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2019 J1第27節 湘南ベルマーレvs清水エスパルス レビュー

目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.感想

1.はじめに
いつも読んでくれている方々ありがとうございます。初めての方、読んでみて面白いと思ってもらえたらSNSで拡散して周りの方に勧めてもらえると嬉しいです。
前節のフライデーナイトで名古屋に勝利、天皇杯でPK戦を制し5年ぶりのベスト8進出で勢いのあるエスパルス。
今節の相手は勝ち点1差、残留争いのライバル湘南ベルマーレ。ベルマーレはここ4試合勝ちなしだが、前回対戦はアイスタで1-3で負けている。
残留争いのライバル同士の対戦で両チームにとって負けられない試合となった1戦を振り返っていく。

2.スタメン

▪ベルマーレ
金子、齊藤の2CH→松田、菊池
右WB古林→岡本
右IH山田→野田
4人の選手を前節から変更。
▪エスパルス
前節と変更なし。

3.前半
0’28 エスパルスビルドアップ時GK大久保は湘南がプレスに来ない為、左サイド松原へ。ドウグラスがハーフライフ付近左サイドへ下りて来るが松原はロングボールでDFライン裏へ。河井が反応するも合わず坂がクリアー。
1’00 二見がゾーン1からロングボール。湘南陣内入った辺りではね返される。この場面でもドウグラスはハーフライフ付近まで下りている。
3’47 竹内がCB間に1列下りてビルドアップ。この時、竹内の居たポジションには西澤がしっかり入っていた。
この流れからエスパルスが最初のシュートまで持っていく。
3’52 竹内がゾーン1,2間から縦パス。ドウグラスが松田の脇で受けワンタッチでセンターサークル脇の河井とワンツーでついて出てきた山根が裏を取る。エリア手前左ハーフスペースからシュート。坂の足に当たりCK。

この辺りからエスパルスは繋ぐ事も考え、徐々にポゼッションの時間を増やし、湘南のプレスの強度が分かり、プレスに来させて背後のスペースを使うといった事が見られるようになっていった。
〈押し下げる動きと手前のスペース
これはエスパルスが前半狙っていた形で、湘南の選手がスペースよりも人を意識した守備であるという分析から来るものであったと感じた。
それでは、それぞれのシーンを見ていこう。
8’25 松原が自陣ゾーン2左ハーフスペースから縦パス。ハーフラインを越えた辺りでドウグラスが受け、前を向き運ぶ。ドウグラスはオーバラップした西澤へ預ける。西澤の外側を松原がオーバラップしたが使わず、ペナ角からCH手前にポジションを取ったドウグラスへ渡し、ドウグラスはエリア手前からシュート。
このシーンでは5バック+2CH+梅崎の7人がペナルティーエリアまで押し下げられている。

11’31 湘南陣内センターサークル脇の竹内から杉岡の背後のスペースへロングボール。金子が深い位置で受けるが、エウシーニョへ下げる。このタイミングで竹内が右ハーフスペースまで走った事で5バック+2CHをエリアまで押し下げ、受けたエウシーニョがペナ角からペナルティーアークまで流れてきた西澤へ横パスし、受けた西澤がシュートするも寄せられた為、外してしまう。
そして、皆さん何度も映像を見ていると思うので簡単にしますが、
25’ 先制点の場面では松原のランニングにより、西澤についていた岡本を押し下げている。
同じく2点目のシーンでも見られていた。
43’ エウシーニョが西澤へ出すタイミングで中央付近の選手達がゴール前に動く事でエウシーニョと西澤がワンツーするのに十分なスペースが出来ていた。
3点目のシーンでは押し下げとは少し違うが、フリーランによる動きが見られていた。
44’ 松原から河井へクロスを送る所で、左ハーフスペースに居た竹内が膨らみながら中央に動いた事で松田が気を取られ、河井が松原からのクロスを受けやすくなっていた。
そして、これらの場面があったから4点目が生まれたのではないかと思う。
45+3’ 杉岡、菊池、野田がプレスをかけるが、竹内が湘南陣内右ハーフスペースから浮き球でライン間の河井へ。河井はそのままヘディングで幅を取った金子へ。このタイミングで竹内が縦にランニングし、深い位置を取りに行く。金子は走った竹内をシンプルに使う。受けた竹内がクロスを流し込み、走り込んだ西澤がファーで合わせゴール。
これまでのシーンではフリーランする選手に人を意識し押し下げられていた湘南の選手が、この場面では竹内のフリーランに誰1人ついて行かなかった。これは、それまでがあったから起こった事のように思う。
また、4点目のシーンでは、幅を取った金子も良かった。タッチラインを背にし、内側を向いて受ける事で、周りをしっかりと確認出来たからこそ、走った竹内をシンプルに使うという選択になったのではないだろうか。
〈左右異なる湘南の攻撃〉

両サイドのWBが高い位置を取る意識は変わらないが、右は比較的人数をかけてコンビネーションでの崩し、左は杉岡という個で打開出来る選手の特徴を活かしたシンプルな形で攻撃を仕掛けていた印象だった。
立ち上がりは前からのプレスをエスパルスが嫌がっていたように感じ、セカンドボールを拾えていたが、時間が経つに連れてプレスに行っても繋がれて剥がされるようになり、ボールの取りどころが定まらない印象だった。

4.後半 **
**〈エスパルスの狙い〉

46’01 湘南陣内ゾーン2右ハーフスペースエウシーニョ→六平へ縦パス→幅を取った金子→裏抜けした六平と繋ぎ深い位置まで持って行った。
この配置と繋ぎを見てマンチェスターシティの試合でよく見る形のようだと感じた。
52’ 湘南ゾーン1で浮き球のバックパス。坂がコントロールした所に金子が寄せ、左を切りながらのプレスでボールを奪う。そのこぼれをドウグラスが拾い、ドリブルでエリア内に進入し、左にズラして対応した山根を剥がしてシュート。
これが決まりエスパルス追加点。0-5
56’ 湘南陣内ゾーン3入った辺り右外でエウシーニョが受けた時DFラインに対し西澤、河井、金子が立った為、ライン間でドウグラスが浮く。エウシーニョ→ハーフスペースの河井→中央で浮いたドウグラスと繋ぎ、エリア内で背後を取った西澤がドウグラスから受け落ち着いてシュート。
これが決まりエスパルス追加点。0-6
64’43 湘南の前線2枚以外をゾーン3に押し下げてのエスパルスのボール回し。左ハーフスペース河井→幅を取った西澤→内にポジションを取った松原と繋ぎ左外深い位置からクロス。ファーの金子の前でクリアーされる。
エスパルスは前半を4点リードで折り返し、後半立ち上がりにも追加点を決めた為か、後半も相手のプレスを利用してのボール回しと流動的なポジションチェンジでゲームをコントロールした。
そして、攻撃以外でこの試合印象的だったのが竹内だ。
66’49 ハーフライン手前右外から鎌田がドウグラス又は河井を狙った斜めのパスを送るがカットされる。鈴木→松田のパスを竹内がネガティブトランジション(攻→守の切り替え)でのプレスで下げさせる。湘南がGKまで下げるが竹内はそこまでプレスに出て行った。竹内が出て空いたポジションには河井が入り六平と2CHを形成していた。
74’50 湘南陣内左ハーフスペースエリア手前から松原がエリアに進入しようとするがロスト。奪った湘南はエリア内から右外へパスを送り攻撃に出ようとするが、竹内がネガティブトランジション(攻→守の切り替え)でプレスをかけ奪い返し、この流れからCKを得る。
84’56 金子のクロスがはじき返され、ペナルティーアーク付近で鈴木がコントロールしようとした所に竹内がネガティブトランジション(攻→守の切り替え)でプレスをかけ奪い返しCKへとつなげる。
上記の事象から見えるように竹内の守備が効果的だったように感じた。
〈湘南の狙い〉

5失点目を喫した直後にクリスランを投入した湘南はそこからサイドチェンジやアーリークロスを使い、人数を増やしたターゲットへ両サイドからのクロスから得点を狙う考えがあったように感じたが、エスパルスのDF陣もしっかりとポジションを取りクロスを弾き返していた為、そこまで効果的なクロスを入れる事が出来なかった。
前線を2枚にした為、守備時は2列目が3枚となりエスパルスにボールを持たれる原因になってしまったように見えた。
鈴木、山田の投入で75’辺りからは徐々に湘南がボールを握る時間帯が増えて行ったが、最後までエスパルスの守備を崩す事は出来なかった。

5.感想
これまでポゼッション率の低かったチームが前節のグランパス戦に続き、この試合でも意図してボールを保持して試合をコントロールし、ポゼッション率も50%を超えた。
残留争いの中、残り試合も少なくなって難しい試合が多くなっていく時にこのようなサッカーが出来るように変化したのは良いのではないかと思う。
今節の勝利により、プレーオフ圈とは勝ち点差7と少し開いた。そして次節の対戦相手も残留争いのライバル浦和とのアウェーゲームである。リーグ戦では調子の上がらない浦和だが、ミッドウィークのACLでは勝利しているだけに簡単な試合ではないだろうが、ボールを握る新たなエスパルスのスタイルで浦和に真っ向勝負を仕掛け、勝ち点を積み上げ残留争いから1歩抜け出して代表ウィークに入りたい。

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