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2020 J1第4節 清水エスパルスvsガンバ大阪 レビュー

目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.最後に

1.はじめに

前節の敗戦により3連はスタートとなってしまったエスパルス。今節はホームにガンバ大阪を迎えての試合。
ガンバは経験豊富な遠藤など多くの日本代表経験者を揃え、東口、元エスパルスの三浦を中心とした守備陣、宇佐美、アデミウソンなどの強力な攻撃陣がおり、今節も難しい試合になる事が予想される。
そんなガンバ相手にエスパルスがどの様に戦ったのかを振り返っていきたい。

2.スタメン

▪エスパルス
ヴァウド→立田、六平→奥井、金井→中村、
ドゥトラ→金子、西澤→カルリーニョス、
ティーラシン→後藤と前節から6枚を変更。
▪ガンバ
福田→藤春、小野→倉田と前節から2枚を変更。
システムを3-1-4-2→4-4-2に変更。

3.前半

キックオフ直後にガンバはボールを大きくエスパルス陣内に蹴り込み、ハイプレスで殴りに来た。
9’03 左サイドからのレビューを素早く始め、中村が受けた時、金子が藤春の背後から手前に動きサイドを空け、そこを岡崎が使い中村からのパスを受け、BOX内で低いクロス。ファーに後藤がつめるが合わない。
ガンバのプレスは人への意識が強かった。
10’30 ビルドアップで下りる中村に井手口、竹内に矢島が出てライン間で鈴木がフリー。12’20 ビルドアップで広がるソッコ、下りる中村に井手口が出て、幅をとり、高い位置をとる岡崎を内にいた倉田が意識した為に井手口が出た裏のスペースに金子が入り、ソッコからの縦パスを受け金子→竹内→ライン間に下りて来た後藤と繋ぎ、岡崎とパス交換。金子がCH間からスプリントでCB間から背後を狙い後藤からのパスを受けシュートもゴールならず。
18’15 カルリーニョスの対応でCB間広がる。鈴木がそのスペースを狙いスプリント。奥井からの浮き球のパスを受けターンからシュート。しかし、東口が寄せゴールならず。
エスパルスは相手のプレスを上手く利用し、ゴールに迫った。
20’13 BOX手前でアデミウソンがフリーで受けシュート。これは梅田の見事なセーブ。
しかし、フリーのアデミウソンへのプレスが遅いのは良く見られるエスパルスの悪い癖だ。
21’19 下りる竹内、中村にCH出ずにミドルサードへ撤退。
ガンバはこの辺りから守備の仕方を変え、それ迄の様にプレスを行わなわず、ミドルサードに撤退し、ブロックを作る形になった。
24’18 ガンバの中途半端なクリアーを拾った岡崎。後藤が藤春の背後を狙う動きでキムがつられ、CB間が広がる。そこを狙った金子へ岡崎からのパスが出るが長くなりGKキャッチ。
28’49 エスパルスはアタッキングサードまでボールを運ぶが、ガンバはブロックを形成。岡崎→奥井へとサイドを変え、奥井と中村のパス交換から中村→岡崎と再びサイドを変えようとするが長くなり失敗。
良い流れでもゴールを奪えずにいると、完全に崩され先制を許してしまう。
40’ 矢島が下り、広がったキムに金子が内を消しながらプレスに行くが、高い位置をとる藤春に岡崎が出た背後を狙う宇佐美へ。藤春は自分達のを越えると反転から素早くインナーラップし、宇佐美への対応でソッコが出て広がったCB間でボールを受けBOX手前まで運び、パスを送る。中央の小野瀬がスルーし、ファーのアデミウソンが折り返し。これを中央の小野瀬が冷静にゴールへ流し込む。
ガンバ先制。0-1
42’04 少しズレてしまうが、奥井→岡崎サイドチェンジ。ガンバ守備を右へ寄せ、中央の中村を経由し、幅をとり、フリーのカルリーニョスへ再びサイドで変える。カルリーニョスはカットインからシュートを打つが、ゴール左へ外れる。
前半はこのまま0-1とガンバリードで折り返す。

4.後半

46’34 BOX手前ハーフスペースで受けた宇佐美へのプレスが遅く、フリーでシュートを打たれるが、大きく外れる。
48’03 ガンバの右から左へのサイドチェンジ。金子が少し遠く、宇佐美、藤春に岡崎と2対1でエスパルスは数的不利。宇佐美はコントロールから素早くスペースを狙う藤春へ。BOX内でシュートするが、梅田が防ぐ。
48’35 宇佐美が右ハーフスペースでフリー。宇佐美のクロスがファーの倉田へ。ここもフリーでシュートを打たれるが、梅田がキャッチ。
後半立ち上がりは、ガンバに決定機を作られる場面が多くなった。
50’13 中村からのパスをセンターサークル付近、矢島と小野瀬の間で鈴木が受けペナルティーアークまで運びシュート。しかし、三浦が足に当てCK。
このCK鈴木のボールをソッコが相手のゾーンの隙間に入り頭で合わせるが、後藤に当たってしまいゴールならず。
58’29 キムの運びに後藤がプレスでボール奪取し、ショートカウンター。金子がハーフスペースから中央に運び相手を引きつけてフリーのカルリーニョスへ。カルリーニョスのシュートは東口に弾かれ、そのボールを金子が頭で合わせるが、決められない。
62’ 鈴木→ティーラシン、岡崎→エウシーニョ交代。
エウシーニョは今シーズン初出場。
64’ 倉田→小野 交代。
67’12 金子、中村の間で小野が受けハーフスペースを運び、BOX手前からシュート。
エスパルスは小野の運びに対し、プレスに行けない。
74’ 金子→ドゥトラ、宇佐美→パトリック、アデミウソン→渡邉 交代。
80’ 矢島→遠藤 交代。
84’ エスパルスアタッキングサード左外でのFK。後藤→中村。受けた中村は深い位置に運びクロス。このクロスをファーで立田がヘディングシュート。
エスパルス同点に追いつく。1-1
85’47 カルリーニョス→竹内→ドゥトラと左から右へサイドチェンジ。ドゥトラは幅をとった所からBOXラインまで運びクロス。自分の動きでフリーとなったティーラシンがボレー。しかし、大きく外してしまう。
86’34 カルリーニョス→エウシーニョのサイドチェンジ。BOX角で受けたエウシーニョ→ドゥトラはカットされるが、こぼれを竹内が拾い、左サイドから右まで来たカルリーニョスがBOX内ハーフスペースで竹内からの縦パスを受け、ボールを下げるが少しズレてエウシーニョを合わない。
87’10 中村→西澤の交代ボードを出す。中村は1度外へ出るが、2枚交代にする為、交代を行わずに中村は再びピッチに戻りプレー再開。
この交代のゴタゴタでエスパルスは集中力が切れてしまう。
89’ 藤春のオーバーラップに中村がついていけず、深い位置からのクロス。途中出場の渡邉が受け、寄せた後藤がシュートブロックの為滑るがそれを上手くズラしシュート。
ガンバ追加点。1-2
90’ 中村→西澤、奥井→金井2枚交代。
エスパルスは4-1-3-2に変更し、前線の人数を増やし、ゴールを狙うがこのまま終了。

5.最後に

この試合、ガンバの方がシステムを前節から変更してきたが、エスパルスは1節~3節までの対戦相手は4バックであり、中断期間に行われた藤枝とのTMを見ていても5バックを崩すのに苦労していた印象であったので、本来のシステムの方がエスパルスにとって嫌だった可能性はある。
では何故ガンバがシステムを変更してきたのだろうか?

*これは個人的な見解の為、実際に宮本監督が考えた意図とは異なる可能性があります。

鈴木唯人、カルリーニョスの2人、ガンバ側では遠藤のベンチスタートという点からではないかと考える。
1.鈴木唯人の存在
ガンバは開幕戦でマリノスと対戦し、1アンカーでスタートしたが、前半途中でマルコスにその周辺を使われる事への対策でダブルボランチに変更していた。
リーグ再開後にデビューした鈴木の新人離れしたポテンシャルの高さを見た時に、この開幕戦と同じ事を考えたのではないだろうか。
2.カルリーニョスの存在
カルリーニョスのプレーを見た時に、ガンバの攻撃時に高い位置をとるWB裏のスペース(右CB脇)、5-3-2の中盤3枚の脇を使われる事への対策で4-4-2にし、SBとSHの2人でも対応出来る様にと考えたのではないだろうか。
3.遠藤のベンチスタート
経験豊富で、状況把握、対応力のある遠藤をベンチスタートにする為に、開幕戦の経験から1アンカー周辺を使われ流れを渡したくないと考えたのではないだろうか。
以上の3つの点からシステム変更を行ったのではないだろうかというのが私の見解です。
様々な事を考えた上でのシステム変更だっただろうが、機能したようには見えず、そもそもの守備の仕方が原因となり、エスパルスに決定機を多く作られていたように感じた。

ガンバの人への意識が高いプレスでエスパルスの良いポジション取りやスペースを作る動きに繋がった様にも見えるが、それも含めてこの試合では、ここまでの試合でなかなか見られなかったサイドチェンジで相手の守備陣を揺さぶる攻撃などエスパルスのやりたいサッカーが見えた試合だったのではないだろうか。
1失点目は、ガンバの左サイドの攻撃への対応で岡崎を右SBに起用したと思われるが、この試合で唯一エスパルスが崩された場面で、反転の判断で岡崎が藤春に負けてしまったが、広がったCBに対してCHの戻りが遅かった様にも感じるが勿体ないものだった。2失点目は明らかに、選手交代を行う、行わないの所で集中が切れ、更に交代予定だった中村の所を使われていてこれも勿体ないものだった。この様な失点の仕方、良い時間帯や形などはあるがゴールに繋がらない、選手交代時のゴタゴタ等まだまだ改善すべき点はある。しかし、負けてしまったが、ここまでのベストゲームであったと私は思う。
再開後の連戦の中でも修正を感じる。次の試合までは1週間ほど空くので、継続して出ている課題、この試合で新たに見つかった課題もしっかり修正し、エスパルスのサポーターは入場出来ず完全なアウェーではあるが、次節こそ新体制での初勝利を手にしてくれる事を期待したい!

最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでみて少しでも面白いと感じてもらえたら、SNS等で拡散してもらえると嬉しいです。

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