音楽好きの貴女の最期のお気に入りは
『紫の夜を越えて』だった。
ニュース番組のエンディング曲で、
それを聴く為に、どんなに眠くても
起きていたね……
アルバムが出るのを心待にしていたのに、
スピッツのアルバムはいつも2人で
一緒に買うのを楽しみにしていたのに、
アルバム出るのを待たずに……
今でもあの曲のイントロを聴くだけで
心臓の鼓動が激しくなって
涙が溢れる。
貴女を送るとき、ずっと流していたよ。
聴こえていたでしょ。
でも……
《君が探していた美しい惑星は…》
《紫色の夜を越えて…》
なんだか、この歌詞のままに
貴女はこの世界を越えて逝ってしまった様な気がする。
今夜はやけに哀しくて……
貴女を探しに行きたくて……
とても息苦しい……
どうしてだろう……？
貴女が精一杯生ききった事
貴女が最期の最期は自分の道を
選んだ事
認めてあげないといけないね…
貴女にとって『生きる』と云うことが
どれほど大変だったか……
もっと自分勝手にわがままに
ありのままに生きられたらね……
もう少し楽だったね……
優しかった。
大人しかった。
控えめだった。
賢かった。
本当に良い子だった。
今頃……違う惑星で
ふんわりと、貴女らしく
穏やかに緩やかに
私たちを時折見つめているかな……
愛しい貴女に触れたい。