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「気絶」と「睡眠」は同じでは?と思って考えて答え合わせ

なんとなく,普段いろんな言葉について考えているんですが,その実際をちょっと説明してみようかなと。

取りあげるのは「気絶」と「睡眠」について。浴槽で意識を失い死亡する人の数は年間5000人ほどだそうです(1万9千人は溺死のほかに疾患によるものも含む)。

この「浴槽で意識をなくす」のは「風呂で寝てしまう」と言われますが,実は「気絶」だという話があります。

ところで「気絶」と「睡眠」てどう違うんでしょう?どちらも「意識を失う」という点は共通しています。「気絶」はコントロールできないもので,「睡眠」は(一応)コントロールできるものという違いは思いつきそうです。しかし,運転中のうたた寝のようにコントロールできない睡眠もあります。

上の風呂場の話では風呂場で意識を失うのはヒートショックの一種だとあるので,「気絶」は体への心理的・肉体的ダメージが前提としてありそうです。それなら昔あった「ビートルズのコンサートで熱狂的なファンが気絶した」みたいな話ともつじつまが合います。

さて実際のところはどうでしょう。まずは「気絶」から。

デジタル大辞泉[名](スル)一時的に意識を失うこと。失神。「ショックのあまり—する」

日本国語大辞典〘名〙一時的に気を失うこと。また、その状態。精神的ショックや過度の疲労高所からの転落による打撲とショックなど、主に外的原因による。失神
歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)三幕「丈左衛門、心附き『ヤ、思はぬ気絶(キゼツ)に、この縄目』」 〔晉書‐荀菘伝〕

というわけでこれは当たってそうです。

デジタル大辞泉 ねむること。ねむり。周期的に繰り返す、意識喪失する生理的な状態。「—をとる」「—が足りる」「—不足

日本国語大辞典 眠ること。眠り。内的原因によって周期的に起こり、一種の無意識状態で外界への働きかけがほとんどなくなった状態。すいめん。

おー,当たってた。どちらも「意識を失う」のは共通していて,「気絶」のほうには外的要因があると。大辞泉の方は十分に書いていませんが,「失神」へのリンクがあることからもそこは分かっていると推察されます。

でも「風呂場で意識を失うのはみんな気絶」とまで言えるのかちょっとよく分かりません(気をつけるべきというのに異論はない)。それなら暑い夏には気温の変化がほとんどないだろうから,減るどころか起こらないような気もします。

ところで扉絵はDALLEに「シンプルなイラスト 風呂場で寝てしまう人」と発注したのですが,命令が悪いですね,はい。

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