いいこと貯金のすゝめ

昔々あるところに、サッカークラブでサッカーを始めた12歳の少年がいました。その少年はのびのびと練習し、どんどんサッカーが上達していきました。しかし、ある時、スポーツに対してある疑問を持ちました。

スポーツってものすごく運が重要ではないかと。

友達が野球でヒットを打った時に、打てると思わなかったけど振ったら当たった。と言っていたのを聞いたことがあったし、サッカーでは適当に蹴ったボールがアシストになったこともあった。ボールが相手の足と自分の足に同時に当たった時に、どっちにボールが転ぶかは運だと思っていた。前に転べば得点できるし、後ろに転べば失点してしまうことが何度もあったからだ。絶対ではないにしても、生きていく上で、運は大事な要素なんだろうなあ。と12歳の少年は悟った。ある日、少年はコーチに聞いたことがあった。

「どうしたら運がよくなりますか?」

そこでコーチから言われたことを、少年は大人になっても信じ続けることになる。

その言葉とは、「いいこと貯金の大きい方に運は傾くよ」という教えのような言葉だった。

「例えばさあ、実力や努力値が全く同じ人間が2人いた時に、神様はどっちに勝利を与えると思う?」少年はコーチに質問された。

少年は少し考えた後、「分からない」と答えた。

するとコーチは、「いいこと貯金が大きい方に神様は勝利を授けるんだよ」と教えてくれた。

12歳の少年は妙に納得した。そしてその後にこう続けた。「じゃあ、どうしたらいいこと貯金は溜められるの?」

コーチは答えた。「それは、他人の誤った行為を自分が正すことだよ」と。

例えばこうだ。人が道端に捨てた空き缶をゴミ箱に捨てることや、おじいさんに席を譲る事などがいいこと貯金に該当する。自身の道徳心に従うこと。そして他者の道徳心から外れた行動を正すことでいいこと貯金は貯められるのだ。

それから少年はいいこと貯金を何年も溜め続けた。

しかし、少年は大人になってふとあることに気がついた。そもそも運って良くできるものなのか?と。

大人になった少年はある時、運について調べた。するとある重大なことがわかった。

そもそも人間は自分では理解出来ない次元で物事が決まってしまった時に、「運がいい」「悪い」と感じる。残念ながら、自分ではどうしようもないのだから「運を良くする」というのは、定義上あり得ない。

そう、運は良くできないものらしいのだ。もし「○○をやると運が良くなる」という謳い文句があったらそれは詐欺だ。もしくは、「物事をより良く進める方法」に過ぎないのだ。

『運のいい人の法則』という本があるのだが、その著者のワイズマン教授の実験にこんなものがあるそうだ。

「自分は運がいい」と思っているグループと、「自分は運が悪い」と思っているグループにわけて、両方に同じ新聞を渡して、「新聞の中に写真が全部で何枚あるか」を調べてくれと依頼をしました。

その渡された新聞の中ほどには『この文字を見つけたことを伝えると50ドルがもらえます』と大きな文字で書いてあったそうですが、運の良いグループはこの文字を見つける確率が高く、運の悪いグループは見つける確率が低かったそうです。心配性でストレスを感じやすい人ほど、自分の目の前で行っている作業のみに夢中になる傾向がある。逆に言えば、幸運な人ほどのんきでチャンスに敏感になり、運の悪い人は神経質で心が閉ざされている。
出典:『運のいい人の法則』

運についてまとめると、そもそも運を良くするというのはありえない。ただ、物事をよりよく進めたいのであればのんきであれ!ということになるのだ。しかし、コーチからの教えを信じ込んでいる少年は、運の本質を知っても、いいこと貯金を無駄と思えずにいる。

いつの間にか少年は25歳になった。いくら道徳心に従っても、運は良くならないことは理解している。しかし、いいこと貯金を未だに続けている。

果たして25歳になった少年が貯め続けたいいこと貯金はどうなるのだろうか?

恐らく、いいこと貯金は何かの役に立つことは無いだろう。でも少年は大人になって気付いたことがあった。

いいこと貯金を始めてから、生きていく中でうまくいかないことを運のせいにすること自体が無くなっていたことに。

きっと運を良くするという当初抱いていた課題の解決は、いいこと貯金によって大きく失敗に終わったんだと思う。そもそも、運なんかよく出来ない。練習しろ!と本質を言われていたほうが回答としては正解だったのかもしれない。

でも、いいこと貯金を知って、続けていたことで、少年は運を良くすることに自分なりの解釈を創り出した。たとえそれが本質的に間違いでも、勝負事を運のせいにしてしまう、という大きな悩みを消すことができたのだ。

サービスを広めたい。商品を売りたい。成長したい。お金がほしい。生きたい。夢を叶えたい。

いつだって人間は大きな夢を抱く。だから、時々ものすごく苦しくなる。しんどくなる。

大きな夢や目標に挑むと、どこかでガソリンが切れる。なにも進んでないんじゃないか?周りに比べて遅れてないか?と不安になる。

その中で、解決できないような問題に向き合ったとき、自分なりの解決策を実行してみるといいかもしれない。たとえ、解決策として間違っていても良い。前進を続けることで自分なりの解釈が創り出されるから。一歩でも前進しよう。自分なりの一歩を積み重ねよう。その一歩は無駄でも良いのだ。だってあなたなりの解釈が出来上がれば悩みに悩まなくなるのだから。


コーチへ

お元気ですか?
ぼくは小学生から25歳の社会人になりました。
サッカーは高校卒業と同時に辞めてしまいましたが、
いいこと貯金は未だに続けています。

コーチ、運は良くできないみたいですよ!
だから、いいこと貯金は無意味みたいです。
でも、そこから自分なりの解釈を創る事で、
悩みを解消できることを学ぶことができました。
いいこと貯金を教えてくれてありがとうございます。
僕はこれからもいいこと貯金を続けていきます。

またどこかで。

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コメント1件

はじめまして。いいコーチですね。確かに多少ずれていても、歩き続けてる方が「人生の流れ」にも乗れそうな気がします。それはさておきいいこと貯金、私もはじめてみようかな、、、
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