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著書を出版して4年経って収入が0円という話

私には著書があります。母との共著です。

この本は出版当時から現在まで、一度も私の収入になったことがありません。つまり現時点では原稿料0円、印税0円です。

なぜかというと、企画出版だったからです。

「本を出版したら儲かるんでしょう?」と思っている方、「ブログ書籍化を目指している」とお考えの方向けに、出版の裏話を書いてみました。

企画出版とは何か

企画出版とは、著者側から出版社に企画と原稿を持ち込んで出版してもらうという形式の出版方法です。これに対するものとして自費出版があります。

企画出版の中にもさまざまなケースがあるようですが、私の著書は以下のような条件でした。
・原稿料は0円
・初版印税は0円
・増刷されたら印税が発生する
・出版費用、広告費用は全額出版社負担
・販売は出版社が行い、市場にも並べてくれる

そして現時点(2019年8月上旬)では増刷がされていないため、印税をもらっていないというわけです。

ネット上の情報では「企画出版でも印刷費をとられた」「企画出版でも初版から印税がもらえた」などさまざまなパターンがありますので、私の例は一例です。

出版までに7年弱かかった

出版を検討した原案の原稿は、noteで有料公開している「私の正体」のうち同人誌収録分と、同人誌にのみ収録している部分(note未収録)です。「私の正体」同人誌は2008年9月24日に発行したものです。

読んでくださった方々から「この内容で出版してほしい」「本屋さんに並んでほしい」と言っていただけたのと、当時の私には出版への憧れがあったのとで、出版社に送ってみることにしました。この頃の正確な記憶がないので、うろ覚えです。

2009年1月、手始めに1社送ったところ、「文字数が少なすぎる」と言われてしまいました。出版を提案してくださった方の一人が母にも執筆を勧めていたので、母と私の共著の原稿ができるまでに、約2年かかりました。(その頃はうつ病を抱えながら会社勤めをしており、原稿どころでなかったのです)

そうして一度送ってみた出版社のほかに、大手出版社1社に送って検討していただいたのですが(計2社)、一度送ってみたほうは10日ほどでお返事を下さりましたが、大手出版社は読んでもらうのに1年以上かかりました。つてがある人に紹介してもらったのに、です。(3社当たったような気もするのですが、記憶がおぼろげで記録も残っていないのです……)

そしていずれの出版社でも「うちではこの内容では出せません」と断られました。そのときには同時に「この内容で出してくれる出版社もあるかもしれないので、自費出版は考えず、出してくれる出版社を探してください」とも言われました。

そういうわけで3社目の、本書の版元である生活書院さんに企画書と原稿を送ったのが2014年3月ごろです。ここでも検討に数ヶ月かかりました。その上で「この内容では読者がついてこないと思う」と没になりました。出版を考えて出版社を当たり始めてから5年が経過していました。

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