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多言語を話す人の脳とは

世の中には、稀に数種類の言語を話せる”ハイパーポリグロット”と呼ばれる人達がいます。彼らの内、外交的な人は同時通訳者に、内向的な人は言語学者として活躍している人が多いようなのですが、彼らの脳がどう働いているのか?という興味深い記事を読みました。

15種類の言語を学び、その半分を日常的に使用しているハイパーポリグロットの”グル”的存在な、リチャード・シムスコットによると、一言語しか話せないのは意外にも英語のネイティブスピーカーだそうです。英語は公用語としての認識が高く世界中で話されている為、英語ネイティブは第二言語を習得するチャンスが必然的に減っているそう。シムスコットによると、言語のニュアンスが違っても伝われば良いという国が多いなか、その微妙なニュアンスにもこだわるのが、皮肉にも一言語しか話させないアメリカ人だそうです。英語ネイティブだったらなぁ、と思うことが多い私にとって、目から鱗のような話しにとても驚きました。

最近になり新たに解明されつつあることは、ハイパーポリグロットはLGBTQコミュニティに多く、左利き或いは両利きの男性に多いことが分かったそうです。しかし、これらはまだ裏付けに乏しい段階で証明はされていないようです。マサチューセッツ総合病院の脳学者エヴァリナ・フェドレンコによると、人間は聞き慣れない言語を聞き取ろうとすると、脳は激しく活動します。これはハイパーポリグロット達も同じなのですが、彼らは平均的な人達と比べると脳の活動がリラックスして、彼らの利点は脳のキャパが広いことではなく、効果的に脳を使っていることが分かりました。つまり、彼らはどんなに処理するのが難しい言語でも、脳の非常に小さなスペースでその言語を理解できるそうです。

フェドレンコは科学者らしく、分からない事は分からないとしながらも、人間の脳は過去の経験から未知の体験を結論付けているので、幼少期の方が多言語を習得しやすいことは確かだ、と述べていました。

私のような平均的な一般人からすると、なんとも羨ましい能力です!

そんな自分も、毎日何かと英語を学習するようにしていたら、ハイパーポリグロットにはなれなくても、少しずつ解るようなってくるので人間の脳は不思議だな、と常々思います。些細なことでも、知らなかったことを学び、出来なかったことが出来るようになると、それだけでも可能性が広がり、人生がちょっと豊かになった気がします。そして何より、異言語を理解することで、異文化を理解しようとあれこれ考えるのが楽しい!”趣味”とはそういうものかもしれませんが、工夫や挑戦そのものが楽しいんだなとつくづく思いました。

Bibliography :多言語を話す人の脳のミステリー






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