私の本業は日本語文法研究者なので、すごく正直に言いますが、日本語文法の一番の骨格は学校文法では教えられていません。すごく簡単な文ですら説明できていないのです。簡単な例をあげます。「これを読めば仕組みがわかるよ」と言うとすると、この文の主語は何でしょうか。仕組み？私？あなた？我々？

— yhkondo (@yhkondo) February 14, 2019

日本語のわかりにくい主語についての前スレッドの続きです。話を始める前に、ひとつ補足を。まず、これは日本語の特殊性や難しさの話ではないです。主語が見えにくい言語は、ヨーロッパ諸国語にもありますし、韓国語との類似も明らかです。また、意外かもしれませんが、中国語とも似ています。 https://t.co/S8CTDN9Pxy

— yhkondo (@yhkondo) February 17, 2019

教育に対して、文法研究をするメリットとは？学校で教わる文法はなぜわかりにくい？

「@yhkondo 氏による、日本語文法アクティブラーニングまとめ（仮）」https://t.co/gaCRvhm1R3 @BungakuReportさんから #編集部イチオシ

— トゥギャッターまとめ編集部 (@tg_editor) February 22, 2019

文学部の国文科（日文科）でプログラミングって何に使えるの？という声もあるかもしれないので、ちょっと前の研究を紹介して補足します。古典語の作品を比較して、その性格の差を研究するのに、単語索引の比較ということは昔からされてます。だけど、もっときめ細かくやりたかったのです。

— yhkondo (@yhkondo) February 26, 2019

ちょっと間があきましたが、表現のための日本語文法の続きをまた書きます。これまでの話で、日本語の主語を考えるには、敬語の問題抜きには話が進まないことを述べました。それで、敬語について、あまり知られていないことを書きます。それは「謙譲語」の問題です。

— yhkondo (@yhkondo) March 15, 2019

ここまでの私の意見は、「日本語には主語の概念は必要だが、表面に出すことは必ずしも要求されていない」となります。対比のため、主語否定論として一般によく知られている金谷武洋氏の『日本語に主語はいらない』（講談社）の主張と比べてみましょう。#日本語の主語

— yhkondo (@yhkondo) March 17, 2019

主語の話と敬語の話を交互にツイートしてますが、次は敬語の話。ちょっと前に、大臣の国会答弁の敬語が話題になっていました。国務大臣が「総理が……とおっしゃった」のように、総理に敬語を使うことの是非について。これはなかなか面白い問題です（現政権への賛否は置いておくとして）。

— yhkondo (@yhkondo) March 17, 2019

ウチとソトを区別するのが敬語なので、純粋にウチだけの世界での言語では、敬語は消えてしまいます。いわゆる「タメ口」です。対象者への《敬意》が消えてしまうのだとすると、日本人はずいぶん失礼な、表裏のある人たちだということになってしまいますが、そうではないでしょう。必要がないのです。 https://t.co/sgaTnbAam0

— yhkondo (@yhkondo) March 19, 2019

さて、スレッドを改めて、敬語を続けます。ここまで、ウチとソトという呼称を使ってきましたが、厳密に規定します。言葉に表れた時、このウチ・ソトは「こちらが致します」「そちらでなさいますか」のように指示詞で表現されることが多いです。また、身内を「こちら」で指すこともよくあります。 https://t.co/Qzt6f8GedW

— yhkondo (@yhkondo) March 19, 2019

赤ちゃんにはなぜ丁寧語で対応するのか。面白いです。今までの研究では見たことないです。言えることは、子供の年齢が上がると、丁寧語がだんだん抜け落ちていくということです。乳児はペットと同様、言語をしゃべりませんし、「ヒト」ではない（ソト）、という感覚なのではないでしょうか。 https://t.co/qdhyDtmRBY

— yhkondo (@yhkondo) March 20, 2019

「幼児になぜ丁寧語で話すか？」という難問を出していただき、考えていましたが、ひとつの仮説を提出します。まず一般論として、親が幼児に対して使う特殊な言語を「育児語」と呼びます。育児語にはいろいろな特色があります。オノマトペ名詞（犬＝ワンワン）、畳語（無い＝ないない）など。

— yhkondo (@yhkondo) March 21, 2019

いいことを述べているツイートに出会いました。「国語辞典は有用なので文法も悪くない。」まさにそうですね。今の学校文法は品詞論全体はそんなに悪くないです。しかし、その対偶の「文法が悪いと、国語辞典に問題が出る」も真です。では国語辞典の問題はどこにあるでしょう？ https://t.co/YhuVIRkTlp

— yhkondo (@yhkondo) March 24, 2019

「たかが助教」でタイムラインが賑わっているが、語学的に見ると「たかが」は極めて面白い単語だ。副詞なのに、連体修飾をする。この語と意味的・構文的にちょうど反対の副詞がある。それは「さすが」。「G氏の言説の切れ味の良さはさすが日文研の助教だ」のように使う。＾＾

— yhkondo (@yhkondo) March 26, 2019

「たかが」「さすが」などを、日本語学では「評価の副詞」と呼びます。この類は、連体でも連用にもなりますが、後に強く影響するところに特徴があります。たとえば「せっかくのご馳走」という言葉を使って文を作るとします。「せっかくのご馳走だからいただきます」という条件文がまず頭に浮かびます。

— yhkondo (@yhkondo) March 27, 2019