大学時代にIBSで苦しんだ私が書く「IBSの人のための大学生活のしおり」

IBSを抱えて大学生活を送るためにはどうするか?

私は大学の受験勉強中にIBSになりました。1浪していた秋の事です。

その時は、受験が終わればIBSは治るかもしれないと思い、なんとか受験を乗り越えました。

ただし、大学に入学しても症状は良くなりませんでした。それでも4年でキッチリ大学を卒業し、現在はIT系の会社でSEとして普通に働いています。

現在ではIBSの症状はほとんどありません。

今では、IBSと上手く付き合えている私ですが、大学時代には大変苦労をさせられました。

まわりに相談できる人もおらず、手探りでここまで来ました。

そんな私の経験が、多少なりともですが、IBSの症状を持ち大学生活を送られる方に役立つのではないかと考え、noteにまとめさせて頂きました。

特に、「それを知っておきたかった」と思う事を書かせて頂いています。

具体的には以下について書かせて頂いています。

・単位の取得について

・1人暮らしの場合に気を付けたい事

・就職に向けて

・アルバイトを選ぶ時の注意

・治療に向けて



単位の取得について

まず、基本的な事として認識して頂きたいのは「追い込みは効かないものとした方が良い」という事です。

試験の直前に長時間勉強するのは精神的な負担が大きく、ストレスで症状が悪化してしまう場合があります。

実際の所、私は試験前が一番症状が酷かったです。
ガスや下痢の症状がひどく、5分に1回はトイレに行かないと行けなかったり、お腹にガスが溜まって気持ち悪い状態が続いたりしました。

それでも、きっちり4年で大学を卒業出来ました。

私が考える特に気を付けるべきポイントは以下です。

・計画的に勉強する事
・自分が好きだと思える科目を中心に取る事
・レポート課題で単位がとれる科目があれば、それも選択する
・勉強から逃げようと思わない事


基本的に追い込みはきかなかったので、夏休みなどの長い休みも少しづつ勉強するようにしていました。

また、授業ではなるべく友人を作るようにし、試験や講義の情報を共有するように努めました。サークルなどをやっている人からはその先輩から聞いた情報を共有してもらえることもあります。1人で試験を受けるのではなくチーム戦だと思って下さい。

勉強にあたっての心構えも書かせて頂きます。

人間、本当につらいと目の前の事しか考えられなくなりますが、それでも、ただ単位を取るだけの勉強はお勧めしません。

単位さえ取れれば良いと考えると、どうしても勉強に対して消極的になります。
人間の脳の機能を最大限に発揮するには、攻めの姿勢を持つことが重要です。

これは「勝負脳の鍛え方」という書籍にも書いてあったのですが、試験・試合などで良い結果を出すためには、いかに楽をするかを考えるのではなく、自分の能力を高める事で状況を打破しようという気持ちを持つことで脳を味方につける事が出来ます。

つまり、楽に単位をとる事ばかり考えていると、脳は味方になってくれず、苦しい戦いになります。


私が社会人になってからの話ですが、いくつか資格試験を受けました。
その時に心がけていたのが「この難しい試験を試験テクニックではなく、実力で合格してみせる!」という事です。

その気持ちで挑戦する事で以下の試験に合格する事が出来ました。

・応用情報処理技術者試験(合格率25%程度)
・情報セキュリティスペシャリスト(合格率15%程度)
・ネットワークスペシャリスト(合格率15%程度)
・プロジェクトマネージャ(合格率15%程度)

是非とも、守る事だけを考えずに、挑戦する気持ちを持つようにして下さい。


1人暮らしの場合に気を付けたい事

人間は元々は集団行動をする動物であったため、長期間1人でいるのに向いた動物ではありません。
1人暮らしだと1人の時間が増えますが、孤独を感じる時間はなるべく短くした方が良いです。

出来れば、誰かと雑談したり、コミュニケーションを取る時間を持つように心がけて下さい。

可能であれば、恋人がいると良いです。もし無理なら、同性であったとしても、親しい友人を作った方が良いです。

もし、IBSであるため人と親しくするの事に抵抗があるなら、IBSのオフ会に参加するのも良いです。(ツイッターなどで検索しいてみてください。)

人は誰かと触れ合うことで、脳内に「オキシトシン」という幸せホルモンと呼ばれる物質が分泌されます。
このオキシトシンは、ストレス耐性を高め、幸福感をアップさせてくれるホルモンであるとされています。

良い人間関係を持っておくことは、IBSの対策にも、人生の幸福感を向上させるためにも大事な事です。


就職に向けて

面接で聞かれる定番質問に「あなたは学生時代にどんな苦労をして、それをどう乗り越えましたか?」というものがあります。

この質問をする理由は、次の様な意図があるからです。
・入社した後、困難に遭遇した後にそれを乗り越えてくれそうな人材かどうかを判断するため
・どんな長所を持った人材なのかを判断するため

「IBSが辛かったけどちゃんと大学を卒業した」では「大変だったね。」で終わってしまいます。

大学を卒業する位の事は、他の学生は普通にこなしています。他の学生が普通にこなしている事を、とても苦労してなんとか出来ました、とアピールする学生では魅力を感じてもらえません。

私は就職活動中に自分がIBSである事は全く言いませんでした。
ストレスに弱いと判断されると不利になると考えたからです。

辛い事だとは思いますが、IBSで一杯にならず、出来れば組織内の問題を解決する様な取り組みをした方が良いです。

会社とは組織で動くものなので、組織の中で活躍してくれる人材を採用したいと考えています。

つまり、IBSだからといって引きこもってばかりいると、組織の中で動く経験が積めず、アピールする材料が何もないという事になってしまいます。

出来るならば、アルバイト、委員会などを組織した経験、自発的にチームを作成して研究した、等の経験があると望ましいです。


アルバイトを選ぶ時の注意

ストレスの軽減という観点では、なるべく勉強とは違う形の物の方が良いです。

また、人間環境を苦痛に思う職場は早めに辞める事をお勧めします。

働くのは、多少の面倒臭さが伴いますが、面倒臭いではなく「苦痛だ」と感じるものは避けた方が無難です。

ただし、やるなら将来希望する仕事になるべく近い職種、形態の物が良いです。

そして、重要な事ですが「面接で落とされる可能性がある位の倍率」がある所で働いた方が良いです。

具体的には、居酒屋などは避ける事をお勧めします。

アルバイトとはいえ、就職を見据えて選ぶべきです。大学生活の1分、1秒をどう過ごすかで将来は大きく変わります。

中学・高校では、同じ教室で勉強していた人達は今はバラバラの道を歩んでいると思います。

大学もそうです。

同じ大学で勉強していても、良い企業に行く人もいれば、そうでもない人もいます。


その1つの差が、「自分で考え、計画的に動ける人間であること」を希望する会社にアピール出来るか否かです。

いざ面接の際に、志望する業界や職種に近い企業でアルバイトをして来た人なら、経験や意欲をアピールする事が出来ます。

もし将来どうしたいか分からない場合でも、以下の条件を満たす仕事を続けていると何かアピールする材料を経験し易いです。

・組織としてコミュニケーションを取りながら行う仕事
・マニュアル以外に、自分で考えて工夫する余地の多い仕事

私は学生の頃、学生食堂・旅館・塾講師のアルバイトをしました。

この内、最も工夫の余地が無かったのは「旅館」のアルバイトです。
ベテランのパートさんが仕切っている現場で、アルバイトはその指示で動くという形でした。
このため、特に工夫する様な事はありませんでした。

逆に、最も工夫の余地があったのは塾講師です。
アルバイト先の塾は社員さん2名に対し、アルバイトは30名くらい、パートさんは3名、生徒は200人位いました。
全てを社員さんで仕切るのは無理なため、アルバイトといえど自分で考えて動くことが求められます。
また、生徒とのコミュニケーションや成績を向上させるために、考える事、やる事は探せばいくらでもあります。

就職の面接でも、塾講師の経験を元にアピールしました。

治療に向けて

出来れば、完治をさせたいですよね。

IBSは腸に意識が行きがちですが、腸にばかり意識を向けても仕方がありません。
ビフィズス菌や乳酸菌をいくら取って腸内環境を良くしても、腸を制御に異常をきたしているので、意味はありません。

病院にも勿論行ったのですが、ガスを抑える薬、腸の過剰な動きを抑制する薬などを出されて終わりでした。
これらは症状を抑える薬であり、完治させるための薬ではありません。

お勧めする事は2つです。

1つ目は「瞑想」です。

目を閉じ、意識を呼吸に集中させ、余計な事は考えない様にして下さい。
また、日々15分程度は行う様にして下さい。

「腸」は意識で制御する事は出来ませんが、「肺」は意識すれば動かせます。
静かにゆっくりとした呼吸を意識すれば、肺も静かにゆっくりと動きます。そうすることで、体全体をリラックスさせる事が出来ます。
意識で呼吸を制御する事で、無意識にも影響を与える事が出来ます。

呼吸で体を制御するのは、ヨガや武術でも行われている事です。


2つ目は「感謝」です。

薄っぺらい言葉と思われるかもしれませんが、人は感謝をする事でストレス耐性に強くなるという研究結果が出ています。

私は子供の頃から、IBSが良くなるまでの間、人に対して大きな感謝の気持ちを持ったことはありませんでした。

もちろん、何かして貰ったら嬉しいですし、感謝はします。
でも、この人のお陰で今の自分があるとか、この人には一生かけてでも恩返しをしたいと思う人はいませんでした。

今現在は、習い事の先生に感謝しています。特に社会人になってからは、誰かに何かを指導してもらう機会はめっきり減ります。

先生には、社会人になってからでも何かに取り組む事の重要性、自分も歳をとったらこうありたいと思える様な生き様を見せて頂けました。
その先生は、32歳で始めた趣味に継続して取り組み、県内に数か所でカルチャー教室の先生として活躍されています。

私は現在、普通のサラリーマンです。なんとなく「このまま今の会社で定年まで働くのが自分の人生なのかな~」と思っていましたが、30歳を過ぎてからでも人生は色々と出来るのだなと教えて下さった事に感謝しています。

また、先生の厳しい指導にも感謝です。

話がそれてしまいましたが、私は大学時代には、試験期間中には嫌と言うほどIBSに苦しめられました。

社会人になって資格の勉強をする際に、全くと言っていい程、IBSの症状が出なかったのは先生に対して感謝しながら勉強していたからです。


終わりに

IBSの症状に苦しい事もあるかと思います。

ですが、症状を良くする事は不可能では有りません。

是非とも、1人でも多くのIBSでお悩みの方の役に立てれば幸いです。

以上です



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