無印良品ECサイトの目的

昨日からリスタートしたMHC(マザーハウスカレッジ)。MHCとは「Warm Heart, Cool Head」を理念に、情熱を高め合い、その情熱を実現するために必要な思考を鍛え合う場である。

http://www.mother-house.jp/special/mhc/

シリーズ第4弾「モノがあふれた時代のモノの買い方、売り方」第1回のゲストは、日本を代表するコンセプトブランドとして世界展開を進めているMUJI(無印良品)のWEB事業部長、奥谷さんを招いて議論を展開した。


無印良品のECサイトは全体の10%を売り上げている。国内に269店舗もあることを鑑みると決してないがしろにできない数字である。しかし奥谷さん曰く、残り90%の店舗売上が重要であり、ECサイトの目的は売上になく「顧客時間の分析」「お客様とのコミュニケーション」「O2O2O(Online to Offline)」にあると断言する。

マーケティングに、お客様にモノを売るためのツールというイメージがあるのはぼくだけだろうか。元来、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」がそれである。

ECサイト(WEB)の目的を体現しているひとつに「くらしの良品研究所」がある。

http://www.muji.net/lab/

約4,000点近くある(違ったらごめんなさい)商品全てに、お客様からのご意見・ご要望と無印良品からの回答を公開することで、 より多くのお客様との情報共有を可能にしている。

無印良品デザイナー兼アドバイザリーボードメンバーの深澤直人さんは、「デザインとは人とモノと環境の関係」と述べていることを思い出す。プロダクトに哲学を込めるには企業理念と乖離されてはならない。同様に企業理念を貫徹するには、モノにも仕組みにもそれが反映されていなくてはならないのだろう。


「仕事人としてのアイデンティティはスキルでしか体得できない。(中略)やりたいことを仕事にできたら幸せかもしれないけど、自分と向き合ってばかりではいけない。」(マザーハウス副社長山崎さん)
「バッターボックスに立とうとする人が少ない。バットに当たらなくてもデッドボールで塁に出られるかもしれないし、塁に出られたら進塁できるかもしれない。」(無印良品WEB事業部長奥谷さん)

パーソナルな部分で印象に残った言葉である。

競合他者により無印良品のブランド力が高まっている部分もあると奥谷さんは話す。「絶対はない」と示唆的に感じた。ならば、アクションに勝るものはないと思う。

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