日本の男性は性欲を肯定されすぎてバカになっている。

経験値が言語化の臨界点を超えたので、書きます。

女性と二人で夜、食事に行く。その時点で「今日はやる」と決めている男性、多くいらっしゃいますね。

相手の女性は、たしかに、その男性に何がしかの好意を持っている。だから二人で夜、食事に行くわけです。

で、結論から申し上げますと、何がしかの好意を持っているからといって、男性側が一方的に「やる」と決めるのは、あまりに浅はかで早計です。

能力に対する尊敬、ないしは持っている情報に対する興味など、何がしかの好意を抱かれているわけですから、食事に行く時点では魅力のある男性なのです。

が、その魅力、およびそこから広がるかもしれない人間関係をすべて台無しにするほどの破壊力を、男性自身の性欲と、それを包み隠そうともしない態度が持っている、ということを、よくよく自覚していただきたいと思います。

その自覚がない瞬間というのは、有能な男性が、クズ以下の無能になる瞬間です。

日本という国は、コンビニの、誰もが通るお手洗いの前にエロ本が並んでいる国です。


小さいときからそれを当たり前に育ってきた日本の男性は、煎じ詰めれば、性欲を肯定されすぎています。

「男とはそういう生き物だから。」という言い訳がまかり通っており、それを女性が迷惑だとか不快に思っていることは無視されています。

「人間は食欲がある生き物だから、目の前にある食べ物なら手を伸ばして食べてもいい」というのがおかしいのは、わかりますよね。そうではないシチュエーションはいくらでもあります。食べていいときとだめなときを区別して行動を選ぶのが、大人の分別です。

男女関係において、30歳を過ぎても、40歳を過ぎても、50歳を過ぎても、驚くべきことに相当な社会的地位があっても、この分別を備えていない男性が多過ぎるように思うのですが、いかがでしょうか。

そんなにやりたいなら、専門のサービスを利用してほしい、と思うことがあります。でも、お金を払えばやれるのでは、つまらないのですね。無駄に狩猟本能を発揮し、狩りに挑んで勝ちたい。やれた、という事実で、自分の能力やランクを確認したい。

女性の迷惑や不快を無視して目の前の女性に無分別に手を伸ばそうとする態度には、そういう願望も織り混ざっています。

自己承認のための道具にされる女性のほうは、たまったものではありません。

男性自身が、本当は性欲を抑えるべきなことぐらいはわかっている場合もあります。その場面で男性の頭の中には、「恥じらっているだけかもしれない」とか「この女性は男性と交わる喜びを知らないのかもしれない。だから俺が教えてあげよう」とか「誰でもいいわけじゃない。この女性が好きだからやりたいんだ」とか「ここで強引にいってこそ男だ」とか「この女がスカートをはいているのが悪い、シャツのボタンを開けているのが悪い」などの言い訳になっていない言い訳が登場します。

そうして、「もう帰りたい」「したくない」「やめて」といった、女性の明確な拒否の意思表示を無視するのです。

その瞬間、耳が聞こえなくなっているのでしょうか。

聞こえるので、そこでやめる人もいます。(よかった。全員がクズではない。)
でも、そこでやめたとしても、私個人は、あまりに早計にやると決めていたということ自体を不快に感じるので、人間関係や持っていた好意は、一度台無しになります。

このあたり、好色な女性や、好色でなくてもそこまで不快に思わない女性がいるのも確かですが、そんなことはちゃんと仲良くなってみないとわからないのですから、最初は「不快に感じるかもしれない」ことを前提に対応するべきです。

「ほんと男ってバカだよね。」という定型句があります。上記は、要するに、この中身を、懇切丁寧に説明したものです。

より精密に言い換えれば、「日本の男性は性欲を肯定されすぎてバカになっている。」のです。

こうした自身の性欲を肯定し過ぎるあまりに女性の意思表示を無視する態度が極限化すると、元TBSニューヨーク支局長(以下クズ)のような犯罪行為の発生に至ります。

あのケースで、詩織さんがまだ意識があったときに、クズ側からの明確な性欲表示と、しおりさんの拒否の意思表示があったのかは知りません。
ですが、もしあったとしたら、その意思表示を無視して、なかったとしたら、そのコミュニケーションすらすっとばして、毒を盛るという卑劣な行為に出たのです。

「賢い女だから面倒くさい。黙らせよう」とでも、思ったのでしょうか。

今これを書きながら、心の中にいくつか並んでいる、男性が性欲を肯定し過ぎていたせいで崩壊した人間関係の墓標を眺めています。

と同時に、男性側の制御がきいていたおかげで崩壊を免れた人間関係や、そもそも私に対しての性欲が示されない平和な関係も次々に思い出されます。

どちらがいいかは自明であり、結果は崩壊と無事の両極端ですが、わたしの行動は「人間的に興味があったら一緒に時間を過ごす。性欲を示されて嫌だったら嫌と言う。しつこかったら終了。」で一貫しています。つまり、崩壊したケースの原因はすべて、男性側にあります。

男性のみなさん、「自身の性欲の行き過ぎた肯定」と「それを包み隠そうともしない態度」には、どうぞお気をつけくださいね。

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