プレゼン本に書いていない生々しい8つのプレゼン技術のご紹介(中編)

前編でご紹介した3つの技術に引き続き、残りの技術(4つ目〜)について、早速ご紹介していきます。

4:官僚の大臣レクを手本とした超高速プレゼンで、相手の脳みそ難易度を高める

当社インクルージョン・ジャパンの顧問を長年お願いしており、知的師匠として敬愛するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんからは、いつも面白いエピソードをお聞きしますが、その中でも強烈だったのが、

「いやあ、こないだ、超大手企業の経営者たちとお昼にお弁当を食べてたら、みなさん、食べるのが速いこと、速いこと・・・」

という話。

そうなんです、世の中には一部、恐ろしい程忙しいため、ちょっと常人とは違う時間感覚で過ごしている方々がいらっしゃるわけなんですが、4つ目の技術は、こうした種類の方々からのヒントを基に身に着けた技術。

私が、2社目のキャリアであるヒューマン・バリュー社に勤務をしていた時、代表の高間さんに「おおい、ちょっと打ち合わせに参加してー」と声をかけられて応対したのが、現役のキャリア官僚の某氏との会合。

内容そのものはすっかり忘れてしまったのですが、そのときに鮮烈な印象に残っているのが、50ページくらいはあろうかという、印刷されたプレゼン資料の説明テンポ。

いやあ、すごいんす。

1ページめくると「要は、◯◯というわけで、この計画が大きく想定とズレはじめてまして」

次のページにいき「そこで、要は、今までと参画企業をガラッと入れ替えて、計画そのものを0ベースで再構成することになりまして」

更に次へ「ついては、要は、再構成の方針として、過去5年間で目覚ましい成長を遂げた企業を中心にピックアップすることで、成長エンジンを計画遂行に折り込みたいなと考えておりまして」

・・・

とまあ、こんな感じで、この50ページの資料をたしか、4〜5分くらいで説明しきられました。

本当に、お見事!

打ち合わせが終わった後に、高間さんとコーヒーを飲みながら雑談していたら、

私「いやあ、日本の官僚は優秀ですねえ〜」

高間さん「ほんとだよねえ〜。凄いなぁ・・・。大臣にレク(官僚から大臣に情報提供し、国会等に備えるためのレクチャー)する時間がいつも数分しかないから、ああいうふうに、めくって、めくって、という風になるんだと思うけど、お見事だねぇ」

という会話になりました。

というわけで、それが確か、2005年頃の話だったと思うのですが、それ以来、プレゼンを準備するときは、「要は◯◯」と1ページを説明できるか非常に意識するようになっていきました。

で、これには強烈な続きがありまして、今度は、某外資系生保で社長を務めるなど、経営者としての豊富なキャリアを持つS氏と、ベッタリと仕事をご一緒したとき(ライフネットよりも前の話です)のエピソード。

このS氏とは、私が資料やロジックを準備し、S氏がそれを基に他社の経営幹部に説明をしたり、説得をしたりするということを繰り返したのですが、このS氏の「超高速プレゼン」が、本当にビビりました・・・

なんというのか、前出の官僚の説明スピードを、更に倍くらいにしたようなテンポで説明をしていくわけです。

よく、せっかちな相手が、こちらの説明を無視して、どんどん資料を先に読んでいき、プレゼンと相手の興味・関心が噛み合わないということがあるかと思いますが、あれの逆が起きるんです(汗)

相手が、こっちの説明に追いつけず、どんどん押し寄せる情報にアワアワしながら、慌てて手元の印刷資料をめくっていく感じ。

だいたい、S氏がプレゼンを終えてから2−3分は、先方が内容の理解に追いつくのに苦労するくらいのイメージです。

その間、S氏はおちゃめな笑顔で僕の方をみながら、「こいつさぁ、早く理解しないかねえ?」なんて感じで、意気揚々としています。

で、相手がこちらを向きなおって「趣旨は理解しました」と言ったかどうかのところで、S氏は畳み掛けていきます

「で、ご興味ありますか?」
「何が懸念ですか?」
「具体的に進めるんだったら、どのくらいの時間感覚ですか?」

などなど。

そして驚くべきことに、このパターンでのやりとりの交渉が、実に上手く進展していきます。なんといいますか、普段は相手に丁寧なプレゼンをされ、それに先回りして自分勝手に考えることが習慣になっているような方々が、

「まさかの、自分の理解が追いつかないかもしれないから、慌てて一生懸命考える」

という状況になり、脳みそがフル回転し、集中力が上がり、結果的に内容への興味・関心も高まってしまうという、嘘みたいなことが起きるんです。

まあ、みなさんお気づきかもしれませんが、これはS氏が圧倒的な実績と実力を兼ね備えているからこそ成立する方法なんですが・・・

なんですが・・・

意外と、こわっぱ(若造)がこれをやりましてもですね、上手く行くんです!

まあ、騙されたと思ってぜひやってみていただければと思うのですが、最初に出てきた官僚の方のパターン「要は、◯◯なんです」ができるレベルで、1枚1枚のスライドのメッセージが簡略化されていると、実はスピードアップは楽。

後は、相手の手元に印刷された資料があれば(これが重要、これがないと相手は自分で頑張って追いつけないので、パワーポイントとスクリーンオンリーだと、この技法は使えません)、相手は一生懸命に追いついてきてくれます。

意外と、「ちょっとまって、まって」って言われないんですよ。
偉い人は、プライドが高いから。


で、これは後になって原理が理解できたのですが、そこには、かの有名な「フロー理論」(ミハエル・チクセントミハイ氏)が関連しています。

下図にあるように、チクセントミハイ氏は、自分の能力と、そのときに課されている課題のバランスが「ギリギリなんとかこなせるレベル」の難易度であるときに、人は最も集中し、高いパフォーマンスを発揮することを、長年の研究から指摘します。

そのとき、偉い人へのプレゼンでは、ついぞこちらが丁寧になってしまい、必要以上にスピードが遅く、相手は退屈し、集中せず、勝手にめくるということをするわけです。

だから、「相手を極限まで能力の限界に追い込む」ということで、スピードアップすると、途端に実は、相手が集中できる難易度となり、いわゆる「フロー状態」になります。

というわけで、長々となりましたが、ここでのポイントをまとめますと、

■プレゼンは1枚1枚を「要は◯◯なんです」という風に言いきれるよう、メッセージを明確にしておき、実際にこの「官僚めくり説明」で説明できるかどうかでチェックをする

■その上で、相手に説明するとき、特に偉くて忙しい相手を説得するときは、必ず紙で1ページ1枚にて印刷した資料を渡し、「鬼のスピード」=相手があたふたするレベルでのスピード、で説明していく

■相手が一通り理解し、一呼吸おいたタイミングで、こちらから、想定している流れにそって畳み掛けていく

ということになります。で、もうひとつ覚えておいていただきたいのが、

■偉い相手でなくとも、説明スピードは基本的に、相手がギリギリ理解が追いついていくくらいで、ちょうどよい

ということです。最初はこれ、実施するのに相当の勇気が要りますが、一度慣れてきてしまうと、快感すら覚えるようになります

5:プレゼンそのものを叩かれ台にして議論を巻き起こし、最終結果を協働成果にする

さて、コンサル時代に多く経験した状況は、下記のような広さのミーティングルームで、こちらが準備した資料を使って議論し、一定の結論を作り出すという営みでした。

ところが、ここで私が最初にお供をし、コンサルタントとしての動き方を教えてもらった何人かの先輩・師匠たちの進め方が、実に衝撃的。

この衝撃がどのようなものかを保留しまして、アクセンチュアから転職してきた、僕の某友人I氏と、その先輩コンサルとのやりとりから、何が衝撃的かをご説明しましょう。

===

あれは、ある日のこと。転職してきたばかりのI氏は、クライアント向けにオフィスで、資料をせっせと作っていました。
そこに、帰社してきた先輩コンサルの某氏が、I氏のつくっている資料をチェックしていて、こんな会話を始めます

先輩コンサル「Iさん、この資料、デザインを入れすぎだな。こうしちゃうと、議論がしづらくなるからさ、適当でいいよ。こんな感じ(といって、僕が作成した過去の資料をおもむろに出してくる・・・おい)」

I氏「ええっ?そんな感じでダサくていいんですか?(おいおい・・・)」

先輩コンサル「そう、そのとおり。それにさ、その方が早く帰宅できるでしょ。きれいなデザインって、誰にとっても役に立たないんだよね」

・・・

この会話が終わってから、不満そうな表情でいっぱいのI氏。

解るよ、その気持ち、めっちゃ解る。

「ねえねえヨッシー(=私、吉沢)さあ、どういうことよ?(怒)」

という感じで、僕はこの直後になぜかI氏に詰められるわけですが、その後I氏も、クライアントとのMTGをいくつか経て、いたくこの話に納得していくこととなります。

===

では、おまたせしました。その先輩コンサルタントたちと、クライアントとのやりとりは、こんな感じで進むんです:

STEP1:(ダサい感じのスライドをプロジェクタに写しながら)こちらが考えてきた分析・論点・具体案などを、ざっと説明

STEP2:最初の方のスライドに戻って「ここの分析は、どうですか」などと振り、クライアントにオフィス備え付けのレーザーポインタを手渡す

STEP3:クライアントが、待ってましたとばかりに「ここはこうなんじゃないかと思う」などとレーザーポインタでスライドを指しながら語りだす

STEP4:先輩コンサルは、パワポのモードを投影から編集画面に切り替えて、その言葉をそのまま、スライド上に吹き出し、あるいは本文そのものを変更して書いていく

STEP5:今度はそれに対して先輩コンサルも「そういうことでいうと、もっとここはこうなのかもしれませんね?」など議論しながら、自分の論点なども、同じスライドに書き込んでいく

STEP6:上記を繰り返すこと、実に2〜3時間。打ち合わせが終わるころには、書き込みだらけ、変形しまくったスライドが残る

STEP7:先輩コンサル、サラッと「じゃあ、今日の議論はこんな感じですね」というふうに語りながら、ファイルをリネームしてPCに保存し、その場でクライアントにメールで送信


いやあ、これはですねぇ・・・本当にやってみると解るんですが、議論後の成果ファイルについて、クライアントが極めて満足する、というか、自分たちの作品として、オーナーシップが半端なく上がるんです。

そして実際に、議論後のファイルには、クライアントの考え、こちらの考え、両者で議論して深めた考えが全て織り込まれているので、当初こちらが用意した内容から、数段内容もレベルアップしているんです。

で、補助的にクライアントへ送られるのは、カバン持ちをしている若手が打ち込んだ、逐次議事録(本当に、一字一句をうちこんだ議事録)。

クライアントも参加して作ったパワポファイル

逐次議事録


というこの組み合わせは、本当に最強で、クライアントの踏み込みも高いですし、参加していないクライアント側の他の人も、議事録を読み込みつつ、成果ファイルを見ると、手に取るようにその内容を理解することができます。

これは、実際にやってみると解るんですが、大変な職人芸です。

※ちなみに、どのくらいのクオリティ感・デザインのなさなのかというのをイメージしていただくために、当時の「打ち合わせ終了時の資料」サンプルを下記に貼り付けておきます(実際の資料をデフォルメしたものです)

で、自分もこれをみっちりとコンサルタント修行の最初の2年くらい、死ぬほど繰り返しやったことで身につけることができ、大いに成果を上げやすくなったのが、今でも財産になっています。

が、これはそこまでしなくても、下記の要点を抑えることで、十分に応用が効きます。

■事前に、そのプレゼン、その議論で自分が準備しうる知的な準備は、これでもかというくらい、しっかりと考え抜く
■その内容を、最低限説明できるレベルでのメモ書き程度に、パワーポイントなどに落としておき、編集可能ですよ、これを叩きながら、変えていきますよ、という「不完全感」があるようにつくっておく
■プレゼン・議論の当日は、まず最初に、考え抜いた内容をプレゼンする。できるだけ、4つ目のポイント「超高速プレゼン」でご紹介したような、ハイスピードでさらっと
■その上で、相手が茶々を入れられるように、パワーポイントで議論をするならばレーザーポインターを。ホワイトボードで議論を進めるなら、ホワイトボードマーカーを手渡し、手を動かしながら、意見を出してもらう
■その上で、相手の意見を必ずパワーポイント、あるいはホワイトボードに書いてもらう・書き出すなどして可視化し、議論を続ける
■その場でできた成果物を、「あとで整形してから送りますね」などの余計な手間を加えずに、両者の議論の成果として、その場で保存・シェアする


ちなみに、最近ではこの方法は個人的にちょっと進化していて、パワーポイントで事前に資料にまとめるのではなく、予めこちらで考え抜いた内容を、巨大なホワイトボードに書き連ねながら説明し、その内容に対して相手にもホワイトボードで上書き・加筆をしてもらい、それが一通り終わったら、最後に全員でホワイトボードを撮影し、持ち帰るという流れにしています。

なんというんでしょう・・・いわゆる

コラボレーション?

いや、これは冗談ではなくて、心からそうだといつも思っている点です。

結局、こちらだけで一生懸命考えた内容は、その後にきれいにデザインし、体裁を整えてしまうと、見た相手も「これはもう完成品で、僕らが取り付くシマはないんだな。じゃあ、客観的に批判しよう」という風になってしまいます。

で、こうしたアプローチは、けっこう特殊かな、普通は完成度の高いものを相手に提供するというのが主流かな、と思っていたのですが、割と最近まで仕事をしてくると、本当の腕利きのコンサルタントの方は、やり方こそ違えど、

「こちらの仮の考えを提示し」
「相手とのやりとりで、リアルタイムに内容を進化させ」
「その協働成果を互いに共有して終わる」

という所作を繰り返していることに気付かされます。

例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身で、不確実性に関するアプローチの大家でもある籠屋 邦夫さんも、
クライアント先、検討チームは、自社の役員に対して完成物をぶつけるという関係ではなく、役員と一緒にワークショップという気持ちで打ち合わせを重ね、協働成果物を作る心持ちでないとダメですね」
というスタンスでいつも仕事をされていまして、そのあたりを、著書「意思決定の理論と技法―未来の可能性を最大化する(ダイヤモンド社)」に記されています。

このあたり、以前、籠屋さんとみっちり仕事でご一緒したときに教えていたスタンスなのですが、まさに先程紹介した一連の流れと、同じエッセンスだなと、嬉しく思ったのが昨日のように思い出されます。

そして、もう一つ。

ここでぜひお伝えしたいのが、

「資料をきれいに作り込むことで、自分の貴重な人生の時間を無駄に浪費してほしくない」

という強い想いです。

最近、戦略コンサルから事業会社に転職し、そこで経営陣に対して、コンサル時代と同じクオリティで、徹夜してつくった資料をプレゼンし、その内容をわずか数分でババっと判断され、ときに捨て去られるという状況を、多くの場面で見聞きします。
で、そういう経験を経て、コンサル出身者の資料づくりのスタンスは、事業会社で働き続けると、変化していくんですよね。
「議論に必要な最低限のクオリティに仕上げたら、それ以上は無駄でしかない」
ということに。

自分自身も、かつて、戦略コンサル出身の同僚が、ベンチャーでの役員会資料づくりでオフィスに残って資料作りをしていて、結婚したての奥さんに申し訳なさそうに電話をしている姿を見ていて、胸が傷んだことを、未だに忘れられません。

以上、ここでのポイントとしては、次の通りとなります。

■プレゼンや議論の前には、全力で自分で考え抜いておく
■プレゼンそのものは、最低限のパワポやホワイトボード手書きなど、極力力を使わず「未完成品」であることが直感的に解るように仕立てる
■プレゼン・議論当日は、パワポであればレーザーポインタ、ホワイトボードであれば相手にも手渡せる書きやすいマーカーと十分な余白を用意
■プレゼン・議論の成果物(書き込んだパワポ、あるいは互いに書きまくったホワイトボードの写真)を、決して加工せずに、そのまま共有


願わくば、すべてのプレゼンテーションは、最高のコラボレーションの場となる。そんな状況が訪れる日がくればいいなと願います。

6:「神業めくり」で、映画のような強烈なストーリーを叩き込む

さて、ヒューマンバリュー社に在籍していた私は、諸般の流れがありまして、ライフネット生命(当時はまだ生保じゃなかったので、ネットライフ企画)に2006年あたりから出入りをするようになり、出口治明/岩瀬大輔という創業コンビに出会い、2008年の開業前に、正式にメンバーとして稼働するようになりました。
ここから始まる、2013年までの期間は、一言でいえば「借景マーケティングとストーリーによる説得」の時代。

借景マーケティングとは、下図にありますような「山の景色などを上手く借りて利用し、しょぼい建物を何倍にも素晴らしく見せる」という「借景」を語源とし、ライフネット時代の上司であり、スターバックスを日本に広めたマーケターでもある中田華寿子氏が頻繁に使っていた言葉です。

まあ要は、「ライフネットそのものは、吹けば飛ぶようなちっちゃな会社だけれど、社会の流れ、株主の名前、創業者の名声、その他、なんでも使える要素を織り交ぜて、1つのストーリーになれば、大きなメッセージと説得力を持つ」ということを意味します。

例えばですが、

「(2008年当時)ヒューザー・姉歯のマンション偽造事件や、年金の不払い事件で、世の中では、本当にサービスは信用できるのか?という疑念が高まっていた」

「そこで、本当に良いサービスをつくるには、その業界の専門家だけではなく、他の業界で、優れたサービスをつくっている人たちの力や知見を入れて考えるのがよい」

「なので、ライフネット生命は、コンビニのセブン&アイ、ゼクシィなどのリクルート、そしてSoup Stock Tokyoなど多くの新事業を手がける三井物産などを株主に迎え、保険領域に、本当のユーザー目線で、信頼できるサービスの構築を目指しています」

といった、一連の流れを織り込んだプレゼンやトークを行うことで、生命保険会社としては、あまりにも慎ましやか(僅か数十人の社員と、ビルのワンフロアだけの大きさ)な陣容をもろともせず、周囲の会社、契約者の方々などを巻き込み続けていました。

このストーリーづくりで非常に参考になったのが、たまたま、知り合いの美人イラストレーターに連れられて訪れた、六本木ヒルズでの「ピクサー展」でした。

ここで非常ーーーーに参考になったのが、「ストーリーボード」と呼ばれる、ピクサーが映画をつくるときに、1つ1つのシーンをラフにスケッチし、その順序を、議論しながら、あれやこれやと並び替える方法。
※ピクサーのストーリーボードは、下記の記事にある4「'Toy Story" storyboard」などで見られます

「こういう風にな、スケッチで1つ1つのシーンを書いておいては、その順序を、いろんな人がボードに貼り付けては、入れ替えてみたりしながら、話の流れを組み立てていくんやって(談 美人イラストレーター)」

おお、なるほどー。

というわけで、早速そのときに取り入れて、今でもやっているのが、

■プレゼンをつくるときに、いきなりパワポなどは決して開かず、1枚1枚のポストイットに、そのスライドで言いたいことを書き出し、その順序を手元で入れ替えては、とりあえずその順序で喋ってみる
■そこに違和感があったら、順序を入れ替えたり、捨てたり、新しく1枚書いて加えたりしながら、ストーリーをつくっていく


という作業です。

上記の写真のような感じで、テーブルなどに貼り付けておき、それを見返してみては、順序を変えたりする感じですね。

ちなみに、僕はこれをスタバやドトールなどで座ってやっていることがけっこうありまして、没頭してやっていると、完全に怪しい人と化している日が少なくありません・・・

そして、この「ストーリー」をプレゼンで活かすために、最も重要なのが、

プレゼンのスライドを9in1で印刷し、手元に持っておく

という方法です。

9in1というのは、下記のように、パワーポイントなどを印刷レイアウトで「1ページに9枚分が印刷されるように」
と指定してプリントアウトした紙となります。

で、この9in1を手元にもっておき、どのようなストーリーの流れで話をするかが頭の中にイメージとして存在すると、
「神業めくり」
ができるようになります。

「神業」
というのは何かといいますと、要はですね・・・

■次のスライドに書いてある内容が解っていないと決して喋れないようなつなぎ言葉を、スライドをめくる前に喋る

ということを指します。
イメージでいうと、下図のような感じですね。

これができるようになると、喋っている内容が、画面の切替によってブツギレにならず、1つの流れとしてつながり、聞き手にとって、ストーリーが分かりやすく頭に入ってくるようになります。

実際に、どんな感じになるかというのを、2018年に、プレゼン神と呼ばれるマイクロソフトの澤円さんと戦ったときの、僕のプレゼンでご覧ください(3分です)

このプレゼン、ランダムに与えられたお題に対して10分で内容をつくり、それを3分でプレゼンするという状況です。私は、「翼をください」というお題にて、上記のプレゼンを行っています。

で、ここで映像を見ていただくと、ちょいちょいと、僕が右側にあるプレゼン台(PCなどが置いてあるところ)をチラチラみながら、プレゼンをしているのがわかるかと思います。

ここで何をやっているかといえば、スマートフォン上に表示してある、このプレゼンの9in1のスライド画像(即興でプレゼンしているため、印刷ができないから、これで代替えしてるわけですね)を見ながら「次のスライドはあれだね。だから、この話でつなぐね」というのを、確認しています。

この技術を使えるようになると、4番で紹介した「超高速プレゼン」のようにスピードを上げていっても、話が分かりづらくならず、すっと短時間で多くの情報を相手に伝えつつ、時にはプレゼンの中で問いかけを交えたり、間合いをわざと入れて聞き手に考えてもらったりすることが、自在にできるようになります。

というわけで、ここでのポイントは、

■色々な要素を織り込んでストーリーを最初に考えておくと、圧倒的に人の頭に入りやすい
■そのための流れをつくるには、ポストイットを駆使し、ストーリーボードをつくりながら、あれやこれやと入れ替えを繰り返す
■ストーリーができ、スライドが完成したら、その資料を必ず「9in1」で印刷し、手元に持っておく(無理ならスマホにとる)
■プレゼン中は、常に9in1をチラチラ見て、次に何がくるのかを思い出しながら、「次のスライドを写す前に、その内容に触れ始め、それからスライドを切り替える」を繰り返す

といった点になります。

===

うーん、というわけですっかり熱を帯びて書き連ねてしまいましたが、ここでこのノートがちょうど1万文字くらいになってしまったので、一旦今回の内容はここまでで切っておきたいと思います。
下記の残り

7:Start with 青臭いWHY

8:優しい目線の時代

については、次の回にてご紹介したいと思います。

なお、この一連の記事に関して「こういうときはどうなの?」「実際にはどうやるの?」といったところでのご質問がありましたら、私のツイッター( https://twitter.com/yasuyasu1976 )までコメントをいただきましたら、後日、記事などの形式でご回答したいと思いますので、どうぞお気軽に。

ときに、この記事を書いている2019年3月20日は、私の妻が、長年勤務したキヤノンマーケティングジャパンの最終出社日なのですが、前回の「前編」で触れた通り、今回の一連の記事は、妻が最後に手がけた、「プレゼンポインター」について、改めて「旦那さあ、どういう風にポインターっていつも使ってるの?」と聞かれたのがきっかけとなっています。

今回の中編で、その点についてしっかりと回答したいと思っていたのですが、それは以下の2点に集約されるかと思います。

【プレゼンポインターの2つの重要な活用場面】
1:流れるようなリズムを刻むために、リモートクリックする場面
2:プレゼン資料を使い、相手と自分でポインターを手渡ししながら、コラボして議論を深めていく場面

このためには、なによりも自分が、相手が、手に持ったときにどれだけフィットするか、そして、反応がクイックなのか、というところを、私の場合はポインターに求めます。
色々とそのあたりを活用していくと、お気に入りは、下記の2つの製品:

■Canon グリーンレーザーポインター プレゼンター PR1-HY
■ロジクール R1000GD SPOTLIGHT

小さな会場や、日々の打ち合わせだと、ロジクール製が画面の追従性がよくてオススメで、4−5人以上の場面や大ホールなどでのプレゼンの場合には、グリーンライトが併用できるCanon製を、使い分けています。

もし、今回の記事が役に立ち、なおかつ「ちょうどポインターを新しくしようと思ってたんだ」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ、今回の記事のきっかけを作ってくれたうちの妻へのハナムケを兼ねまして、Canon製をお買い上げいただければ幸いですm(_ _)m

===

というわけで、最後の後編をまた、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
後編では特に、昨年、当社にジョインした、この男からの学びを大いにシェアさせていただければと思います。


それでは

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

P&G→コンサル→ライフネット生命立上げ→現在は自分たちで創業したICJ社にて、ベンチャー投資・支援と大企業の新規事業コンサルを手がけています。MUFGフィンテックアクセラレーター、NRIアクセラレータなど、大企業と連携したベンチャーの事業加速が得意技。

142

いろいろマーケティング

1つのマガジンに含まれています