変化している部分はありますが、日本における人事制度の背景を知ることで、自律的に働くこととはどういうことか?という問いがクリアになるように感じました。

冒頭では本書にも書かれている「雇用の保証」から「雇用適正(エンプロイアビリティ)の保証」へという話で盛り上がりました。人事管理システムは社会制度と整合しており、終身雇用やそれを前提とした新卒一括採用も社会の要求と整合していたと考えられます。一方で、メンバーシップ型の中で会社の用意するキャリアトラックに働く人が過剰適応してしまうことの弊害もありますね。自分自身もメンバーシップ型の働き方の中で、自分のモチベーションの源泉を忘れていた経験があります。メンバーシップ型に依らずとも、自分のモチベーションの源泉に自覚的になり、自分としてのキャリアの主体性をしっかりと持ち続けることが大事だと感じました。

そのためには複数の場を持つことの重要性についても語り合いました。北野唯我さんの『これからの生き方』でも書かれていますが、人は働く上では複数の価値を求めていると言います。(ドナルド・E・スーパーの『14の労働価値』)一方でその複数の価値は必ずしも1つの場で満たさなくてもよいというメッセージは非常に参考になります。まずは自分の求めている価値に自覚的になり複数の場で満たしながら、そして変化していく価値観に対しても緩やかに適応していく姿勢が良いように思いました。

最後は参加者の方に上がってきていただきキャリアの選択肢について語り合いました。幅広い選択肢があることが大切な一方で、「ジャムの法則」と言われるように人は選択肢が多すぎても選べません。選択肢を広げながらも絞り込んでいくことの難しさを感じました。その中では、新しい人と出会うことで自分なりの選択肢を広げ絞っていくことができるのでは?という話で盛り上がりました。属している場では無意識のうちに働き方や価値観も固定化されてくることがあるように思います。しかし新しい人と出会い異なった働き方や価値観に触れることで新しい軸が見えてくることがあるかもしれません。既存の軸と新しい軸を組み合わせることで選択肢を絞っていくことができるように思いました。

日本の人事管理システムのあり方を考えていくと一人ひとりのキャリアのあり方に行き着きます。また逆も同じですね。個人的にも突きつめて考えていきたいテーマ、今日も刺激のある語り部屋でした!


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