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ミーターの大冒険 コンポレロンへ 第6話 セクション33A2D17

104第6話
ミーターの大冒険 第三部 コンポレロンへ 第6話 「セクション33A2D17」

あらすじ

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 
 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星の軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 
 ファー・スター2世号は惑星シンナの軌道から再度発進し、宇宙潮流に沿って光速近くに達して、ジャンプを繰り返す。
 目指すコンポレロンとは?
 最終目的地のアタカナへの道しるべとは?
 
 どうやら、ミーターやイルミナがそこに到達するには、「反ミュール」や「不死の従僕」とやらに接触しなくてはならないらしい!

 ミーターがイルミナに説く「我らの使命」とは?ガールが構想した「歴史消滅からの展開点」がいよいよ迫りつつある。しかし、それを座して待つことは許されない。それがミーターとイルミナ、そして次に来る別動隊の使命となる。
 ミーターは、イルミナを前にして、とつとつと、イルミナ自身の存在を「極素輻射体」の秘密から解き明かしはじめた。アルーリンのことに話しが及び、約500年前のハリ・セルダンの時代に話しが発展し、ハリの孫ウォンダの映したターミナス方程式の真実について語る。

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ミーター イルミナ、ウォンダさんが18歳の時、悲しいかな、彼女の両親と彼女の妹とベリスとの別れがあったんだよ。彼らはサンタンニ星に旅立った。ウォンダさんは一人残されたおじいちゃんハリの面倒をみるのにトランターに残った。と同時に亡きアマリルの肩代わりの心理歴史学の研究に没頭するようになった。とは言っても、ほぼ極素輻射体を自由に操るのが日課の多くだったんだが。
 その極素輻射体はそれを操る人間の感応力に同調するという特性をもっている。同時に彼女は彼女でその極素輻射体の影響で既にもっていた精神感応力が強められていった。
 ある日、とうとうある方程式の暗号が自由に彼女の感性にピタリと符号した。
 その時、ハリ・セルダンが呼応するかのように彼女の研究室を訪れたんだ。セルダンは唸った。
「なんとこの暗号はターミナス方程式!!」。輝き点滅する紫のホノグラフ。二人はその部屋の片方の空中に煌めく紫の球体に近寄った。そうしたら、その反対側にそれに呼応するかのように赤い斑点が投射した。セルダンは叫んだ。 「なんとこっちはターミナス方程式の逆関数!!完璧に呼応している。」
「おじいちゃん、そうなのよ。私にはこの二つが完全に調和しているとしか思えないわ!」「ウォンダ、そうだ、この無カオス現象を、『陰』と『陽』と古代人は呼んだとヒューミンからもらった『児童のための知恵の書』に載ってる。」
 イルミナ、この記録が何を意味するか、を説くのにどれだけアルカディアが苦心したかわかるか?

イルミナ 凄いわ!ミーターさん、わかるような気がするわ。

ミーター アルカディアは、その時ハリは、ウォンダと、本来行くべきターミナスに旅立った気分を共有したんだと言った。そして片側の赤い反射球は銀河の反対側にあるアタカナ(火)。人類の故郷の星。しかし不幸にも緑や青に輝いてない。病んでいる、とも言った。
 これからお前とその真相を究明しなくてはならない。

イルミナ でも教えて、その暗号とやら?

ミーター いいとも!
     『セクション33A2D17』!

イルミナ ミーターさん、この方程式ってどういう暗号?

ミーター イルミナ、心配するな。もう解けている。だからもう俺らは銀河をファー・スター2世号で今航行中だ。そしてお前がここにいる理由でもあるっていうことだ。
 ハニスさんがトランターで入手できた「クリプト・リーダー」でファー・スター2世号や帝国辞書編纂図書館の記憶装置に既に暗算連結したからな。

イルミナ ミーターさん、帝国辞書編纂図書館って、わたしのことじゃないの!

https://youtu.be/OUXsXQ359pk

yatcha john s.

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