ZOZOTOWNの『おまかせ定期便』の仕組みをゲームのガチャに応用してみた

ふんどしパレード(※)代表取締役の山田裕希です。ゲームを作っています。
(※会社名です)

目次
・ZOZOTOWNの『おまかせ定期便』に感動した話
・『おまかせ定期便』のすごさを抽象化してみた
・ゲームのガチャに応用してみた
・『後払いガチャ』の導入結果公開
・おわりに

ZOZOTOWNの『おまかせ定期便』に感動した話

ZOZOTOWNの『おまかせ定期便』をご存知でしょうか?

ZOZOTOWNから毎月無料で服が送られてきて、気に入らなければ全品返品OK、気に入ったものはそのまま購入できるという斬新なサービスです(詳しくは公式サイトをご覧ください)。

僕はもともと服を選ぶことに苦手意識があって、ほとんど買わないし、できることなら誰かに選んで欲しい……。
そんな風に思っていた矢先にこの『おまかせ定期便』を知って、試しに申し込んでみました。

結果、どうなったかというと、
なんと2ヵ月連続で1万円以上の買い物をしています。
去年一年間で服にかけた金額はもう超えています

服が足りなくて困っていたわけではありませんし、買うつもりもあまりなかった。
それなのに僕はこの買い物に超満足していて、
「来月の『おまかせ定期便』が早く来ないかな〜」
と楽しみにしている有様です。

服を買うつもりなんてなかった僕が、喜んで服を買ってしまっている。

この結果に驚くと同時に、分析すればするほどよくできている『おまかせ定期便』の仕組みに心底感動しました。

『おまかせ定期便』のすごさを抽象化してみた

では、『おまかせ定期便』どんな風によくできているんでしょうか。
理解を助けるために抽象化してみました。
それがこちらです。

順番に説明します。

まず第一に、『おまかせ定期便』がすごいのは、なんといっても「洋服を選んでくれる」ところ。

つまりこれ、『おまかせ定期便』が提供しているのは服のネット通販ではなく、「選ぶ作業の代行サービス」だと言えると思うんです。

みなさん、「買う」前にいつも何をしますか?
そう、「選ぶ」んですよね。
「選ぶ」が終わらないと、「買う」かどうか悩むことさえできません。
かつて服を選べなかった僕がまさにこれ。

そんな人のために「選ぶ」を代行してあげて、「買う」の手前にある障壁を取っ払っているのが、すごいところの1つ目。


次に、コストゼロが徹底されているのも『おまかせ定期便』のすごいところ。

送料無料・全品返品OKという金銭的なコストゼロもそう。
選ばなくていい・お店に行かなくていいという手間のコストゼロもそう。
ZOZOSUITが普及したら、身長や体重を入力する手間もゼロになるでしょう。

その結果、
「やらない理由がない」
というレベルまでハードルを下げているのが、優れた仕組みの2つ目。


そして最後。
体験から購入までのシームレスさが本当にすごい。

届いた服を試着して、「これ買いたいな〜」と思ったら、やることは一つ。

「何もしないこと」です。

タグを取って着るだけ。
送り返さなかったものは自動的にクレカで購入処理されるからです。

心理的な面から考えても、自分の家で試着しているというのは、限りなく「所有」に近い状態です。

ここまで来ると「返品する」よりも「そのまま持っている」方がよっぽど楽になります。

「失うものはないし」と安心して、
「ちょっと試しに」と体験したら、
「いつの間にか買っていた」となるまでのこのシームレスさ。
感動さえ覚えました。

ゲームのガチャに応用してみた

ところで僕は『ふんどしパレード』という会社で『君の目的はボクを殺すこと3』というスマホゲームの開発と運営をしています。

何か面白いものに出会うと自分のプロダクトに応用したくなってしまうのはクリエイターの性。

というわけでさっそく『おまかせ定期便』の仕組みを自分のゲームに応用してみました。

それが『後払いガチャ』です。


・まず無料で10連ガチャを引ける
・結果が気に入らなければキャンセルOK
・結果が気に入ったときだけ課金すれば良い
という仕組みです。

普通のガチャの場合、
・先に課金する
・良いものが出なくても課金は取り消せない
・良いものが出るかは運まかせ
なので、『後払いガチャ』はまさに正反対ですね。

『おまかせ定期便』の要素は下記のように活かされています。

「1. 選ぶ作業の代行」
ここに関しては、ガチャという仕組みは元々そうなっていますね。
ユーザーが選ぶ必要がない(選べない)のはガチャのお約束です。
「2.コストゼロでまず体験」
『後払いガチャ』の場合、まず引いてみるのはもちろん無料。
結果が気に入らなければキャンセルできるので、失うものもありません。
さらに、『後払いガチャ』を引くだけでちょっとした報酬がもらえるようにして、「やらない理由がない」状態を作りました。
「3.体験から購入がシームレス」
ガチャ結果が出たら、画面に表示されるボタンは2つだけ。
「購入」と「キャンセル」のみです。
結果を手に入れたいと思った人がすぐ購入できるようにしています。
ガチャ結果に高レアリティのキャラがいたら、ついつい購入ボタンを押したくなってしまうことでしょう。

『後払いガチャ』の導入結果公開

今回は特別に、『後払いガチャ』をゲームに導入した結果を公開します。
導入日が3/24だったので、そこから3/31までの一週間強の結果です。

『後払いガチャ』を引いたユーザー割合:27.65%
『後払いガチャ』を引いて課金したユーザー割合:0.73%

ちょっと意外な結果になりました。

『後払いガチャ』を引いたユーザー割合そのものが低いです。

引くだけで報酬がもらえるので「やらない理由がない」はずなので、理論的には100%のユーザーがやってくれて良いはず。
なのに、1/3未満のユーザーしか引いていない。
これは明らかに改善の余地ありです。

具体的な改善策としては、
・『後払いガチャ』自体を目に触れやすくする
・引くだけで報酬がもらえることをもっとアピールする
などが考えられます。
『おまかせ定期便』でいうところの「2.コストゼロでまず体験」の部分を改善すべきと言えるでしょう。

一方、課金したユーザーの割合「0.73%」はすごく低く見えるかもしれませんが、実はそれほど悪くありません。
スマホゲームに課金してくれるユーザーは、もともと数%なのです。
むしろ、予定になかった高額課金(4,800円)を1%弱の人がしてくれたのは、大成功だと言えます。

なので、「まず引いてくれるユーザー数」さえ増やせば、後払いガチャの収益はもっともっと伸ばせる、と言えます。

おわりに

いかがだったでしょうか。

ふんどしパレードでは、いつもこんな感じで思いついたことをゲームにばんばん取り入れています。
この『後払いガチャ』も、『おまかせ定期便』を初めて体験した翌月にはもうリリースしていました。

たった2人しかいない会社なので、スピードが速いし、大胆なリスクも取り放題なんです。

ぜひ『ふんどしパレード』という名前だけでも覚えて帰ってもらえたら嬉しいです。
ついでに僕のnoteとTwitterもフォローしてくれるとなお嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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狂ったゲーム会社『ふんどしパレード』の代表の2人がそれぞれの視点で記事を投稿するマガジンです。 スマホゲーム『君の目的はボクを殺すこと』シリーズの裏話を中心に、ゲーム・アプリ・サービス・UI/UXのことまで内容はさまざま。 『君の目的はボクを殺すこと』シリーズは全世界300...
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