どん底の悲しみを味わって
6月8日のことでした。
昔の同僚と飲んだあと、私は今までの人生で味わったことのない悲しみに襲われました。
3月1日に味わった虚無とはまた別の。お腹の底が抜けるような虚無、自分の存在が丸ごと宇宙のブラックホールに吸い込まれていくような虚無があったのだけれど、質量ゼロの虚無に比べると、悲しみは質量があって、重たくて暗い真っ黒な湖が心の底に静かに横たわっているような感覚でした。
もう、ないんだ。何が? 私が無意識にいつか味わうはずだと信じていた何かがこの人生に訪れることがない。それ