赤い糸


2020/08/27の下書き。案はいいと思う。

魂には小さな丸い穴が開いていて、いつの日かそこには赤い糸が通るらしい。本人も知らぬ間に、いつの間にか、こっそりと。
小指ではないという。この穴に通る赤い糸は、小指という概念がないものとも繋がるのだ。例えばネコ、とか。もしかしたら、大切にしているぬいぐるみかもしれないけれど、それはわからない。
わたしたちは魂を見ることができないので、何と赤い糸が繋がったかは、一生知ることができない。けれど、確実に繋がるのだ。

お化けに追いかけられる夢から覚めてバクバクした心臓を抱えながら、唐突に、昔祖母がそう言っていたのを思い出した。枕元の時計はAM3:00を示している。今日も仕事なのに、中途半端な時間に目が覚めてしまった上に、赤い糸の話を思い出したことで、脳が昔の記憶を取り出そうと頑張りだしてしまった。二度寝できることを願いながら、目を瞑る。

わたしは今、誰も知り合いがいない街で生きている。正確には、ここで生き始めてから仲良くなった居酒屋の店長はいるし、職場の人と関わりはあるけれど、過去のわたしを知っている人は誰もいない。

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