『YI STUDIO の名言散歩』雑感その2

 私は現在『YI STUDIO の名言散歩』という場所で名言集を作っている。これについて雑感を書いているところ。

 さて、有名人はイメージも有名になるから、言動に気をつけていないと、あることないこと広まって、後世にまで伝わることもある。

 この最大級の被害者がマリー・アントワネットかもしれない。

 「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない。」のセリフとか「首飾り事件」とか、あれはどうも彼女は冤罪だったらしい。
 私も冤罪らしいという話の方をいつから何から知ったか、学生の頃だから覚えていないが、いくらでも検索ですぐわかる事なので、これについては気にせず先に進める。
 冤罪は気の毒だが、いかにも彼女なら、庶民には食べられないお菓子を食べている時にポロッと言いそうだし、身分が高く肖像画にも多く残るように当時のお洒落をしつくしていたのだから、あまりに高価な首飾りも手にする機会があるし、その良さもわかるだろうから、とりあえず目の前の宝石に目を輝かせて素晴らしさの感想くらいは言うだろう。私が植えつけられてきた「いかにもあの人らしい」マリー・アントワネットのイメージでもある。

 当然近くにお側の者がいるから噂になる。

 当時の人達はTVもネットもないし、彼女の周りの貴族たちは働かなくてよいので暇だから、娯楽と噂に飢えている。伝言ゲームでも正確に伝わるかどうかあやしいのに、噂というのはおもしろおかしく尾ひれがつくものと相場が決まっているのだ。

 実際にはおもしろくもなんともない事実かもしれないが、事実を事実としてそれ自体をきちんと記録し伝える、こういうことが仕事の習慣として身についているのは学者くらいなもんである。
 「この人が言ったと伝えられているが実際には文章が見つからなかった」なんていうのは事実として大事な事なのだが、人々の夢を壊し、盛り上がっていた気持ちを滅茶苦茶にしてしまう事にもなりかねない。

 要するに、事実であるかどうかはともかく、「おもしろい」と思ってもらわないと、大多数の人達に伝わりにくいのだ。

 このおもしろくなくなるような事実の中でそれでも興味を引く点は、「ではなぜこの人が言ったと伝わったのか」の問いに対する答なのである。

 これこそが、「この有名人」の言葉をイメージさせる言葉として皆が納得するからこそ広まった理由である。この理由は様々であるが、この背景があるからこそ、その時何らかの問題に直面した多くの人の心に、有名人の言葉として深く刻まれてきたのだと思うのである。

 人々の心に良い言葉として残る方の、有名人の言葉である、格言。

 格言については、その時代からの人々にも伝えられたし、書物としても多数残された。学者の研究対象になるばかりでなく、一般書として需要があり、街の本屋さんでも売られている。

 誰の言葉にしろ、その言葉を格言として、現代も必要としている人々が存在しているという事実があるのだ。

 昔の人の言葉が格言として今も残って人々の心を動かしている、こちらの事実に私は興味を抱いているし、それで様々な格言も次第に自分の心に残るようになったのだと感じているのである。

『YI STUDIO の名言散歩』雑感その1
https://note.mu/yistudio/n/nfd0747fa9c28
            雑感その2
https://note.mu/yistudio/n/n9e437c4e7ed0
            雑感その3
https://note.mu/yistudio/n/na75154623edd
            雑感その4
https://note.mu/yistudio/n/n92c04a701770
            雑感御礼1-4
https://note.mu/yistudio/n/n1554d8d5d37c

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