BUCKET LIST なんてない

死ぬまでにしたい10のこと、という映画に影響されてノートに書いたことがある。noteではなく、ノート。書いたのは5年程も前だと思う。
そのノートはもう捨ててしまって、残されていない。なぜなら、それは私のしたいことというよりは、”彼”と一緒にしたいことだったから。

書いてたことは一部しか思い出せないが、その頃ビールが好きだったからドイツに行きたいと思ってた。芋系も大好きだったから、わたしの前世はドイツ人だ!って言ってた。1人で海外に行く勇気がなかっただけだし、彼と旅行に行きたかっただけなんだろうな、わたしは。

思えば、昔から自分に望みなぞなかった。
よくある小学生時代のなりたい職業発表会は隣の人を真似ただけだし、大人になってからは世間からよく見えるよう、税金は払えるようにと生きていた。

誰かが言った「自己評価は高いが、自己肯定感は低い」は本当だろうな。常に完璧主義。よくわからない周りの目に、いいように見えるように生きてきた。
その通り、わたしは社会人になってからも世間にいいように見えるために、仕事で成果を出そうと頑張った。

けど、30歳を越えれば、仕事で成果を出しても、なぜ結婚しないのかと問われる。
今までこき使ってたのに、今になって女の幸せは結婚だと暗に言うその口ぶりにイライラした。
全てを捨てて努力しなければこの業界で認められないと思ってた。認められることが人生と思ってた。
有給だって今ほど簡単にとれなかったよ。祖父が死んで休みを言い出しても、一泊二日しか地元にいられなかったよ。
わたしが小学校低学年から一緒にいた猫の死目にも会えなかった。
飲み会なんて平日には予定を組めなかった。なんなら休日だって予定を立てても仕事が入ってきて崩れることもあったよ。

しばらくしたら眠れなくなった。ご飯を食べても美味しいと思えなくなった。
この業界に入って唯一得たのは、酒を飲めるようになったことくらいだ。

何にも興味が持てないまま、人生が終わる気がする。

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