三方良し

http://www.mother-house.jp/special/mhc/4-4.php

シリーズ第4弾「モノがあふれた時代のモノの買い方、売り方」第3回のゲストは、2011年に若干22歳で「21世紀の子どもたちに、日本の伝統をつなげたい」という想いから株式会社和えるを立ち上げ、2014年7月には初の直営店「aeru meguro」をOPENさせた矢島里佳さんを招いて議論を展開した。

矢島さんのお話を聞いていつも思うことは、ひずみがない企業運営をされているということだ。量産や利益に比重を置いていない、社員たちへの教育など、ベンチャーはスピードが命と言われるなか、まるで我が子を育てるようにゆっくりと。
大量生産大量消費へのアンチテーゼがうたわれて久しいが、昨今、政治・経済・ライフスタイルに対する疑念が増すなか、「おかしい」「しょうがない」と思うことは絶対やらない。(株)和えるがそれを、「三方良し」を体現しているように思える。

経営者にしかわからない苦労、ビジネスはそんなに甘いものではないと思うがそれでも、目的を達成するために手段を正当化することは、これからの時代にそぐわないとぼくは思う。

「伝統産業を救いたいと思ったことはない。」と矢島さんはおっしゃっている。やりたいからやっている経営とは思うが、日本の未来を確かに見据えているように感じる。

寺院などの文化財修復・施工の業界最大手で、漆塗、彩色、金具、金箔押等、装飾技術を合わせ持つ唯一の会社である(株)小西美術工芸代表取締役ディビット・アトキンソンさんと同列で考えると頭が痛いが、、共通して言えることは、経験とその質がスキルやアイデンティティになっているということだ。

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