デジタル耳栓MM2000を買って使ってみた

「なぜかあまり買う気が起きない」と以前言っていましたが、興味が湧いてきたので購入し、何度か外出中に使用してみました。

デジタル耳栓の良い点

・軽い
耳栓のような軽量ぶり(約17g)で、着用に負担がありません。

・ザワザワ、ガヤガヤに効果あり
人の多い場所につきもののザワザワ、ガヤガヤした音が、かなり軽減されます。一方で、近くにいる人の話し声はほとんど消えません。周囲の騒音にかき消されて目の前の人の声が聞こえないという問題が改善します。非常に助かります。

・バス乗車中の走行音、交通量の多い車道などがいくらか静かになる
完全に音が消えるわけではありませんが、一部の音がかなり聞こえづらくなるため、騒音の音がボリュームダウンします。ノイズキャンセリングの性質上、安定したノイズに効果があるので、車道の音は交通量が多いほうが軽減されやすいです。

・店内BGMが軽減される
すべての音が消えるわけではありませんが、部分的に音が消えるため、店内BGMの轟音からは多少逃れられます。

デジタル耳栓の悪い点、いまいちな点

・店内放送や車内放送の「声」は一切軽減なし
人の声のようなランダムな音波はほとんど軽減されないので、店内放送や車内放送、ラジオなどで人の声が入っていると、ほとんど軽減されずに耳に届きます。店内放送等の声はかなりの大音量のため、他の音が軽減されているぶん、かえって負担が強く感じます。

・気分が悪くなることがある
数十分以上着用していると、ノイズキャンセリングの逆位相の音で吐き気がし始めることがあります。周囲の騒音が大きいほど気分が悪くなりやすいので、ノイズキャンセリングが起きると脳へ負担があるのかもしれません。特になんともないときのほうが多いですが、初めて着用したときは非常に気持ち悪くなりました。

・ノイズキャンセリングが始まるのに数秒かかることがある
交通量の少ない車道で車が通り過ぎていったときなど、車の音がなくなってからデジタル耳栓からノイズキャンセリングの音が聞こえてくることがあります。

・騒音による疲労が軽減されているのかどうかがわからない
「うるさいと感じにくくなる」「騒音の中で近くの人の声を聞き取りやすくなる」のは事実ですが、それと疲労感の関連性についてはよくわかりません。そのため「聴覚過敏による疲労の軽減」と考えると、効果があるのかないのかよくわかりません。音が聞こえることの煩わしさや苦痛などの精神的負担は軽減していると思いますが、ノイズキャンセリングも「音が聞こえ続けている状態」だからか、着用時とそうでないときの疲労度合いはそんなに違わないような気がするのです。

・音楽が聴けない
私はヘッドフォンを持っていませんし、持っていたところでデジタル耳栓と併用すると一部の音が消えてしまうと思われるので、音楽を聴きたくても聴きようがなくなります。

・ノイズキャンセリングの強度調節ができない
もう少し強くノイズキャンセリングしてほしい……と感じても、調節ができません。

イヤーマフとの比較

先日購入した3MのPELTOR X4Aとの比較をしてみます。

デジタル耳栓のほうがよいところ:
・軽い。肉体的な負担が少ない
・デジタル耳栓が対応している音の軽減度合いは、イヤーマフより高い場合がある(ザワザワ、ガヤガヤした音など)
・アナウンスなどがはっきり聞き取れるが、少し離れた人の会話は聞き取りづらくなる

イヤーマフのほうがよいところ:
・アナウンスなども含めて総合的に防音するため、爆音のアナウンスも防御できる
・イヤホンを使えば、音楽を聴きながら防音ができる(ただし、アナウンスが完全に聞き取れなくなる可能性がある)
・肉体的な負担は重いが、精神的な疲労度は軽減されていると感じる

結局は使い分け

デジタル耳栓は「騒音が意識に届く煩わしさ」からは少し解放してくれますし、騒音の中での会話の助けにも若干なります。ですが、疲労度の軽減という面では効果が実感できていません。「疲労の軽減」が目的の場合は、ノイズキャンセリング製品ではない普通の耳栓やイヤーマフなどを使用するほうが効果を感じるように思います。

しかしながらイヤーマフは、聴覚の過敏性にもよりますが、実用に足りるレベルの防音性を求めると非常に重いものになる可能性もあるので、やはり「耳栓」が軽量でよいのかもしれません。

耳栓は耳栓で使いづらいのですが、装着しやすいもの、耳の損傷が起きにくいもので防音性に満足できるものを探したいと思います。

それにしても、こういった調査や実験の心身の負担や金銭的な負担が重いので聴覚過敏対策を何年か放棄していたのですが、人並みに仕事なりなんなりしたいと思ったら結局対策することになってしまうので、改めて生きづらさを感じます。こういう対策をしないで暮らしたいのですが、聴覚過敏対策はある程度したほうが疲労の軽減にはなるように感じるので(軽減方法にもよりますが)、やはり活動可能時間を増やしたいと思うと対策は必須なのかもしれません。

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余談:BGMの音量と疲労感の関連性

体感的なものなので数値としての調査結果はありませんが、大きい音量でBGMを聴いていると、疲労度が増すような気がします。

先日、PCの音量を調整したところ、音量が大きめになってしまいました。しかし特段つらくなかったので、そのまま作業用BGMを聴きながら作業していたところ、なんだか普段よりも異様に疲れることが続きました。作業内容としては特別新しいことはやっていませんし、快適な音楽を選んでいるはずなのですが、普段これほど疲れないのにと疑問に感じるような疲労だったので、音量のせいではないかという仮説を立てました。作業中強い眠気を感じるなどの普段全く起きないことが起こり、疲労の度合いとして異様でした。

音量を元通りに下げてみたところ、異様な眠気が起きなくなり、元通りの負担になりました。なので疲労感の高まりとBGMの音量は関係していた可能性が高いと思います。こういったことは数値化してみたいですが、個人の力では難しいです。


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