マガジンのカバー画像

とろとろと、吐露。

13
エッセイや短編小説。書き出したい事を吐き出したマガジン。
運営しているクリエイター

記事一覧

港町・夜の情景

人通りのまばらになった夜のハーバーランドが好きだ。 ネオンは華やかなのにとても寂しい。 蒸…

10

星と願い

昨日の夜、彼氏と2人でドラクエウォークをしに町内へ出かけていた。 星のよく見える夜だった。…

7

考える葦、を考える人。

私が勤めているスナックの常連さんと話していた時、彼は私に「人間とは考える何であるか、知っ…

6

【短編小説】それがきっと初恋でした。

ファインダーの向こうに1人の少女がいた。 セーラー服を身に纏った小柄で可憐な友人。 吹き抜…

5

【短編小説】儚い春と、僕の彼女

夢乃は白いワンピースのよく似合う女性だった。 春風になびく柔らかいリネンのスカート。 大…

6

快楽主義の表現者

まず始めに断言するが、この文章は下ネタではない。 こんな風に考える事がある。 《私が何…

6

【短編小説】打倒、魔王。

どんよりと曇った放課後の空。 今にも雨が降りだしそうな空気、じめっとした嫌な水曜日だった。 傘を持つのが好きではない私は、折り畳み傘もなければ置き傘だって無い。 いつもなら雨が降ったところでどうという事はない。 しかし今日だけは“濡らしたくないもの”を持っている。 こんな日に限って…。 天を睨んだところで、黒く重い雨雲が頭上から動いてくれる気配などなかった。 その日の昼休み、私は数学の教師に呼び出されていた。 午前中の小テストで酷い点をとってしまったせいで、明日の放課

【短編小説】ふたりの空白

幼い頃から家の近所にあった喫茶店のマスターが最近亡くなった。 昔ながらの純喫茶。 “くろ…

6

棄てられた星

どうしようもなく気分が滅入っていた時のこと。 たまたま立ち寄った海岸で、考えさせられる出…

4

【短編小説】海の怪物

青白い満月がこの上なく美しい。 月光が一筋の光となり、静かな室内に差し込む。 清楚なレー…

5

【短編小説】どこの誰かも知らない女

3週間前、好きな人ができた。 明るくてかっこいい女性。 かと思うと、触ったら壊れてしまうの…

6

【短編小説】カラス

右手の細い棒切れに自分を重ねた。 書けば芯がすり減って、カッターで外側を削ってまた軸を出…

7

【短編小説】とある日常

シンプルで可愛らしいクリーム色のマグカップがふたつ、キッチンの粗末な食器棚に並んでいる。…

7