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渋谷で6時

せっかく巻いた髪の毛は終業時刻が近づくたびにストレートに戻っていく。

午後から雨は降り続き、仕事用のカバンを持ちながら傘をさして駅へ向かわなければならないことが本当に煩わしい。

仕事の後のクラブ。ライブ。
そんなの久しぶりすぎて勝手を忘れてしまった。
そもそも私、仕事帰りにクラブは行きたくない派。

クラブに行くなら家から行きたい。
家でゆっくり髪の毛巻いて、メイクも濃いめグリッター多めで男ウケとか気にせず大好きな香水プンプンさせてタイトな服にピンヒールを合わせて小さいチェーンバッグ持って行きたいワケ。
超絶ステレオタイプな格好が好き。

でも今日は違う。仕事用の大きめのカバンに首元にパールが着いてるネイビーのキレイめなワンピース。低いヒールとゆるい巻き髪。
社会人っぽい。OLっぽい。出直したい。

雨でも渋谷は人が多くて、何人と傘がぶつかったのか分からない。109の赤いロゴはないし、ギャルが1人もいない。渋谷か疑うよね、本当。

「この感じ超懐かしいんだけど〜ここでよく深夜待ち合わせしたよね〜」と109の前で信号待ちしている時に右斜め前から声がした。多分話しているのはビニ傘黒髪の子。多分同じ世代。

そういえば終電逃してスクランブル交差点でタクシーを捕まえようとしたこともあったし(もっと違う場所で捕まえればいいのに)、ハチ公から一番近いマック(あれは何店?)で夜友達を待ってたこともあった。

やっぱりそういうこと、するよね。
夜が来るのが待ち遠しかった時ってあるよね。

渋谷って街は臭いし汚いし、人は平気でぶつかって来るし、本当に最低って来るたびに思う。

何この街、と思いながら道玄坂をのぼる。
どこ曲がるんだっけ?ロイホ過ぎるんだっけ?どうするんだっけ?って内心オロオロ。
やばい、ハーレムへの道だって忘れかけている。

結局私はロイホを過ぎてちょっと行ったところの焼肉屋さん?のところを左に曲がった。なんとなくだけど、合ってる気がした。
こういうテキトーなところが道に迷い、方向音痴と呼ばれる原因だと思うけれどこれでいいのだ。

私は知らない土地(国内、国外問わず)でも地図を見ずにテキトー歩く。案の定迷うけどガイドブックに載っていないお店を見つけたり、可愛い野良猫に会えたり、多分私にしか分からない特別な空気を感じ取ることがある。なんか懐かしい感じがする、とか。

ここからはもう感覚。
ラブホ、クラブ、コンビニ、スナック。人のありとあらゆる欲望の隙をぬって歩いていく感じ、嫌いじゃない。

何でもアリで受け入れてくれる感じも大好き。
だから思わず生ゴミ臭い裏路地で深呼吸して、ちょっと後悔。

エイジアだ!ローソンだ!ハーレムだ!ついた!
って目印を見つけながら感覚で到着。やっぱり体は覚えている。

ハーレム、入ってからはすでにもうガン踊りしてる人とか若い子がたくさんいて、仕事終わりでHP減り気味の私は、凄いなあ、と棒立ち。
前に行きたいけど、行きたくないような…?

「若い子がたくさんいる」って表現もなんか年取ったみたいで嫌ね。年齢はただの数字!で生きていきたい私としては普通に失言だったかも。

「それ言ったらおばさんだよ」とも言われたし。笑

でも、私も昔はこんな風に人から見えてたのかなあと思った。

どうせ25ぐらいに見えてるっしょ、大人っぽいでしょ。って振舞いながらフロアにいても大人からは「いや、ガキじゃん」みたいな感じで見えてたんだろうね。やっぱりなんとなく分かっちゃうよね。
そう思うってことは私もちょっとずつ大人になってる。

フロアの人間観察に勤しんで棒立ちだった私もやっぱりヒップホップ聴くと楽しくて気付いたら体動いてた。

EDMに全く体が反応しない私には、ヒップホップが大正義。思い出しちゃうよ。ツタヤとかタワレコでヒップホップのオムニバスアルバムを試聴してた時。The FinestにV.I.P.にWhat's upとか超聴いてた。

好きな音楽が大音量で流れていて、ずっとイヤホンで聴いてた曲を生で聴けて、さらに友達がステージに立って輝いてるとかヤバイ。

途中ちょっとだけ感極まったけど、そんな気持ちは簡単に楽しさに負ける。

全員輝いてて、パワー貰って、ちょっと悔しくなって、最高に満たされた。

帰りに寄ったラーメン屋さんでの耳がバグってるあの感じもまた、好き。

やっぱり嫌いになれないね渋谷。
また来よう。






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Yayoi

半分妄想。半分日記。

ミッドナイト・イン・トウキョウ

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