なぜ男女の賃金に格差があるのか

同じ仕事の不平等な収入という賃金差別は、総収入ギャップのごく一部しか占めていない。

選択する職業が男女によって異なるために生じるのでもない。性別による収入差の3分の2は、それぞれの職業の内部にある要因から来ている。女性の職業が男性の分布に従っても、収入差の3分の1しか解消できない。

大学卒業直後はまだ差が小さい。大学を卒業して10年経つと大きな差となる。所得格差は結婚直後や子どもがうまれてから1、2年後に始まる。

男女の所得格差は、キャリア格差の結果であり、キャリア格差は、カップルの不平等の根源である。

キャリアと家庭の両方の成功を目指す女性にとっての根本的な問題は、時期が重なること。キャリアにかなりの時間を投入する時期が、出産年齢に重なる。

家にいるためにキャリアを犠牲にするのは、女性である場合が多く、家族のためにキャリアをスローダウンしている。

男女平等とカップルの公平のために、システムを変更する。柔軟性と生産性、そして支援。経済の生産性と未就学と学齢児童の世話との関係性。

「キャリア」の語源は、ラテン語の「レースを行う」。「戦車chariot」、「馬車carriage」も同じ語源。

キャリアは、単に雇用されているということではない。キャリアは、進歩と忍耐強さを伴い、学習、成長、投資、利益の獲得が含まれている。自分のアイデンティティを形作ることが多い。人生の後半に現れることもある。

『なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学』 クラウディア・ゴールディン #ブクログ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?