2018年まとめ(ベスト機材編)

こっちのほうが需要多そう?なベスト機材編です。
(はてながなんとなく使いづらいのでnoteに移行してみました)

機材話だと早口になるオタクなのでこの記事だけ口語調で失礼します。

※当記事内で紹介する機材は、2018年に私Yebisu303が購入した機材からチョイスしたものです。同年に発売されたすべての電子楽器を網羅している訳ではありません。

シンセサイザー編

No.1 Elektron Digitone

今年はこれ買っとけば間違いないです。

いや、発表された時めちゃくちゃ感激したんですよ。

なんでかって言うと「自由自在に音を弄れるFM音源ベースのグルーヴボックス(以下グルボ)の決定版がやっと出た」からなんです。

既存機種は一長一短
今までもYAMAHAのDX200やKORGのvolca fmといったグルボ寄りのFMシンセがリリースされましたが、DX200は「単体で和音が打ち込めない」「音色のエディットが大昔のPC(具体的に言うとXGworks V3.0/V4.0 plug-inが動作する、最新でもWin2Kを搭載したもの)でなければ出来ない」、volca fmは「簡易的な音色のエディットは直感的に行えるものの、フルエディットは階層を潜らなければ行えない(DX7との完全互換音源なのでこの辺りはある程度しょうがない部分だけど…)」といった仕様になっていて、どちらも細かな音色のエディットを行う為にはかなりの慣れとスキルを要するものだったんです。

でも2018年2月に発売されたDigitoneは、これらの課題を軽々と飛び越えるポテンシャルと優れたUIを持っていました。

とにかくストレスフリー
本体だけで全ての音作りが完結し、各機能へのアクセスが素早い。これが本当に画期的なんです。
まず全てのパラメータにアクセスする為に必要な操作がほとんど2STEPで済んでしまうという点がデカい!

大きく6つに分けられたカテゴリ(トリガ / シンセ1 / シンセ2 / フィルター / アンプ / LFO)の選択ボタンのいずれかを押し、その中の8つのパラメータに対応するエンコーダを回すだけ。マジでこれだけです。

今までのFMシンセはページ選択の為のボタンが膨大にあり、データを調整する操作子はスライダーかテンキーだけ…というパターンがほとんどでしたが、これが前述したElektronおなじみの操作系に置き換わるだけで音作りに要する作業スピードが格段に速くなる訳です。

厳選されたパラメータ
FMシンセとしての音源のパラメータが16に厳選されている為、音作りを行う上で何を触ればいいか迷ってしまう…という局面はほとんどなし。

また有機LEDのディスプレイに表示されたアイコンがそれぞれのパラメータに応じた振る舞いを見せてくれる為、説明書を読むまでもなく大まかな機能が把握できるのも嬉しい!

FMの音作りが苦手でも全然OK
FMシンセ部分の音作りだけでは細かなニュアンスを作れないかも…と心配している人でも心配無用。一般的な減産方式のシンセサイザーに慣れ親しんだ人ならすぐに扱えるアンプ / マルチモードフィルターとそれぞれに対応するADSRエンベロープが搭載されているので、もう少し音の角を落としたい…というような希望をすぐに叶えられます。
(勿論、それらを全てOFFにして純粋にFM音源部だけの音作りを楽しむことも出来ます)

トラック数の少なさは工夫でカバー
トラック数は4と物足りなく思える人もいるかも知れませんが、Elektron伝統のパラメータロックによりステップ単位でプリセットを切り替えることが出来るので、例え1台で曲を作ろうと試みている時でも音色のバリエーションに物足りなさを感じることはないはず。

外部機材との連携にも死角なし
Digitoneはモノラル外部入力端子を2つ備えていて、それぞれにボリューム / パンの調整、コーラス / ディレイ / リバーブエフェクトへのセンド量、オーバードライブエフェクトのかかり具合を設定できるので、簡易ミキサーとしても使用出来ちゃいます。勿論エフェクターとしてのみ使うのもOK。
MIDI IN OUT/THRUはDIN DYNC端子としても使えるため、TB-303のようなヴィンテージ機材との同期も問題なくこなせちゃいます。

MIDIシーケンサーまで使える
外部のMIDI音源をコントロールする為のMIDIシーケンサーを4トラック搭載しているので、外部のドラム音源をトリガーしつつDigitoneの外部入力に突っ込んでエフェクトをかける…みたいな合わせ技もお手の物です。

プリセットの数がすごい
なんと工場出荷状態で512ものプリセットが内蔵されてます。多すぎ。
「そんなに沢山入ってたら選ぶの大変じゃん…」という方にも安心、プリセットには適切なタグ(BASS, LEAD, KICK等)が設定されているので、今すぐ使いたいタグで検索して1個ずつ音色を聞きながら気に入ったやつだけインポート…みたいな使い方ができちゃいます。この辺はソフトシンセに慣れ親しんだ人なら違和感なく使いこなせるかと。

Analog FourやRytmで使えたパフォーマンスモードが無くね?
→代替の機能あります。ピッチベンドやモジュレーションホイール、ブレスコントロール等に対してそれぞれ最大4つのパラメータを割り当てて同時に可変させられるので、Abletonのマクロ的な使用感で派手な効果を付けるのも朝飯前(要MIDIキーボードorコントローラ)。

Elektronマシン最初の一台としては覚える事がやや多い(Digitaktの方が簡単)だけど、乗り越えられれば天国。
そんなマシンです。

Amazonリンク

No.2 Teenage Engineering OP-Z

発表から3年(!)の時を経て発表されたマルチメディア・シーケンサー/シンセサイザー。とにかく多才かつ痒い所に手が届く作り込みに恐れ入ります。

1位にしなかったのは純粋な電子楽器としての割り切りが尖り過ぎている(視覚情報の殆どをiOSに任せている)からです。この辺りの細かなニュアンスはまた別の機会に語りたいですね。

魅力の程はこちらの記事でまとめてますのでぜひ。

No.3 MODAL Skulpt

デジタルなのにLPFの質感が異常にアナログっぽいんですよこのシンセ。
1ボイス辺り8オシレータ使っているだけあって出音も異常にパワフル。それでいて本体だけでの音作りもかなりやりやすい。モンスターマシンばかり作っていたメーカーがガジェット寄りのシンセを作るとこうなるのかと唸らされっぱなしでした。

PC, Mac, Andrid, iOS用のエディタソフトウェアが既に用意されていたりと、二次的なサポートにも隙がありません。

シーケンサーがリアルタイム入力方式しか用意されてないのがなんとも惜しいですが、それ以外は完璧。MIDIトラックを備えたElektronマシンと組み合わせれば存分に威力を発揮してくれる事でしょう。

半年ほど前にKickstarterにて3万円前後で販売されていた同機、遂に国内でも販売開始したようですね(実売4万弱)。

僕のYouTubeチャンネルに解説動画を上げてますので、こちらも是非観てみて下さい。

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