見出し画像

冬夜、叡山電車で 2

宝ヶ池までやってきて、今度は「八瀬比叡山口」へ向かう。

700系

黄緑の700系

やってきたのは700系。前回で乗った「ひえい」と同型の電車だ。

叡山電車沿線の繊維メーカー「川島織物セルコン」
市原駅の写真織アートの他、電車のリニューアルにも参画している。
合図ベルがあんなところに。
路面電車みたい。
友禅柄の袖仕切り
京都市営地下鉄同様、地元推しな電車。

数年前に車両はリニューアルが施された。車内は木目調で綺麗になり、ドア下部にも窓が付いた。外装も塗装が新しくなったり、前面下に「スカート(覆い)」が付けられた。

ドアチャイムが追加されたがこの音を聴くと聞き覚えがある。

目ぇ閉じたら大阪メトロやん笑

他社で使われることはなかったこの音色。本家よりトーンが明るい気がする。だが、それを除けば、御堂筋線に乗っているようにしか思えない。

赤の700系

「700系」は車両ごとに色が異なっている。乗った「黄緑」の他、「青」「緑」「赤」がいる。

700系731号「ノスタルジック731」
サナギの如く、リニューアル工事中。

「731号」と呼ばれる車両は「ノスタルジック731」と命名された特別仕様。創業時の電車をイメージして復刻メイクを施した。

この車両も今乗ってるのと同じリニューアルと追加の復刻メイクが施工。2024年2月から「ノスタルジック731改」と名を新たに走り始める予定だ。どこかのアニメのような名前に聞こえるのはさておき、お披露目が楽しみだ。

八瀬比叡山口駅

約4分で「八瀬比叡山口駅」に到着。

右書きで「八瀬驛」
来年で開業100年の節目。
今の駅名は三代目。

かつては「八瀬遊園駅」を名乗り、遊園地もあった。

しかし、2001年に閉園し、駅名が現在のものに変更。跡地は会員制リゾート「エクシブ京都八瀬離宮」に生まれ変わった。

右は比叡山、左は大原、滋賀方面

ここから「三千院」で知られる「大原」へのバスが発着している。調べてみると滋賀県の山中にある「途中(大津市)」や「朽木くつき(高島市)」へもバスが出てるそう。県民なら一度は聞いた地名だが、ここから直接行けるのは初耳。

近くには「叡山ケーブル」の「ケーブル八瀬駅」がある。なお、ケーブルカーは3月まで“冬眠”している。少し寂しそうなこの駅だが、ホームがそんな空気をぶっ飛ばす。

寂しさぶっ飛ばすイルミ

何じゃこのイルミネーション!!??

と叫びたくなる煌びやかな雰囲気。三重県の「なばなの里」にも匹敵するほどに思ってしまう。

叡山電車で夜を楽しむというと「もみじのライトアップ」。市原〜二ノ瀬間にある「もみじのトンネル」や貴船口駅では幻想的な光景が広がり、国内外からたくさんの観光客が集まってくる。秋の他、新緑シーズンにも実施している。

しかし、それ以外の季節はと言えば、まばらになってしまう。「たくさん来て!」「鞍馬もええけど八瀬もええから!!」と言わんばかりのド派手さが八瀬比叡山口駅のイルミネーションに現れている。

出町柳へ戻る

折り返し時間になって、出町柳駅へ戻る。

すれ違ったのは「緑」
非リニューアル車だが、いつまで見れるか
修学院の車庫
折り返しは鞍馬行き。
この車両が使われるのは深夜帯がメイン。

出町柳駅に戻ってきた。

アニメ×叡山電車

『甘神さんちの縁結び』のパネル
京都が舞台で主人公の名前も京都の地名が付いている。
マンガ雑誌「まんがタイムきらら」と叡山電車のコラボ。
観光電車「きらら」と同名という縁。

駅には2つのアニメのパネルが立っていた。これらに限らず、「京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)」や「まんがタイムきらら」とのタイアップなど叡山電車は数多くのアニメとコラボしている。

有頂天家族ד偽”叡山電車

『有頂天家族』では叡山電車の“そっくりさん”が劇中に現れる。空を飛行する「偽叡山電車」と呼ばれるキャラクター。物語の鍵を握る「キートレイン」なんだとか。実際見ていないからわからないが。

これにちなんで、「偽叡山電車」のモデルで、鞍馬駅で保存されている旧型車両「デナ21形」実物カットモデルに登場人物などをラッピングした。

沿線には「マンガ学部」を擁する「京都精華大学」があるし、「京都アニメーション」などのアニメ文化の発信拠点の1つ。叡山電車はこういう文化を支える一翼と言えそう。


久方ぶりの叡山電車。目立った新車両は「ひえい」ぐらい。(“ギリ昭和”の中古電車やけど)それでも、夜の雰囲気は何度でも訪れたくなる。もみじだけでなくイルミネーションなど夜を楽しめる要素はたくさん。また行こ。


ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。