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テニプリのローマ字表記にビックリ

「テニスの王子様」というマンガがあります。私は全国大会のあたりとかを断片的に知ってるぐらいですが、先日そのグッズを見て驚きました。この写真は不二周助(ふじ・しゅうすけ)という登場人物のグッズです。

ここには2つのローマ字表記が混在してます。日本語で使われるローマ字表記には訓令式(緑)とヘボン式(オレンジ)という2つがあります。いくつか例を挙げます。

訓令式はサ行はs、ザ行はz,タ行はt、ハ行はh,拗音はyと子音部分が一貫している点が特徴で、音韻的とも言われます。ヘボン式は同じサ行でもサとシで子音部分を分けているように英語の表記との近さが特徴で、音声的とも言われます。

上のグッズではフジはFUJIとヘボン式になってますが、シュはSYUと訓令式になっています。はじめ見たときはパチモンなのかと思ったら公式(公認)グッズのようでした。

もしかしたらマンガ内で不二がこういうキャラクターなのかもと思い、他の登場人物をいくつか調べてみました。

まず種ヶ島修二(たねがしま・しゅうじ)です。

これもシュは訓令式(SYU)なのに対してシとジはヘボン式(SHI、JI)になってます。

次に大石秀一郎(おおいし・しゅういちろう)です。

これは揺れがあり、上は一貫してヘボン式、下はシュは訓令式、チとシはヘボン式でした。

というわけで、これはきっとテニプリ全体で基本的にシャ、シュ、ショはSYA、SYU、SYOで書こうという方針なんだと思いました。ところが、テニプリぐらいの人気だと英語版コミックスもあるのでは?と思い調べてみるとヘボン式でした。

もっともそこまでチェックしてない可能性もありますし、英語圏の読者に合わせたのかもしれません。

しかし、2015年の人気投票結果というのを見つけまして、それを見ると(ちなみに1位)、やはりヘボン式でした。

マンガ・アニメの類は権利関係がしっかりしているので、表記も一貫しているのかと思いましたが、こうして見てみるとけっこういい加減なのかもしれません。早く見つけていたら拙著『ようこそ! ことばの実験室(コトラボ)へ!』に入れられたのに!とちょっとだけ思いました。


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