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フリーランスの確定申告作業はいつ頃やるか

確定申告の期限が近づいていますね(例年3月15日が申告と納税の期限です)。

私は2010年に個人事業の開業届を出し、今回で8回目の確定申告(青色申告)に取り組んでおります。

慣れてくるとどのくらい作業時間を取れば良いかも分かってきますが、最初は全然見通しがつかなくて不安でした。早めに作業を始めようとしたけれど、材料が揃わなくて一気に済ませることができず、逆に非効率だった……ということもありました。

税務署に出しに行くなら早めがオススメ

過去の経験を振り返ると、3月の頭くらいにやるのが効率が良く、ギリギリすぎなくて、安心です。

ただ、税務署や確定申告会場に持参する場合は2月中の方が良いかも。期限が近づくほど混み合い、長蛇の列に並ぶことになったりする可能性があるからです。

なお、申告書の提出方法は
・税務署や確定申告会場に持参する
・郵送する
・e-Taxで提出する
があります。

私はどの方法も経験がありますが、後述の通りe-Taxはかなり時間を浪費しました。税務署の人に質問したいことがある場合は持参するのが良いですが、そうでなければ郵送が一番効率的だったので、今年もそうする予定です。

早すぎると書類が揃わないことも(特に支払調書)

確定申告の受付は1月から始まりますが、あまり早いと申告作業に必要な書類が揃っていなかったりします。

社会保険料の控除証明書とか生命保険料の控除証明書などは、1月前半には届いていますが、取引先からの支払調書は届く時期がバラバラで3月になることもありますし、送られてこないこともあります。

支払調書があると便利なのは、確定申告書の「所得の内訳」欄に記入する時です。ここには取引先ごとに支払額と源泉徴収額を記載するので、支払調書があれば、それを転記するだけでラクです。支払調書がない場合は、自分で各企業からの支払額や源泉徴収額を集計して記入します。

なので、あまり早くに書類作成を始めてしまうと、「あれ、この会社から支払調書がきてないな」ということで作業が中断したりします。3月になってからだと、その時点で届いていないものは「あの会社は送ってこないんだな」とあきらめがつきやすいです(そして、自分で計算します)。

書類作成にかかる時間(日々の伝票入力をしている場合)

特に大きな問題(必要な書類が見つからないとか?)や、特殊な処理(仮想通貨取り引きの収入を申告するとか?)がなければ、確定申告書類を作る作業には2〜3時間のまとまった時間を確保しておけば大丈夫だと思います。

ただし以下の前提のもとでの話です。
・freeeや「やよいの青色申告」といった会計・確定申告ツールを利用する
・日々の伝票入力は済んでいる

領収証などを1年分取っておいて一気に入力するというタイプの人は、もっと時間がかかるでしょう。

交通費、その他の必要経費といった日々の支出は発生するたびに、売上などの収入は請求のタイミングと入金のタイミングで、freeeや弥生などのツールに入力しておくのがオススメです。

私は、Todoist(タスク管理ツール)に平日の繰り返し予定として「伝票入力」というタスクを登録し、毎朝前日に発生したお金の出入りを入力するようにしています。私のようなライターや、デザイナーやプログラマーなど、在庫を抱えてやるような商売でない場合、お金の出入りも単純なものが多く、毎日の伝票入力は5分もかかりません。逆に、かなり時間が経ってから過去の領収証を見て「これはなんの費用だっけ?」と考えたり、そもそも領収証のない交通費など思い出して入力するのは、結構な労力がかかるります。

そうやって日々の伝票入力が済んでいる状態からであれば、1年に1回の確定申告作業のときは、
・日々の入力に漏れがないかをざっと見直し(自動引き落しで払っている経費は入力忘れがち)
・(自宅で仕事をしている場合)家賃や水道光熱費を家事按分した費用を反映
社会保険料などの各種控除や源泉徴収税などを、会計ツールのガイドに従って入力
・完成した書類を印刷し、添付が必要な証明書などを用紙に貼り付ける
……という感じで2〜3時間もあれば終わります。

ちなみに、社会保険料や生命保険料の控除証明書など、いくつか添付の必要な書類がありますが、取引先か送られてくる「支払調書」は添付しなくて良いそうです。書類を添付する台紙には一番上に「源泉徴収票」を貼り付けるところがあり、以前はここに「支払調書」を貼るのかと思っていましたが、ここは勤務先の会社からもらう源泉徴収票を貼るところなんですね。(参考:確定申告と支払調書の関係とは?

過去の確定申告を振り返ってみた

過去のデータを見てみると、これまで書類を作って提出する時期は、こんな感じでした。

2011年(2010年分)
…3月14日確定申告会場にて提出(書類完成は3月12日)

えらくギリギリですが、やはり初めてのことなので手間取ったのと、3月11日の震災があってアタフタしていたというのがあります。
書類に不備がないか不安なので税務署がやっている確定申告会場に持ち込んでチェックを受けてから提出しよう、ということは決めていました。その場所が電車で一駅行ったところでしたが、地震で運休になった電車が14日になっても動いていなくて、歩いていった思い出があります。

2012年(2011年分)
…3月6日e-Taxで提出

この年は初めてe-Taxでの申請、つまり自宅のパソコンからインターネットで確定申告書類を提出する、というのに挑戦しました。
理由は、電子証明書等特別控除というので少しだけ税金が安くなるという特典があったのと(今は廃止されて、控除はありません)、単純にネットで申請できるのは便利じゃない? と思ったからですが……、全然便利じゃなかった!
まず、事前に住民基本台帳カード(住基カード。今だとマイナンバーカード)と、ICカードリーダライタを用意する必要があります。このICカードリーダライタ、今は分かりませんが、当時はMacで使えるものがとても少なかったです。
で、ICカードリーダライタを使って住基カードの情報を読み書きするために必要なJAVAや証明書や専用のソフトウエアをインストールし、その後にようやく、e-Taxで必要な書類を作るという流れになります。
が、この流れの中で幾度となくエラーが出て、最後の提出までたどり着くのがえらく大変でした。詳しくは覚えていませんが、Macとシステムの相性が悪かったのかな〜と思っています。

2013年(2012年分)…3月3日e-taxで提出
前年苦労したのにこの年もe-Taxでがんばって、やっぱり四苦八苦したので、「来年は普通に紙で出力しよう」と心に決めました。

2014年(2013年分)…2月18日確定申告会場にて提出(書類完成は1月)
e-Taxをやめ、初年度と同じように税務署がやっている確定申告会場に持ち込みました。
この年は1月に書類を作って2月に提出と、かなり早め。これは、前年に子どもが生まれ、1月に夫が育休を取っていたため、夫に赤ちゃんを見ていてもらえる間に書類作成を済まそう、と考えたためです。

2015年(2014年分)…3月11日確定申告会場にて提出
この年もわりとギリギリですね。この頃は子育てに慣れていない上に関わっていた仕事も結構ハードでテンパっていたから……、のような気がします。あまり覚えていません。

2016年(2015年分)…3月9日郵送で提出
この年からfreeeを使い始めました。
その前年までは「Macの青色申告」というパッケージソフトを使っていました。私が開業した当時はまだクラウド型のツールというのはなく、Macで使えるソフトというとこれくらいしかなかったのです。普段の使い勝手は悪くないソフトでしたが、MacのOSをアップデートするときなどに「動かなくなったらどうしよう」といちいち心配していたのと、毎年確定進行の時期になると最新の申告書の様式に対応させるためにソフトのアップデートが必要なのが面倒でした。freeeになってその心配や手間がなくなり、クラウドツールの良さを実感しました。
また大分慣れてきたのと、freeeの確定申告作成画面のガイドがわかりやすく、ちゃんとした書類ができた! と自信が持てたため、この年から郵送提出にしました(前年まで持参していたのは、何か不備があればその場で質問しながら修正できる、と思っていたからです)。

2017年(2016年分)…2月27日郵送で提出

2018年(2017年分)…3月12日郵送で提出(予定)
今年はちょっと油断して、着手が遅くなりました。Todoistには3月頭のタスクとして「確定申告作業」と登録していたのですが、なんだか忙しくてまとまった時間が取れず、先週末からちょっとずつ進めています。ちょっとずつだと、書類を出して、freeeにログインして、「昨日はどこまで入力したっけ?」と思い出す時間がとられるので、できれば「確定申告作業」のための時間をあらかじめ確保しておくのが効率的。来年はそうします。

(写真:photolibrary


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