■ACL出場チーム紹介 山東魯能

山東魯能 Shandong Luneng(リーグ戦3位、カップ戦準優勝)

・概要

母体は1956年に成立、1993年に現クラブが成立し94年のプロリーグ成立からチーム名もエンブレムもほぼ変わらず存続する稀有なチーム。98年からインフラ、不動産業などを営む魯能グループが参与してから優勝争いの常連となり99年のリーグ・カップ2冠達成などリーグ4回、カップ7回優勝。中国屈指の名門。下部組織が充実しており多くの代表選手を輩出、ブラジルにも育成施設を保有している。

・ACL戦績 

2016年以来3年ぶり8回目(現行制度)2度ベスト8が最高だがそれ以外6回はGL敗退しており、中国を代表する名門の割には国際舞台で振るわない。特に韓国勢には2勝4分11敗とカモにされている。日本勢には7勝7分1分と互角。

監督
李霄鵬(Li Xiaopeng)

1975年生まれ。日韓W杯出場メンバー、地元山東省出身で現役時代キャリアを魯能一筋のクラブレジェンド。引退後女子代表、青島中能監督等経て2017年限りで退任したフェリックス・マガトの後任に就任。大丈夫か??と思ったが、1年目でリーグ3位&カップ戦準優勝でリーグ最優秀監督に。外国人選手依存は仕方ないが下部組織出身の若手を積極登用しつつ、1年目で前任の鬼軍曹ができなかったACL出場を決めた。未来の代表監督に期待する声も

移籍市場

得点源だった元ブラジル代表ジエゴ・タルデリ(Diego Tardelli)が去った。マンチェスターUからベルギー代表フェライ二獲得は大きなニュースだが、年代別ポルトガル代表歴あるデルガド(Pedro Delgado)も加入。中国人選手の動きは少ないが有望株MF姚均晟の天津天海レンタル移籍は残念。

外国人選手

DFジウ(Gil)

2016年から在籍する193cmのCB。昨季はリーグ戦全試合フル出場で高さを生かし公式戦6得点記録。W杯出場はならなかったが2016コパアメリカ等ブラジル代表11キャップを誇る中超でも最高級のCB。フェライ二やペッレに注目が集まるだろうが彼こそ最も必要不可欠な存在である。

FWペッレ(Graziano Pellè)

元イタリア代表の長身CF。EURO2016で活躍後に鳴り物入り、得点数伸び悩んだが2018年は16得点と本領発揮。能力は勿論態度も良く素晴らしい選手だが、中国SNS上ではガールフレンドの方が話題になってる気も。

MFマリアン・フェライ二(Marouane Fellaini)

マンチェスターUから移籍金700万£,年俸1000万£で加入。説明不要のベルギー代表。MFというよりペッレと並ぶツインタワーでの起用が期待されるが、グエデスの本領発揮で立場怪しい。アフロで無くなったらしいとは聞いていたが小さく纏まっちゃった感がある。

*2/27追記、ACL登録メンバーはジウ、ペッレ、フェライ二の3名

FWロジャー・グエデス(Róger Guedes)

1996年生まれのブラジル人FW、2018年夏にアトレティコ・ミネイロから加入時はブラジル全国選手権得点ランク1位だった。昨季は両エースの壁に阻まれ出番少なかったが、同胞の先輩ジエゴ・タルデッリ退団した今オフは香港開催の賀歳杯で2得点、鳥栖戦では全得点に絡むなど本領発揮の予感。2/19開催のACLプレーオフでは加入間もないフェライ二を抑えメンバー入り。本戦入りした場合どちらがACLメンバー入りするか注目。

MFペドロ・デルガド(Pedro Delgado)

1997年生まれ、スポルティングBに在籍しポルトガルU16-U21代表歴ある攻撃的MFだがほぼ情報がなく、2月9日に自身のInstagramで山東魯能加入を発表した時も多くの関係者が戸惑ったが、賀歳杯鳥栖戦(3-1)で1得点。

その後微博(SNS)上の情報によれば、彼の祖父戴高楽(Tai Kao Loo)は広東省台山が本籍でポルトガル領だったマカオ出身。1909年前後に香港・南華(South China)の下部組織で選手だった経験もあり、その後モザンビークに移住しカーボベルデ人女性と結婚。よってデルガド自身は中国系3世ということになる。デルガドの両親は早くに海難事故で亡くなっており、2018年デルガドがチームメイトとマカオで親善試合を行った際にマカオの祖父宅を訪問。その際にたまたまマカオにいた山東魯能のスタッフと合うことがあり、そこから今回の移籍に繋がったとのこと。

どこまで真実か分からないが、前述の通りフェライ二ですらギリギリな外国人枠で彼を獲得する可能性は低い。中国系のルーツをもち、将来的な中国国籍取得を見据えた獲得であろう。ただ中国国籍取得も容易ではなく、取得した北京国安の侯永永がACL参加資格で揉めている段階で、今期ACLでデルガドが中国人として出場するのは非現実的かと

↓なお中国系、華僑選手については以下記事を参照。


・その他注目選手

アジアカップ代表メンバー入りした主将蒿俊閔、GK王大雷、MF金敬道、DF劉洋については以下記事をどうぞ


DF戴琳(Dai Lin)

個人的に注目して欲しい選手。1987年生まれ、代表歴1試合ある191cmのCB。2014年山東魯能加入後不動のCB務める守備の要で、身体的な優位を生かした力強い守備は魅力だが、粗いイメージある中国人選手でも有名なほど気性が荒い。プレイで目立ってほしいが悪い面で目立ってしまう恐れも

・予想フォーメーション

--------------Pelle---------------

-------------金敬道--------------

劉洋---Fellaini---蒿俊閔---呉興涵--

  ( 周海濱、崔鹏、劉軍帥) (劉彬彬)

張弛-----Gil--------戴琳----王彤---      
      
---------------王大雷-----------------

マルチロールなフェライ二と金敬道をどう使うのか

ペッレ(194cm)フェライ二(194cm)ジウ(193cm)戴琳(191cm)と長身選手が揃う彼らの空中戦は驚異になるだろう。実際賀歳杯のサガン鳥栖戦では空襲から早々2点を取って試合を決定づけている。

また下部組織は多くの人材を輩出してきており、主力級の中国人選手は戴琳、蒿俊閔、金敬道以外ほぼ下部組織出身者。ただ国際舞台で弱い(特に韓国勢にカモにされている)イメージをそろそろ払拭したいところ

プレーオフを勝ち上がれば慶南FC(韓国)ジョホールDT(マレーシア)そして前回王者の鹿島アントラーズVSニューカッスル・ジェッツ(豪州)の勝者と同組の予定。


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